現代のイェルサレムの地図と写真
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イェルサレム


 ユダヤ教徒にとっては古代イスラエル王国の首都であり、キリスト教徒にとってはイエスが処刑された地であり、そしてイスラム教徒にとってはメッカ、メディナに次ぐ第三の聖都である都市。現在の旧市街にあたる地区には古代以来の史跡が集積している。

「西暦一〇九九年六月七日、十字軍はついに、イェルサレムを遠望する地に到達した。諸侯たちは馬から降り、甲冑のたてる金属音の中で、まるで教会の中にでも入ったかのように、うやうやしく片ひざをつき、兜(かぶと)を脱いだ。騎士たちも馬を降り、それにつづく。兵士たちに至っては思わず両ひざをついてしまい、両手を上にあげて泣き出す者までいた。(中略)イェルサレムは、この種の想いを人々に感じさせる都市なのである。だが、キリスト教・ユダヤ教・イスラム教の別なく、同じたぐいの想いを抱かせてしまうところが、一神教間で摩擦を産む原因でもあるのだった」(『十字軍物語1』182ページ)