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【特集】路頭に迷う世界

新潮45 2012年1月号

(毎月18日発売)

特別定価880円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2011/12/17

発売日 2011/12/17
JANコード 4910049370124
定価 特別定価880円(税込)

【特集】路頭に迷う世界

・世界恐慌の跫音/榊原英資
・貿易協定という名の「仁義なきルール戦争」/中野剛志
・「お金への執着」が経済を狂わせる/小野善康
・世界を揺るがす「人間マイクロフォン」/濱野智史
【対談】ペシミズムを力に/古井由吉vs.片山杜秀

◆指導者の条件――出でよ「現代の上杉鷹山」/藤原正彦

◆日本文化は戦争に勝った/ドナルド・キーン

【新連載】
・戦後史の風景 第一回*『ノルウェイの森』/武田徹
・石の虚塔 考古学「世紀の発見」が生んだ天国と地獄 第一回/上原善広

【新春対談】音楽はやっぱり素晴らしい/さだまさしvs.佐渡裕

◆追悼・立川談志 来世でも顧問として仕えたい/吉川潮

【ルポ】「金正日生誕の地」をついに突き止めた/金賛汀

◆死を呼ぶ女 大阪淀川保険金殺人事件/小野一光

【球界激談】ナベツネさん、もうお辞めなさい/坂井保之vs.玉木正之

【特集】「弁護士政治家」が日本を滅ぼす

・「正義と人権」が法を踏みにじる/適菜収
・「政治指導者」に最も向かない人々/佐藤優
・この度し難き「法匪」たち/白川勝彦
・保存版! 弁護士国会議員総覧/本誌編集部

◆尖閣・竹島・北方領土
 最新「日本の領土問題」/東郷和彦


◆日本をイラ立たせる「非寛容なモラル」/湯山玲子

◆本当は怖い抗うつ剤/高田明和

◆落語「死神」の教え/里見清一

【記者匿名座談会】いよいよ「選挙の年」

【達人対談】
ラグビーの天才の「とんでも伝説」/松尾雄治vs.ビートたけし


◆新装開店◆Review

[読書日記]恩田陸

[インタビュー]出口寛泰

◆弟宮 第四回
 *秩父宮の発病/竹田恒泰


◆昭和の子供だ君たちも 第三回/坪内祐三

◆放射能と暮らす 第三回
 *蜘蛛のなかの銀/玄侑宗久


◆福島の証言 最終回/和合亮一

◆兵士は起つ 第四回/杉山隆男

◆田老物語 巨大防潮堤と「日本の近代」 第四回/高山文彦

◆復興への道「国道45号線」をゆく/稲泉連
 第五回*気仙沼市〈2〉 道路資材


◆国の死に方 第七回
 *朝鮮人大虐殺はなぜ起こったか/片山杜秀


◆反・幸福論 第十四回/佐伯啓思
 *開国という強迫観念


◆〈巻頭随筆〉風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話 *長子相続/曽野綾子
◆ピアニストだって冒険する *お料理という大冒険/中村紘子
◆閻魔堂の吹き流し *この新年を元年に/山本一力
◆道聴途説 *三河の風/外山滋比古
◆だまし庵日記/野坂昭如
◆おとこのるつぼ *ハト男/群ようこ
◆名門と国家 *徳川家達、没す/徳川家広
◆人生の星の時間 加藤高明/福田和也
◆切り絵パロディ 新世界文学名作選3/高木亮

◆表紙 六本木ヒルズ/広瀬達郎
◆扉 春風/高木亮
◆地球生き物語 第4回*キタキツネ/福田幸広


編集長から

漂流する世界の中で
「あらゆる現代は過渡期である」と言ったのは小林秀雄ですが、頭では「この一年も歴史の一コマに過ぎない」とわかってはいても、年の瀬にはつい「大変な年だったなあ」と感慨にふけってしまいます。もちろん今年はその思いがひとしおです。
 日本ばかりではありません。中東の政変ドミノ、欧州の債務危機……。何か大きな地殻変動が起きているのに、そのメカニズムが判然としない。世界中が漂流している不気味な感じ。
 そんな思いから、今月は「路頭に迷う世界」という特集を組み、六人の論客に真っ向から論じていただきました。また藤原正彦「指導者の条件」は、上杉鷹山の治績を温(たず)ね、世界に求められるリーダー像を探ります。
 このほか特集「『弁護士政治家』が日本を滅ぼす」、さだまさし・佐渡裕「音楽はやっぱり素晴らしい」、坂井保之・玉木正之「ナベツネさん、もうお辞めなさい」の両対談にもご注目を。六十四ページ増の新年特大号です。

新潮45編集長 三重博一

(「波」2012年1月号より)

バックナンバー

雑誌バックナンバーの販売は「発売号」と「その前の号」のみとなります。ご了承ください。

雑誌から生まれた本

新潮45とは?

「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
 3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
 しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
 それは「人の生き死に」について考えるということです。
 扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。

 ちょっと危険で、深くて、スリリング。
 死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
 一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
 
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞