現代のコンスタンティノープル(イスタンブール)の地図と写真
(写真はクリックすると拡大されます)
コンスタンティノープル


 当時は皇帝アレクシオスが治めていたビザンチン帝国の首都。ビザンチン帝国は7世紀の前半にアラビア半島から発したイスラム教の勢力にまたたく間に領土を侵略され、シリア、パレスティーナ、エジプト、北アフリカなどの要地を失い、目と鼻の先の小アジアにまで迫られた末、法王ウルバン2世に救援軍を要請した。

「皇帝アレクシオスは、(中略)ビザンチン帝国皇帝への忠誠を誓わせることにしたのである。諸侯が行おうとしている、オリエントの地での軍事行動に対しては賛同する。オリエントに自分たちと同じキリスト教徒の強力な国ができること自体も賛同するが、それはイスラム世界とビザンチン帝国の間のクッションになるからである。ゆえにそれへの支援は約束するが、その代わりに諸侯たちは、ビザンチン帝国皇帝に絶対の忠誠を誓わねばならない、としたのである」(『十字軍物語1』59ページ)