昭和45年11月25日、三島由紀夫が自決した。享年45。昭和と併走したこの作家が遺した作品は、令和の時代、どう読まれ得るのか――。今年45歳になり、「三島との出会いがなければ小説家になっていなかった」という平野啓一郎が、そのガイド役を担う。多面的な活動をした三島の全体像が見渡せるよう、小説、戯曲、日記など幅広いジャンルから選び抜いた15篇の案内を読んでいくと、多感な10代を戦時下で送り、20歳で終戦を迎えた三島が、戦後日本の変容ぶりに戸惑い、受け入れて生きようと努力し、やがて死を意識し始める姿もが浮き彫りになる。
 
芸術新潮
2020年12月号(定価1,500円)11月25日発売
芸術新潮メールマガジン[2020/11/25] うまく表示されない場合はブラウザでご覧ください
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編集長から
没後50年を機に 三島由紀夫ガイド

 昭和45年11月25日、三島由紀夫が自決した。享年45。昭和と併走したこの作家が遺した作品は、令和の時代、どう読まれ得るのか――。今年45歳になり、「三島との出会いがなければ小説家になっていなかった」という平野啓一郎が、そのガイド役を担う。多面的な活動をした三島の全体像が見渡せるよう、小説、戯曲、日記など幅広いジャンルから選び抜いた15篇の案内を読んでいくと、多感な10代を戦時下で送り、20歳で終戦を迎えた三島が、戦後日本の変容ぶりに戸惑い、受け入れて生きようと努力し、やがて死を意識し始める姿もが浮き彫りになる。 その理解を深めてくれるのは、三島の素顔と美学が垣間見える巻頭グラビアと、彼と親交のあった美輪明宏、横尾忠則高橋睦郎の証言。さらに森村泰昌、会田誠ら現代の美術家たちによるエッセイが、三島文学が後世に与えた影響の大きさを伝える。没後50年を機に三島由紀夫の作品と生涯を見つめ直すための、新たな入門書となるだろう。
芸術新潮編集長 吉田晃子
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最新号PICK UP
命がけの文学者
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富士山麓にある山中湖文学の森・三島由紀夫文学館。初版本、生原稿、写真他、貴重な関連資料が多く収蔵されている。
 大学時代に留学していたアメリカの片田舎のカレッジで、忘れられない体験をしました。「Introduction to Fiction」という授業で、様々な短編を取り上げましたが、キリスト教やシェイクスピアをきちんと学んでこなかった身にとって、英文学を分析するのは至難の業。どれだけ予習していっても、ついていくのが大変でした。ところが、三島由紀夫の「憂国」を取り上げた回だけは違ったのです。[→]全文を読む
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●目 次

【特集】没後50年
21世紀のための三島由紀夫入門


巻頭グラフ
MISHIMA 生き急ぐリアルと耽美

インタヴュー
私たちの三島由紀夫
美輪明宏/横尾忠則/高橋睦郎

よみもの年譜
昭和と格闘した男 三島由紀夫
解説 井上隆史

15作品ナビゲート
平野啓一郎と三島文学の森を歩く
プロローグ/1 仮面の告白/2 禁色/3 海と夕焼/4 金閣寺/5 鏡子の家/6 裸体と衣裳/7 午後の曳航/8 サド侯爵夫人/9 英霊の声/10 太陽と鉄/11 命売ります/ 12 対談 二十世紀の文学/13 小説とは何か/14 豊饒の海/15 インタヴュー 三島由紀夫 最後の言葉

スクリーンの上でいつも
彼は血を流して死んだ

俳優・三島由紀夫考
文 四方田犬彦

三島由紀夫氏への手紙 5人の美術家より
杉本博司/森村泰昌/柳 幸典/会田 誠/小田原のどか


インフォメーション三島を読もう、三島を知ろう

おやすみミニアンソロジー



◆ Art News design ◆

テクノロジーとアートが織りなす
いま、着る歓び

横尾忠則とイッセイミヤケの最新化学反応

◆ Art News exhibition ◆

舟越桂
ものがたりの佇まい


◆ Art News movie ◆

ロイ・アンダーソン監督の
スタジオ至上主義!


◆ Review ◆

西太志/ミロコマチコ
海老塚耕一/安喜万佐子

◆ Global News ◆

  • Paris「ジョセフ・クーデルカ 廃墟」展
  • Basel「リアル・フィーリングス エモーションとテクノロジー」展
  • London「パスカル・センダー」展
  • New York「フォトヴィル・フェスティヴァル」



◆ Regular Features ◆

◇ 巻頭 ◇

御贔屓 御馳走帖〈12〉最終回
選・文 森川裕之

Goods & Shop

時と光の美術館〈44〉
ミキモト

◇ 連載 ◇

海外アートStudy最前線〈60〉
文 前橋重二

定形外郵便〈77〉
文 堀江敏幸

原田マハ、美のパイオニアに会いに行く〈30〉
原 俊夫

図書館を建てる、図書館で暮らす〈7〉
雨に泣き、本棚と格闘し、とうとう竣工
文 三井 嶺

あの人と食器棚〈11〉
伊藤まさこ
だいどこ道具ツチキリオーナー
土切敬子

千住博の往復書簡〈29〉
宛先 澄川喜一様

千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗〈74〉

◇ PICK UP ◇

movie 野崎歓
book 諏訪敦
recommend 編集部のおすすめ!
ぐるぐるキョロキョロ展覧会記 小田原のどか〈6〉
exhibition 全国展覧会情報

2020年芸術新潮総目次

次号予告

▼芸術新潮特別企画

アーティゾン美術館で体感!
琳派と印象派 都市が育んだその革新
対談 小林忠×原田マハ

日欧絵画の往還は、多彩な模倣とズレに注目

伊豆は知られざる仏像の宝庫!
上原美術館で体感する仏教美術の精華

16人の画家が描く
元タカラジェンヌ 美弥るりか

カメラを絵筆に持ちかえた美術家、朝左拉の新たなる世界

彫刻家、大森暁生
幻の大日如来像を蘇らせる

Gallery's Plaza
ART CAFE
「芸術新潮」最新号 立ち読みへ
芸術新潮 プレゼント
古代エジプト神話に焦点を当て、そのコレクションから約130点を選りすぐった展覧会が開催されています。古代エジプトでは、暗闇の中にある混沌とした原初の海「ヌン」から神々が天地を創り、「マアト」と呼ばれる宇宙の秩序・摂理に基づいた世界が創造されたと考えられていました。マアトを遵守する人間社会のリーダーとしてのファラオの役割や、マアトを象徴する羽根と死者の心臓とを天秤にかけて死後の審判を行ったという死生観など、知られざる神話世界を解き明かします。[→]全文を読む
パリの街とそこに暮らす人々の日常や、恋人たちのかけがえのない一瞬をカメラで切り取ったフランスの国民的写真家、ロベール・ドアノー(1912~94)。本展は、その作品群から「音楽」をテーマにセレクトした約200点を紹介する初の試みです。2018年末から翌年にかけてパリのコンサートホール「フィルハーモニー・ド・パリ」内の音楽博物館で開催され好評を博した展覧会をもとに、ドアノーの愛機「ローライフレックス」の他、多くの日本初公開作品を含めて再構成した巡回展となります。[→]全文を読む
おすすめイベント情報
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上馬キリスト教会twitter部 MARO「それ、聖書に訊いてみよう!」
芸術新潮1月号「上馬キリスト教会twitter部presents 絵で見る、愉快な新約聖書キャラ列伝」刊行記念イベント
「キリスト教」のイメージから離れたゆる~いつぶやきが話題を呼び、10万人以上のフォロワーがついている東京・上馬キリスト教会twitter部。そのtwitter部が「新約聖書」のとっておきエピソードを解説&ゆるカワなキリスト教絵画を紹介する「芸術新潮」1月号に合わせ、刊行直前イベントを開催します![→]詳細はこちら
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