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2020年7月号(特別定価1060円)6月5日発売
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編集長から
松家仁之・新連載「天使も踏むを畏れるところ」

松家仁之氏の新連載「天使も踏むを畏れるところ」を開始する。氏の鮮烈なデビュー作「火山のふもとで」(二〇一二年、読売文学賞受賞)は建築と建築家をめぐる傑出した長篇小説だった。その作品世界の中心にいた「先生」こと村井俊輔が一九五〇年代から手掛けた大プロジェクト・皇居新宮殿造営――それが「天使……」のメインモチーフとなる。高度経済成長に向かい始めた時代を背景に、さらにスケールを増したドラマが展開されるはずだ ◎昨今、英語圏での評価も高い小山田浩子氏が「かたわら」(一三〇枚)で描くのは、保育園児の娘を持つ女性の一日。すみずみまで血の通った文章は繊細かつ強靭で、何気ない日常の細部が豊かな「出来事」の連鎖へと生まれ変わる。主人公のかたわらに広がる世界は、小さいようで無限だ◎養老孟司氏はコロナ禍をどう捉えているのか。新連載「コロナ認識論」ではミクロな事象にとらわれない文明史レヴェルの考察が深まっていくだろう。

新潮編集長 矢野 優
新潮2020年7月号表紙
目次

天使も踏むを畏れるところ[新連載]/松家仁之
戦後の皇居の役割をどうデザインするか。時代が高度経済成長へと向かう頃、新宮殿の造営を巡って、建築家が、宮内庁が動き出す。
かたわら[一三〇枚]/小山田浩子
私、夫、小さな子供。日常のかたわらに広がる無限の世界を描く、極上の小山田ワールド。
観葉植物たちがラヴソングを嗜んだあの日岡田利規
ヒトという生物種の本能とは? 欲望を欠いた未来からの闖入者の、カラオケ初体験の夜。
スタニスラーウの狼ポール・オースター 柴田元幸訳
ロックダウンのNY、作家は祖先のルーツ・ウクライナで見た大量虐殺の跡を回想する。
詩人ちゃん・キル・ミー(四)/最果タヒ
中軽井沢松浦寿輝
プリニウス(六十九)/ヤマザキマリ+とり・みき
■■ 連載小説 ■■
曼陀羅華X 2004(五)/古川日出男
全然(十一)/滝口悠生
漂流(十四)/町田 康
チェロ湖(十六)/いしいしんじ
ヒロヒト(二十)/高橋源一郎
ビッグ・スヌーズ(二十八)/矢作俊彦
荒れ野にて(五十二)/重松 清
【新連載】コロナの認識論養老孟司
コロナは、死という生の前提を各人の目前にもたらした――ウィルスとヒトの関係を解く。
写真史のher story上野千鶴子
――長島有里枝『「僕ら」の「女の子写真」からわたしたちのガーリーフォトへ』について
スナップショットは日記か?大竹昭子
――森山大道の写真と日本の日記文学の伝統
【リレーコラム】Passage――街の気分と思考(12)
植物園のカフカ多和田葉子
儚し朝吹真理子
OH MY GODエリイ(Chim↑Pom)
第十回・鉢の中身を太陽に注ぐ
保田與重郎の文学(二十一)/前田英樹
水戸学の世界地図(五十一)/片山杜秀
小林秀雄(六十五)/大澤信亮
地上に星座をつくる石川直樹
第八十六回・最南端の映画館
見えない音、聴こえない絵大竹伸朗
第一八六回・ラマと牛乳豆腐
■■ 新潮 ■■
◆感染症の“クラインの壺〞/武田 徹
◆編集者=媒介者エレン・フライス/林 央子
■■ 本 ■■
◆カルメン・マチャド『彼女の体とその他の断片』/谷崎由依
◆田中慎弥『地に這うものの記録』/中西智佐乃
◆山下澄人『小鳥、来る』/松永美穂
第53回《新潮新人賞》応募規定
【選考委員】大澤信亮/小山田浩子/鴻巣友季子/田中慎弥/又吉直樹


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『abさんご』の衝撃から7年、芥川賞受賞後初となる新作小説集。
『組曲 わすれこうじ』黒田夏子/著
僕たちはやり直せるのか。騙され苛まれて立ち尽す無気力の荒野に、陽はまた昇るのか。
『迷子のままで』天童荒太/著
狩るか、狩られるか――。サバイバル登山家が贈る最強にスリリングな読書体験。
『息子と狩猟に』服部文祥/著
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