新潮社

2022年本屋大賞ノミネート!
2022年本屋大賞ノミネート!
『夜が明ける』発売
特設サイト公開

自分が
「助けてもらう」側
であることが
悔しかった。

15歳の時、高校で「俺」は身長191センチのアキと出会った。 普通の家庭で育った「俺」と、母親にネグレクトされていた吃音のアキは、 共有できることなんて何一つないのに、互いにかけがえのない存在になっていった。

大学卒業後、「俺」はテレビ制作会社に就職し、アキは劇団に所属する。しかし、焦がれて飛び込んだ世界は理不尽に満ちていて、少しずつ、俺たちの心と身体は壊れていった……。

思春期から33歳になるまでの二人の友情と成長を描きながら、 人間の哀しさや弱さ、そして生きていくことの奇跡を描く、感動作!

試し読み

今、社会の中で、気付かなくちゃ、感じなくちゃいけないことがきっちり書いてある。

小泉今日子(俳優)




読んでいる間中、自分も主人公と同じように経験した「痛み」が胸にこみ上げ息が苦しくなった。これが小説であることをしばしば忘れ、その度に本を閉じたが、読み終わったときに感じたものは「希望」に近い何かだった。「幸福」とも「解放」とも違う、何かだった。

是枝裕和(映画監督)




息を殺しながら生きなくてもいいように、誰かの心が壊れないように、この物語が生まれたんだと思う。

仲野太賀(俳優)




ページを捲る度に、五感が研ぎ澄まされる。匂い、味、温度、小さな痛み。この国に、アキはどれほどいるのだろう。人間は脆く、そして哀しい。どこまでも、哀しい。だからこそ“優しさ”の奇跡が生まれるのだと、西先生の綴る文章から感じました。これは遠い誰かの話では無く、間違いなく“我々の話”であると思います。

二階堂ふみ(女優)

書店員さんの感想

心に響くなんてもんじゃない。人生に響く本でした。

椿書房 渡部哩菜さん


閉塞感漂う今の時代にこそ読まれるべき救いの書である。

西沢書店 北店 佐久間拓也さん


言葉がもつ力をこれからも信じて、本を届けていきたいと思った。

TSUTAYA BOOKSTORE ワイプラザ新保店 山田菜生さん


想像を大きく超えた、とんでもないこの景色を一人でも多くの人に見てもらいたい。

SerenDip 明屋書店 アエル店 武方美佐紀さん


枕に顔を押し付け声にならない叫びをあげたくなるような作品。

明林堂書店 南宮崎店 河野邦広さん


助けて欲しいとなかなか言い出せない私にとって、この本はまさに「夜明け」でした。

淀徳書店 丹後大宮店 宇野美穂さん


この小説は灯りだ!!

郁文堂書店 庭瀬店 藤原郁子さん


「苦しかったら助けを求めろ」で目の前が明るくなりました。この一行の迫力すごい。

コメリ書房 鈴鹿店 森田洋子さん


どうしようもなく深くて暗い夜を見ました。生きている。生きていく。生きていける。夜が明ける。人の弱さを、脆さを見せつけられる作品です。でも人が持つ、強烈な強さも見えてくる作品です。これほどまでに、「1人1人の人」に届けたいと強く思う作品は初めてです。名前も顔も知らないけれど、でもこの作品が届いてほしい人が今、たくさんいるのを知っています。

勝木書店 新二の宮店 樋口麻衣さん


これは先が見えない今の世の中を、精一杯生きている、私たちの物語だ。

喜久屋書店 明石駅ビル店 久野圭代さん


なんという物語だろう。負けないで、頑張れ、我慢、根性、その言葉が重く苦しいものだとこれ程までに読みながら感じたことがあっただろうか。鎧を身につけなければ向かっていけなかったあなたと私が私であり続けるために受け入れてきた重荷をおろしてくれるような作品でした。

未来屋書店 大日店 石坂華月さん


力強いエールを送ってくれる一冊。たとえ折れても、負けても、まだきっと歩ける道はある。そんな勇気を与えてくれます。

広和書店 書原高井戸店 重光友夏さん


勝ち負けではなく、抗い続けていこうと思わせてくれる。ひらがなで挿入された日記の真実に手が震えました。

くまざわ書店 辻堂湘南モール店 奥田祐子さん


誰もが自分の弱さと対峙せざるを得ない今だからこそ手に取ってみてほしい1冊。きっとどこかに光を見つけられるはずだ。

紀伊國屋書店 徳島店 吉田咲子さん


現実以上の現実感にまるでノンフィクションのようでした!! すごいです!! そのリアリティに途中何度も胸を圧迫されるようで息ができず溺れそうになりました……!!

紀伊國屋書店 福岡本店 宗岡敦子さん


すべての人の「夜が明ける」ことを願う。

宮脇書店 ゆめモール下関店 吉井めぐみさん


わたしたちが苦しみ、絶望しかけたとき、西加奈子はいつだって手を差し伸べてくれる。明日も生きようと思った。

紀伊國屋書店 小田急町田店 田中沙季さん


「夜が明ける」この言葉で全身に鳥肌がたちました。

岩瀬書店 富久山店 吉田彩乃さん

夜が明ける

西加奈子/著

思春期から33歳になるまでの男同士の友情と成長、そして変わりゆく日々を生きる奇跡。まだ光は見えない。それでも僕たちは、夜明けを求めて歩き出す。どれだけ傷ついても、夜が深くても、必ず明日はやってくる。

2,035円(税込)

著者プロフィール

西加奈子

西加奈子

ニシ・カナコ

1977(昭和52)年、イランのテヘラン生れ。エジプトのカイロ、大阪で育つ。2004(平成16)年に『あおい』でデビュー。翌年、1 匹の犬と5人の家族の暮らしを描いた『さくら』を発表、ベストセラーに。2007年『通天閣』で織田作之助賞を受賞。2013年『ふくわらい』で河合隼雄物語賞受賞。その他の小説に『窓の魚』『きいろいゾウ』『うつくしい人』『きりこについて』『炎上する君』『円卓』『漁港の肉子ちゃん』『地下の鳩』『ふる』など多数。

自分には、困ったときにあらゆる人に
助けてもらう権利があるんだって。

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