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【特集 エネルギー無策】かくも怪しき「太陽光」バブル/小林泰明

新潮45 2015年6月号

(毎月18日発売)

897円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2015/05/18

発売日 2015/05/18
JANコード 4910049370650
定価 897円(税込)

【特集】エネルギー無策

かくも怪しき「太陽光」バブル/小林泰明
 欠陥制度で、もはや破綻寸前

◆棚上げ、数字合わせ、先送り 誰も本気で考えない「原発の未来」/日吉野渡
◆メタンハイドレートで目指せ「資源大国」/青山千春

【談論風発 大阪に未来はあるか
◆「大阪化」と「京都化」から日本を考える/藤吉雅春
◆デマゴーグ「大阪維新」、跳梁跋扈す/薬師院仁志


死刑執行秒読み 麻原彰晃「指南役」の告白/一橋文哉

「忘れてはならない」
パラオの海に捧げた天皇陛下の思い/井上亮


【新シリーズ 奈落の子供たち】
足立区「マネキン偽装」虐待死事件/石井光太

メディアの命運 〈3〉hontoカードが拓く未来/武田徹

【続報 イスラム過激派】
◆「イスラム国」の花嫁 西欧の「自由」を捨てる少女たち/三井美奈
◆アフリカ崩壊国家に咲いた徒花 「ボコ・ハラム」と「シャバブ」/松本仁一


病室から見た日本/小田嶋隆

皇帝なき「閉じた」帝国の時代 資本主義の黄昏〈5〉/水野和夫

「がまん」できない社会 反・幸福論〈52〉/佐伯啓思

最強バルセロナ「進化する戦術」/岩本輝雄
欧州チャンピオンズリーグ観戦記

【新たな古本ブーム!】本読み史上最高の時代

◆高原書店からブックオフへ、または「せどり」の変容/坪内祐三
【対談】知の獣道/片山杜秀×平山周吉
◆町の古本屋の開き方/広瀬洋一
◆「古本屋ツーリスト」という人生/小山力也

和菓子が変わる!/橋本麻里

その時、言葉は私の「神」となる/中村うさぎ
心肺停止になって考えたこと[最終回]


【巨弾連載小説!】
オペレーションZ 第9回/真山仁

【話題沸騰! 歴史巨編】
プリニウス 第18回/ヤマザキマリ とり・みき

組織で生き抜く極意/佐藤優
〈10〉上司は選べないが部下は選べる(1)

鳥類学者の優雅で過酷な日々/川上和人
〈6〉ナツノオモイデ

私大阪 〈6〉仕事に食らいついて/上原善広

本当はエロかった昔の日本
古典文学で知る性愛あふれる日本人/大塚ひかり
〈10〉ガラパゴス化して嫌なエロになる江戸時代

日中百年の群像――魯迅と蔣介石が日本に見た夢/タン・ロミ
〈14〉蔣介石の闘い

日本のビョーキ/里見清一
〈27〉コミュニケーション各論(8)「安心」させる方法

日本人よ、ひとり往く生と死を怖れることなかれ/山折哲雄
〈11〉道元、親鸞、「名」を発見する

【達人対談】美人を長方形にたとえてみれば?
アート・サイエンスの達人/牟田淳vs.ビートたけし

◆[扉]毒矯/高木亮
◆居酒屋チエコ亭21 筍ご飯とおかか三ツ葉のおにぎらず/オガワチエコ

◆〈巻頭随筆〉風が時間を/徳岡孝夫
◆人間関係愚痴話/曽野綾子
◆だまし庵日記/野坂昭如

◆[記者匿名座談会]「長期政権」で始まった側近たちの暗闘
◆国道者 *囚人が作った国道333号/佐藤健太郎
◆天国飯と地獄耳 *アーユー、チュッパチャプス?/岡田育
◆イマイマイズム見聞録 *世界フィギュアスケート国別対抗戦2015/今井舞

◆[切り絵パロディ]贋作名画大全20/高木亮

■Review■
・BOOK
・CINEMA
・EXHIBITION
[TV Peeper]村上和彦
[読書日記]小川真司
[インタビュー]新郷由起

編集長から

エネルギーをめぐる
過誤、不作為、思考停止


 安保法制ばかりに注目が集まっていますが、国家にとって同じくらい大事なのがエネルギー問題。ところが日本では今すべての原発が止まったまま、エネルギーミックスの問題も福島第一の廃炉問題も、何もかも「先送り」にされてしまっています。原発を本当にどうしていくのか、将来のエネルギー源をどうするのか、誰も本気で考えていないのです。一方で、再生可能エネルギーの柱として建設が進む太陽光発電は、制度設計の誤りによって「金融商品」と化し、破綻寸前の状況です。エネルギーをめぐる過誤と不作為と思考停止を報告します(特集「エネルギー無策」、小林泰明「かくも怪しき『太陽光』バブル」他)。
 虐待や貧困にあえぐ子供たちを追う新シリーズ、石井光太「奈落の子供たち」第一回は「足立区『マネキン偽装』虐待死事件」。一橋文哉「死刑執行秒読み 麻原彰晃『指南役』の告白」、特集「談論風発 大阪に未来はあるか」「新たな古本ブーム! 本読み史上最高の時代」も読み応え充分。

新潮45編集長 三重博一
(「波」2015年6月号より)

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

新潮45とは?

「新潮45」の創刊は1982(昭和57)年3月で、創刊当初は「新潮45+」(シンチョウヨンジュウゴプラス)という誌名でした。その名の示すとおり、もともとは45歳以上の中高年層を読者対象に想定した雑誌であり、新潮社にとっては初の総合雑誌への挑戦でもありました。
 3年後の1985年より「+」が取れて、誌名は現在の「新潮45」に変わります。内容も「日記と伝記」を軸にした新たな教養雑誌へとリニューアル。以来、その時々の編集部の方針によってノンフィクションや事件への志向が強まったり、独自の言論に力点を置いたり、誌面は変わり続けてきました。
 しかし、一つだけ変わらない「芯」のようなものがこの雑誌にはあります。
 それは「人の生き死に」について考えるということです。
 扱うテーマや素材は、政治経済から殺人事件、芸能スキャンダルやスポーツ・ドキュメントに至るまで多岐にわたります。叙述の仕方も、論考あり、エッセイあり、重厚なノンフィクションありとさまざまです。けれども雑誌の真ん中には、尽きることのない「人間への関心」がある。
これからも「新潮45」は変わり続けるでしょう。時代に向き合いながら、新しいテーマに挑み、表現の幅も広がっていく。しかし、その「芯」の部分は変わりません。ネットの時代になっても、いやネットの時代だからこそ、「新潮45」は「人間」を書き続けていきます。

 ちょっと危険で、深くて、スリリング。
 死角を突き、誰も言わないことを言い、人の生き死にを考える。
 一度読むとクセになるような「毒にも薬にもなる雑誌」。
 
「新潮45」はそんな雑誌であり続けたいと思っています。

雑誌主催・共催・発表誌の文学賞