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特集【エログロナンセンスの時代R】久坂部羊/花房観音/梶尾真治/小林泰三/法条 遥/蛭子能収/長江俊和/北大路公子/恩田 陸

小説新潮 2015年11月号

(毎月22日発売)

947円(税込)

雑誌の仕様

発売日:2015/10/22

発売日 2015/10/22
JANコード 4910047011159
定価 947円(税込)

特集【エログロナンセンスの時代R】

久坂部羊/アルジャーノンにギロチンを
――何故、こんなことに――完璧な人生の総仕上げで起きた皮肉とは

◆花房観音/卍の女
――性の悦びなど知らずに生きてきた。そんな園江はある女に出会い

梶尾真治/江呂黒軟歩の純愛
――焦土と化した地球を救わねばならぬのに、私の心は千々に乱れ……

◆小林泰三/食用人
――食用か否かだけが、世界の全て。そんな私が虜になったある料理

法条 遥/シンデレラは王子が家まで追って来る事を予想していなかった模様
――転がった靴は二人の愛の印。それを大切に手に取り……投げた!?

◆蛭子能収/夜の女
――その女は夜9時に木の下へ現れるという。男たちは待ちわびて

長江俊和/ルレの風に吹かれて
――失踪した友人を探して訪れた国。そこには真実の愛があった――

北大路公子/ともだち
――十年ぶりでもすぐにわかった。だって彼は少年のままだったから

恩田 陸/球根
――ようこそ天啓学園へ。我々が誇る秘密の花園にご案内いたします

【新連載スタート】
◆黒田龍之助/物語を忘れた外国語
――いつも傍らに原書と辞書を。物語と一緒なら、語学はもっと面白い

【好評読み切り短編】
乙川優三郎/海の縁
――作家は海に向かって立ち、かつてこの風を受けとめた者たちを思う

【連載第二回】
貫井徳郎/邯鄲の島遥かなり
――伝承の男が帰還した神生島。女が続々と彼の元に通い、男たちは

◆初野 晴/世界の果ては二つ
――長い物語は始まったばかり。少女を救えるかもわからぬままに――

増田俊也/北海タイムス物語
――記者を志し、北海道に来た野々村。歓迎会で待ち受けていたのは

【連載コラム】
◆本の森
――新刊文芸書から、選りすぐりのお薦めを紹介
〈歴史・時代〉田口幹人/〈SF・ファンタジー〉石井千湖/〈恋愛・青春〉名久井直子

【好評連載小説】
赤川次郎/7番街の殺人
朝井まかて/眩―くらら― 最終回
飯嶋和一/翼人のかたみ
伊吹有喜/カンパニー
近藤史恵/スティグマータ
今野 敏/去就 隠蔽捜査6
谷村志穂/アンクランプ
西村京太郎/神戸より愛をこめて 神戸電鉄殺人事件
三羽省吾/ヘダップ!
山本一力/カズサビーチ ようそろ
柚木麻子/BUTTER

【連載エッセイ・ノンフィクション】
角幡唯介/ある鮪漁師の漂流
北村 薫/うた合わせ 最終回
柴門ふみ/大人恋愛塾
酒井順子/源氏姉妹(しすたあず)
佐藤 優/落日の帝国 プラハの憂鬱
ペリー荻野/ちょんまげ ザ・バトル

第三回「新潮ミステリー大賞」募集要項
次号予告/編集後記

編集長から

怖いもの見たさの文学
 人間、ダメと言われるとかえってやりたくなるもので、「怖いもの見たさ」もその一種だろう。エロやグロなど、公の場に出すのはそぐわないとされている事柄は、それ故、人を惹きつける。禁止されているものをこっそり垣間見るという行為そのものが、一つの快感になったりもする。
 ナンセンスもそうだ。不条理だったり、すんなり理解出来ないが故に、気になって仕方がなくなるのである。
 そういった、人間の根源的な欲求を喚起するテーマとして、昭和初期に一世を風靡した「エロ・グロ・ナンセンス」という表現は、非常に優れた言語感覚のなせる技だと思う。語呂も語感も良く、一度聞いたら忘れない。
 これらは、今の世にも変わらず存在するが、改めて「エログロナンセンス」と言ってみることで、良く知っているテーマに、また違った趣を感じられるのではないか。そんな風に考えて、今回の特集を企画した。


小説新潮編集長 新井久幸

バックナンバー

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雑誌から生まれた本

小説新潮とは?

 小説新潮は戦後まもない一九四七年に創刊されました。以来、文学史に名をとどめる作家で、小説新潮に登場したことのない名前を探すほうが困難なほど、数多の文豪、巨匠、新進気鋭による名作、名シリーズが誌面を飾ってきました。

 時代は変わり、新しい作家、若い書き手も次々に現れます。変わらないのは「小説を読む楽しみ」を大切にすること。現代小説、時代小説、ミステリー、恋愛、官能……。ジャンルにこだわらず、クオリティの高い、心を揺り動かされる小説を掲載していきます。

 小説と並ぶ両輪が、エッセイと豊富な読物です。小説新潮では、毎号、ボリュームのある情報特集や作家特集を用意しています。読み応えは新書一冊分。誰かに教えたくなる情報が、きっとあります。

 目指すのは、大人の小説、大人の愉しみが、ぎっしり詰まった雑誌です。経験を重ね、人生の陰翳を知る読者だからこそ楽しめる小説、今だからこそ必要とされる情報を、ぎっしり詰め込んでいきたい。

 言葉を換えれば、「もうひとつの人生を体験する小説誌」。時には主人公たちの息遣いに寄り添い、またある時には人生の新たな側面を見つけるささやかなヒントになれば――そう願っています。
 ほんの少しかもしれませんが、小説新潮で毎月の生活がきっと変わるはずです。

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