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編集長から
京都が育てた正統派がスゴイ
伊藤若冲、曾我蕭白、長沢芦雪――これら“奇想派”の人気に昨今は押され気味だが、彼らが生きた時代、同じ京都の画壇を席巻していた第一人者は、円山応挙だった。その応挙こそ、「日本画」誕生のキーマンである。「日本画」とは日本絵画の伝統と西洋美術のハイブリッドであり、明治中期に確立された新たなる日本絵画のこと。フェノロサの来日、東京美術学校の開校、横山大観の登場などの諸要因から、日本画=東京発祥というイメージが強いが、出発点は18世紀後半の京都にあったのだ。応挙は、日本では重視されてこなかった「写生」に徹底してこだわった。そこには西洋文化の流入が大きく影響している。やがてその世界観は、応挙に学んだ呉春や原在中、岸駒たちを経て、竹内栖鳳、上村松園、木島櫻谷ら京都画壇の後進に受け継がれてゆく。写生、つまり奇をてらわず、見えたままに描く。そこに自分流の表現を加える。見ていて心地よい、正統派による快感を味わってほしい。
芸術新潮編集長 吉田晃子
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●目 次
【特集】応挙にはじまる。
「日本画」誕生!
解説 平井啓修/古田亮
グラフ
円山・四条派クロニクル
イントロダクション
「日本画」とは何か
誰がそれを生み出したのか
絵師略系図
円山・四条派の流れ
第一章 大乗寺
応挙スクール大展示場
第二章 四条派
うるわし、のどけし、おめでたし
第三章 森派・原派・岸派
並走するくせものたち
第四章
平安四名家がつむいだ泰平の夢
第五章
激動を越えて
京絵師たちの明治維新
第六章
そして「日本画」の時代へ
竹内栖鳳と仲間たち
ヌエ派栖鳳、呉春に挑む
- ◆コラム
- 1 美人画も応挙から!?
- 2 大繁殖! 孔雀でグッドラック
- 3 鵜飼でくらべる近代と近代以前
そのとき、江戸/東京では まんが:伊野孝行
(1)18世紀後半 谷文晁ほか
(2)19世紀前半 渡辺崋山ほか
(3)19世紀半ば 河鍋暁斎ほか
(4)19世紀後半 狩野芳崖ほか
京都夏紀行
祇園祭 円山・四条派めぐり
展覧会案内
◆ 第2特集 ◆
We Love Basquiat
なにが世界を夢中にさせるのか?
◆ Art News exhibition ◆
大竹さんの風景 SHINRO OHTAKE 2019
文 いしいしんじ
リアル三国志の戦場へ、カレー沢薫といざ出陣!
◆ 特別紀行 ◆
ガーンジー島の五姓田義松
文 角田拓朗
◆ 短期集中連載 ◆
レオナルド・ダ・ヴィンチ500年目の真実
万能の天才が探究していたのは何だったのか
[第4回]デューラーとレオナルドの宇宙観
文 前橋重二
◆ Review ◆
平福百穂/セブ・ジャニアック/伊庭靖子/永田友治
◆ Global News ◆
- Munchen「カナダと印象派 新たな地平線」展
- Paris「サリー・マン 千の通り道」展
- London 石上純也による「サーペンタイン・パヴィリオン 2019」
- New York「アポロの女神:写真エイジのお月さま」展
◆ Regular Features ◆
◇ 巻頭 ◇
ちょっといいで書?〈29〉
ストリートで見つけた気になる字
選・文 中澤希水
Goods & Shop
時と光の美術館〈29〉
ジャケ・ドロ ー
リ・アルティジャーニ
ルネッサンス画家職人伝〈20〉
ヤマザキマリ とり・みき
◇ 連載 ◇
定形外郵便〈63〉
文 堀江敏幸
中野京子が読み解く画家とモデル〈17〉
クノップフと《愛撫》
千住博の往復書簡〈14〉
宛先 ロバート キャンベル様
千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗〈60〉
◇ PICK UP ◇
movie 野崎歓
book 諏訪敦
recommend 編集部のおすすめ!
成相肇の やっかい もっかい てんらんかい〈41〉
exhibition 全国展覧会情報
次号予告
▼芸術新潮特別企画
エコール・ド・パリを日本へ
パイオニアとして歩んだギャルリーためながの半世紀
『ホイッスラーと私 描かれた道筋』刊行記念 第1回
美が無垢なるものであるとき
文 ウィンザー・イニス
異界を見つめる写真家、朝左拉(チョウゾラ)
高木公史の“呼吸する細密画”
箱根の森から聴こえてくる巨匠たちと現代アートの12のデュオ
ますますパワーアップ!
ART FAIR
ASIA FUKUOKA 2019
連載 美に魅せられて/
アジア文化芸術協会〈32〉
東大寺戒壇堂の四天王像
ART CAFE SPECIAL
ART CAFE
Gallery's Plaza
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ファン・ゴッホの人生を変えた2つの大きな出会い、「ハーグ派」と「印象派」との関わりに注目して、その画業をたどる展覧会です。「ゴッホはいかにしてゴッホになったのか」を掘り下げていきます。 [→ 全文を読む]
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「絵巻切断」事件から100年を機に、断簡37件のうち、過去最大規模となる31件が再集結する展覧会が開催されます。幻の王朝絵巻・佐竹本の流転のドラマとともに、雅な美の世界を愉しめる貴重な機会です。 [→ 全文を読む]
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彫刻の森美術館の開館50周年を機に、ピカソ館が設備・内装を一新し、7月27日にリニューアルオープンしました。ナチュラルで明るい展示空間に生まれ変わり、高透過ガラスの使用で作品をより間近に鑑賞できるように。[→ 全文を読む]
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〈とんぼの本〉は、1983年に創刊したビジュアルブックのシリーズです。とんぼの特性のように、軽やかで幅広い視野をもった本でありたい、という思いから名づけられました。
美術、工芸、建築、写真、文学、暮らし、旅……あなたがそのとき知りたい・見たい・読みたいものを、気軽に手にとってみてください。
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