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2019年2月号(定価930円)1月7日発売
新潮メールマガジン[2019/01/07] うまく表示されない場合はブラウザでご覧ください
編集長から
いしいしんじ大型新連載「チェロ湖」
◎大型新連載、いしいしんじチェロ湖」を開始する。舞台は琵琶湖を思わせる弦楽器の形をした大きな湖。主人公の青年は湖畔の小屋に住み、夜明けとともに小アユを釣り、日暮れ前に野鳥の鳴き声を録音する。そして夜明け前に小舟をくりだし、釣り竿につけた蓄音機の針(!)を湖に沈め、「湖底深く響きつづけてきた古い物語」を全身で感じ取るのだ。たとえば、「1924年のドジョウのみ大会」の物語を。なんと魅力的な物語の立ち上がりだろう。川を舞台にした『ポーの話』から十四年、 いしい氏の新たな代表作が生まれる予感がする◎川上弘美ヤマザキマリ「この国の内と外」は小説と漫画で世界に日本文化を発信し続ける2人の真摯でユーモラスな初対談◎蓮實重彦「ポスト」をめぐって――「後期印象派」から「ポスト・トゥルース」まで」は〈ポスト〉という語の禍々しい機能を浮き彫りにする講演録。ポスト平成まであと少しの今、強烈にアクチュアルだ。
新潮編集長 矢野 優
新潮2019.02
目次
【新連載】
チェロ湖いしいしんじ
チェロの形をした大きな湖の畔で、青年はアユを釣り、野鳥の声を録音し、古い物語を釣る。生と湖の歴史と生態系が交響する大型作品!

履物屋の親友[新連載第二回]/瀬戸内寂聴
想像力に目覚めた四歳のわたしはすべての経験を老人に物語る。小説家の起源を問う掌篇。
漂流[新連載第二回]/町田 康
荒れ狂う波濤。いよいよ私はあれをやる時が来た。海を鎮め船を救う奇跡の神威を見よ!
わたしが行ったさびしい町 2・ペスカーラ[新連載第二回]/松浦寿輝
「魚の町」ぺスカーラに行こうと決意したのは、ラヴェンナのモザイク画を見たせいだ。
飛光日和聡子
それは、新月の夜にやって来る――。子を待つ母の強い祈りが虚実不可分の世界を呼ぶ。
助けて藤野可織
正社員のまま母となった元同僚たち。その子供らの愛らしい写真がまな子の小説を脅かす。
続続続アイオワ日記(完)滝口悠生
今年ここに集まった作家たちがまた集まることはたぶんもう二度とない。共同生活完結篇。
プリニウス[移籍新連載第二回]/ヤマザキマリ+とり・みき
■■ 連載小説 ■■
ヒロヒト(六)/高橋源一郎
ビッグ・スヌーズ(十三)/矢作俊彦

■■ 特別対談 ■■
この国の内と外川上弘美+ヤマザキマリ
小説と漫画で世界に日本文化を発信し続ける2人の書き手の真摯でユーモラスな初対談!
「ポスト」をめぐって蓮實重彦
――「後期印象派」から「ポスト・トゥルース」まで
Postの一語に秘められた殺戮と延命の両機能。嘘臭いこの時代を撃つ、白熱の東大講演録!
声――フランスと日本と福田和也
パリを訪ね、フランスと日本を貫く声を聴く。
カワイイ、灰色の日本リン・ディン 訳・解説:小澤身和子
ベトナム人作家の「日本死にかけ」旅行記。
精神の自由を保ち、九十三年の生涯に向き合う最相葉月
――黒川創『鶴見俊輔伝』論
保田與重郎の文学(五)/前田英樹
無何有郷からの通信今福龍太
――新しい宮沢賢治(9)
これは小説ではない(九)/佐々木 敦
地上に星座をつくる石川直樹
第七十回・ヒマラヤの仮面神
見えない音、聴こえない絵大竹伸朗
第一七〇回・ビルと圓通寺
■■ 新潮 ■■
◆女の子のロールモデルと戦争/堀越英美
◆時代精神と先端音楽――追悼・阿木譲/椹木野衣
◆人類学は私たちに何を示してくれるか/長谷川眞理子
◆金融政策と「貨幣とは何か」をめぐる論争/飯田泰之
◆悲嘆可能性と前未来/岩川ありさ

■■ 本 ■■
◆寺尾紗穂『彗星の孤独』/青山真治
◆坂口恭平『建設現場』/上妻世海
◆辻原 登『不意撃ち』/田中和生

第51回《新潮新人賞》応募規定
【選考委員】大澤信亮/川上未映子/鴻巣友季子/田中慎弥/中村文則


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翻訳家であり文芸評論家としても活躍中の鴻巣友季子さんによる、代官山 蔦屋書店の不定期連続イベント「鴻巣友季子の文学茶々」。 [→ 全文を読む]
「新潮」から生まれた本
戦時下帝都、〈伯爵夫人〉が青年に授く性と闘争の手ほどき。80歳元東大総長の問題作。
『伯爵夫人』蓮實重彦/著
ひとも動物も、生も死も、ほんとうも嘘も。物語の海が思考を飲みこむ、至高の九編。
『海と山のピアノ』いしいしんじ/著
それは時代の先端にして、生まれながらの古典だった。
『謎とき『風と共に去りぬ』―矛盾と葛藤にみちた世界文学―』鴻巣友季子/著
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