夢二式美人は死なない 色あせぬ魅力の理由は?「夢二式美人」とは、浮世絵など伝統的な美人画を、アール・ヌーヴォーからアール・デコに到る、夢見られた西欧の力を借りてモダナイズしたものだからだ。
芸術新潮
2024年7月号(定価1,500円)6月25日発売
芸術新潮メールマガジン[2024/06/25] うまく表示されない場合はブラウザでご覧ください
芸術新潮
編集長から
夢二式美人は死なない
色あせぬ魅力の理由は?
 竹久夢二展を開催中の東京都庭園美術館の本館は、夢二が49歳で没する前年の1933年に、朝香宮の邸宅として誕生したアール・デコ建築だ。明治天皇の娘婿だった宮と、ずぶの庶民で社会主義シンパの夢二では社会的な立ち位置こそ真逆だが、展示空間としてはジャストフィット。なぜか。「夢二式美人」とは、浮世絵など伝統的な美人画を、アール・ヌーヴォーからアール・デコに到る、夢見られた西欧の力を借りてモダナイズしたものだからだ。特集は「大正のマルチアーティスト 愛され夢二の一生」。近年、日本の近代絵画(特に洋画)に対する一般の関心の低下が著しいが、夢二は例外だ。生前はもとより、没後100年になんなんとする今なお人気に翳りはない。その愛される理由に迫った。
 第2特集では30年ぶりの大回顧展が近いフォロンの故郷ベルギーを訪ねた。『東京都同情塔』の九段理江氏と、歌舞伎町タワーの外装を手がけた建築家・永山祐子氏の特別対談もお楽しみに!
芸術新潮編集長 高山れおな
芸術新潮
芸術新潮
芸術新潮
芸術新潮
最新号PICK UP
愛される理由
弊誌で特集を組むのはじつは今回がはじめて。担当の女性編集者2人も折にふれ作品には親しんできたものの、夢二本人についてはほとんど知らない……というわけで、まず最初に読んだのが、夢二と交遊関係にあった人々の回想が収録された『竹久夢二―愛と詩の旅人』、そして自伝的小説『出帆』でした。読み終えたあと、特集タイトルは「嫌われ夢二の一生」だ!と編集長と3人、鼻息荒く盛り上がったのはここだけの話です。[→]全文を読む
芸術新潮
●目 次

【特集】大正のマルチアーティスト
愛され夢二の一生

巻頭グラフ

愛の吟遊詩人と3人の女

よろめき! 愛と欲望の夢二すごろく

|略年譜|
抒情と共に49年

|再録|
私が歩いて来た道
――及び、その頃の仲間――
文 竹久夢二


売れっ子夢二の生活と芸術
解説 岡部昌幸

“絵による詩”で出版文化の大波に乗る

コマ絵画家の逆襲!
文展とガチンコ勝負の初個展

その抒情、伝染うつるんです
ショップ&ギャラリー「港屋」

夢二式美人を追え!

関東大震災と少年山荘

色男ざんげ――私小説『出帆』

旅する画家の遅すぎた洋行

夢二内外転々マップ


COLUMN
1 表紙は唄う セノオ楽譜
2 メルヘン童画もお手の物


ブックデザイナー夢二
細やかな情趣と大胆な造本術と

文 臼田捷治


|対談|
意外!? 夢二は女性を搾取していない
――画家とモデルと大正時代
藤原えりみ×蔵屋美香


展覧会案内

夢二コレクション・ガイド


◆ 第2特集 ◆

夢と詩情の旅人
フォロンをさがして

◆ Art News exhibition ◆

三島喜美代
ゴミ・情報・陶をつらぬくもの

◆ Art News interview ◆

『君たちはどう生きるか』レイアウト展
宮崎吾朗インタビュー
「これぞ手描きアニメの粋!」

◆ Art News exhibition ◆

コレクションでたどるカルティエ日本を結ぶ物語
文 本間恵子

◆ Art News report ◆

美と技の粋が集う、時計の祭典 in ジュネーブ
Watches & Wonders Geneve 2024
文 本間恵子

特別対談
九段理江×永山祐子
建てること、書くこと
未来を創り出すこと

◆ Review ◆

  • シアスター・ゲイツ
  • セルジュ・ムアング
  • 齊藤拓未
  • 久保寛子

◆ Regular Features ◆

◇ 巻頭 ◇

Goods & Shop

時と光の美術館〈87〉
カルティエ

絵育のススメ〈11〉
横浜トリエンナーレ組織委員会&Minds1020Lab

とんぼの手帖〈7〉
夏の京都の異国情緒

◇ 連載 ◇

定形外郵便〈120〉
文 堀江敏幸

千住博の知となり肉となり〈12〉
日本の美を探して

山下裕二の
新・今月の隠し球〈30〉
唐仁原希(下)

福井江太郎の
駝鳥がゆく!!〈16〉
寺田宜弘さん

幻々夢譚〈19〉
絵・文 と金

千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗〈113〉

◇ PICK UP ◇

movie 佐々木敦
book 諏訪 敦
recommend 編集部のおすすめ!
ぐるぐるキョロキョロ展覧会記〈48〉小田原のどか
exhibition 全国展覧会情報

次号予告

▼芸術新潮特別企画

時と光の美術館SPECIAL
パテック フィリップ
卓越した技術と無限の創造性を兼ね備えた“芸術品”

千住博の画業を多視点で俯瞰する傑作選

辻仁成が描く、パリの息づかい

日本画家、村上裕二が揮毫する古刹、當麻寺中之坊の障壁画。
全長12メートルの巨大龍図を、あべのハルカスで特別公開!!

始めよう! NFTアートカレッジ〈4〉
Adam by GMO

連載 美に魅せられて/
アジア文化芸術協会〈61〉
室生寺《十一面観音菩薩立像》

ART CAFE
GALLERY'S PLAZA

〉「芸術新潮」最新号 試し読み

芸術新潮 プレゼント
alt_text
【1】彫刻の森美術館 開館55周年記念「舟越桂 森へ行く日」(神奈川)のチケット
楠を素材とし、彩色を施した半身像に大理石の目をはめ込んだスタイルによって、具象彫刻の新たな道を切り拓いた舟越の作品は、国内のみならず、第43回ヴェネツィア・ビエンナーレやドクメンタIXなどの国際展でも高い評価を得ている。生涯を通じて人間とは何かを問い続けた舟越桂の作品の変遷と、その創作の源となる視線に迫る展覧会。[→]全文を読む
alt_text
【2】創建1200年記念 特別展「神護寺―空海と真言密教のはじまり」(東京)のチケット
京都・高尾山の中腹に位置し、唐から帰国した空海が拠点としたことから真言密教のはじまりの地となった同寺の、数々の名宝が一挙東京へ。空海が唐から招来した《両界曼荼羅(高雄曼荼羅)》、赤い衣を身につけ、金に輝く身体をもつ《釈迦如来像》(通称・赤釈迦)、教科書でおなじみの超有名肖像画《伝源頼朝像》などの国宝も勢揃い。[→]全文を読む
Image    Image    Image
alt_text
『【新版】アイスランド サガ』
谷口幸男/著松本涼/監修
「サガ」とは、語り、語られた出来事、物語の意で、ヴァイキング時代の9~10世紀に人々がノルウェーからアイスランドへ入植した経緯、活躍した英雄、血族同士の復讐の応酬、異教時代の魔法や呪いなどを活写した壮大な史伝的散文作品が200篇ほど伝わっています。本書は北欧文学研究者の谷口幸男氏が、その中から圧巻とされる6篇を選んで古アイスランド語から直接に翻訳し、『アイスランド サガ』として1979年に刊行された旧版をもとに、監修者による訳文の点検や文字拡大を施し、新たに図版・系図・地図・文献案内を加えた「新版」としての復刊です。長く入手困難だった「幻の名著」がついに蘇りました。
書籍詳細はこちら
『【新版】アイスランド サガ』パンフレット[PDF]
新潮社 総合メルマガ
「水+日+月
(Mikazuki)」のご案内
メールマガジン「水+日+月」では、話題の本のコラムや最新トピックス、プレゼントのお知らせなど、新潮社の総合情報をお届けいたします。[→]メルマガのサンプルを見る

〈とんぼの本〉メールマガジンのご案内
〈とんぼの本〉は、1983年に創刊したビジュアルブックのシリーズです。美術、工芸、建築、写真、文学、暮らし、旅……あなたがそのとき知りたい・見たい・読みたいものを、気軽に手にとってみてください。[→]メルマガのサンプルを見る

※メールマガジンの登録・退会は、「情報変更・配信停止」から行ってください。
※弊社から配信している全メールマガジンの一括登録解除はこちらから行ってください。

Copyright(c), 2024 新潮社 無断転載を禁じます。
発行 (株)新潮社
〒162-8711 東京都新宿区矢来町71
新潮社読者係 03-3266-5111
芸術新潮