主人公の沙智は、難病の母を介護しながら高校に通う17歳。母の排泄介助をしていると言ったら、担任の先生におおげさなくらい同情された。「わたしは不幸自慢スカウターでいえば結構戦闘力高めなんだと思う」。誰かの力を借りないと笑うこともできない彼女を生かしたのは、くだらない偶然。しかしそれは、かけがえのない奇跡だった――。
介護に沈んだ少女が、親から自分自身を取り戻していく物語。
主人公の沙智は、難病の母を介護しながら高校に通う17歳。母の排泄介助をしていると言ったら、担任の先生におおげさなくらい同情された。「わたしは不幸自慢スカウターで言えば結構戦闘力高めなんだと思う」。そんな彼女を生かしたのは、くだらない奇跡だった。選考委員が大絶賛した「R-18文学賞」大賞受賞作。
- 1,540円(税込)
著者プロフィール
上村裕香
カミムラ・ユタカ
2000年佐賀県佐賀市生まれ。京都芸術大学大学院在学中。「救われてんじゃねえよ」で第21回「女による女のためのR-18文学賞」大賞受賞。