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【特集】続・「最も危険な政治家」橋下徹研究

新潮45 2011年12月号

(毎月18日発売)

特別定価827円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2011/11/18

発売日 2011/11/18
JANコード 4910049371213
定価 特別定価827円(税込)

【特集】続・「最も危険な政治家」橋下徹研究

・自殺に追い込まれた府庁職員/本誌取材班
・前大阪府知事はやっぱり「病気」である/野田正彰
・「テレビとの共犯関係」でつくられた虚像/江弘毅
・「反ファシズム論」では彼には勝てない/佐藤優

【対談】このロクでもない二人/西村賢太vs.上原善広

◆ギリシャからの報告 国家が破綻するということ/有馬めぐむ

◆中国ネット軍のサイバー攻撃に備えよ/黒井文太郎

◆サムスンの「半導体絶望工場」/ベ淵弘

◆国防の保険数学 国の死に方6/片山杜秀

【対談】舞台の初日、役者は狩人になる/市川亀治郎vs.河原雅彦

◆「宴会のできる武家屋敷」に住みたい/内田樹

◆寂しき谷崎潤一郎/高橋百百子

◆追悼・北杜夫 性に目覚めた?「躁病期」/中瀬ゆかり

【特集】言論の死角
・民主主義を盲信する「B層」が国を滅ぼす/適菜収
・東日本の再建に復興増税は必要なし/原田泰
・ジョブズはそんなに偉いのか/酒井信

【達人対談】「マグネシウム発電」こそ切り札だ/矢部孝vs.ビートたけし

◆[記者匿名座談会]浮いた話、浮かないTPP

【好評連載】放射能と暮らす
 第二回*この秋の、切なる願い/玄侑宗久


◆昭和の子供だ君たちも 第二回/坪内祐三

◆ピアニストだって冒険する 第二回/中村紘子

◆弟宮 第三回
 *秩父宮の憂鬱/竹田恒泰


◆転んでもタダでは起きない/里見清一
 「敗戦処理」という最重要課題(その3)


◆兵士は起つ 第三回/杉山隆男

◆福島の証言 第三回/和合亮一

◆田老物語 巨大防潮堤と「日本の近代」 第三回/高山文彦

◆復興への道「国道45号線」をゆく/稲泉連
 第四回*気仙沼市〈1〉 燃料調達


◆反・幸福論 第十三回/佐伯啓思
 *真珠湾攻撃から七十年


◆「共死」を想え 第六回/山折哲雄
 *啄木と西行、滅びへの哀惜


◆人生の星の時間 森有禮/福田和也

◆〈巻頭コラム〉風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話 *政治家の言葉/曽野綾子
◆閻魔堂の吹き流し *座に就くなら逃げるな/山本一力
◆道聴途説 *あの世からの助け/外山滋比古
◆だまし庵日記/野坂昭如
◆名門と国家 *家達の政治的命運尽きるとき/徳川家広
◆おとこのるつぼ *くさーっ/群ようこ

■切り絵パロディ 新世界文学名作選2/高木亮

■書物の森

■シネマ・ブレイク

[グラビア]
◆狂った遠近法/田中和義
◆地球生き物語 第3回*ニホンリス/福田幸広

編集長から

言葉の端々に感じられる
アナーキーな破壊衝動
 十一月十三日の大阪市長選告示日、たまたま所用で大阪にいたので両候補の街頭演説を聞いてきました。やはりと言うべきか、橋下徹氏の演説はさすがに上手い。メリハリのきいた話し方、敵味方をはっきりさせる攻撃的論法。話の中身はほとんど無いのに、聴衆を「祭」へと連れて行くその演劇性は大したもので、人気が高いのもわかります。しかし、だからこそ危ないという思いもまた強くしました。
 大きな反響を呼んだ前号の「橋下研究」に引き続き、十二月号も「続・『最も危険な政治家』橋下徹研究」という特集を組みました。「危険」という言葉には、支離滅裂な政策の危なっかしさ、言葉の端々に感じられるアナーキーな破壊衝動の危うさも当然含まれています。
 このほか、橋下研究で注目の上原善広氏と芥川賞作家・西村賢太氏による対談「このロクでもない二人」、ビートたけし氏・矢部孝氏の対談「『マグネシウム発電』こそ切り札だ」も必読です。

新潮45編集長 三重博一

(「波」2011年12月号より)

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

新潮45とは?

「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
 3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
 しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
 それは「人の生き死に」について考えるということです。
 扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。

 ちょっと危険で、深くて、スリリング。
 死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
 一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
 
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞