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特集【アナザーワールド】芦沢 央/乾くるみ/大山誠一郎/住野よる/法月綸太郎/小田雅久仁/勝山海百合

小説新潮 2015年9月号

(毎月22日発売)

947円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2015/08/22

発売日 2015/08/22
JANコード 4910047010954
定価 947円(税込)

特集【アナザーワールド】

◆芦沢 央/姉のように
――優しくて完璧な姉、常に相談相手だった姉が、殺人で逮捕された?

◆乾くるみ/物件探偵 北千住3分1Kアパートの謎
――退去者が続いたアパートに、賃上げの好機と不動産屋は意気込むが

◆大山誠一郎/うれひは青し空よりも
――老優が語る戦時下の悲恋。70年解けなかった初恋の少女の秘密とは

◆住野よる/か、く。し!ご?と
――気になって仕方ない同じクラスのあの子。小さな変化の理由は?

◆法月綸太郎/挑戦者たち 3
――迷宮、読めない挑戦――。「読者への挑戦」が覆すミステリの常識

◆小田雅久仁/預言者
――猛烈な怒りに取り憑かれた途端、男の口から真実が流れ始めた!

◆勝山海百合/迅雷一声
――富裕な夏家から失われた吉祥鳥。気を落とす奥方の背後には……

【新連載スタート】
◆初野 晴/世界の果ては二つ
――目指すは楽園――少女を救うため、青年は「本物」の物語を繙く

【好評読み切り短編】
◆奥田亜希子/君に落ちる彗星
――ファンのコメントを読んではいけない。ブロガーとなった元アイドルは

◆押切もえ/アキと月色のネイル
――決して口にはできない想い、全て歌詞に託してきた。けれど――

【連載コラム】
◆本の森
――新刊文芸書の中から、選りすぐりのお薦めを紹介
〈歴史・時代〉田口幹人/〈SF・ファンタジー〉石井千湖/〈恋愛・青春〉名久井直子

【好評連載小説】
赤川次郎/7番街の殺人
朝井まかて/眩―くらら―
飯嶋和一/翼人のかたみ
伊吹有喜/カンパニー
木内 昇/球道恋々
近藤史恵/スティグマータ
今野 敏/去就 隠蔽捜査6
柴田よしき/最後の選択XV 名前のない古道具屋の夜 最終回
谷村志穂/アンクランプ
西村京太郎/神戸より愛をこめて 神戸電鉄殺人事件
三羽省吾/ヘダップ!
諸田玲子/風聞草墓標
山本一力/カズサビーチ ようそろ
柚木麻子/BUTTER

【連載エッセイ・ノンフィクション】
角幡唯介/ある鮪漁師の漂流
北村 薫/うた合わせ
柴門ふみ/大人恋愛塾
酒井順子/源氏姉妹(しすたあず)
佐藤 優/落日の帝国 プラハの憂鬱
二階堂ふみ/只今 文筆修業中
ペリー荻野/ちょんまげ ザ・バトル

第三回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告/編集後記

編集長から

人生のifを楽しむ
「あの時、ああしていたら」と、過去の選択を振り返るのは、誰でも経験があることだろう。違う選択をしていたら、別の今があったはずで、それはどんな「現在」だっただろうと考えてみるのは、歴史のifをもてあそぶようで面白い。
 程度の大小はあれ、人生は決断の連続で、三叉路を歩き続けているようなものだ。左右の道の開き具合は小さくとも、そのすべてで右を選んだ人と、逆にすべてで左を選んだ人との間には、ややもすれば大きな隔たりが生まれる。
 小さな選択の一つ一つが積み重なって、いくつもの「もう一つの人生」を生み出しているのだが、自分が経験できるのは、その中のたった一つだけ。つまらないと言えばつまらないが、致し方ない。
 その替わりと言ってはなんだが、可能性の果てに消え去った数多のifを味わうために、人は物語に惹かれるのだろう。今月は、そんなifの中でも、とびきりの別世界をご用意した。


小説新潮編集長 新井久幸

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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