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表紙カバーのすっきりとした写真は、スッカラク。お匙ですね。ビビンパプを混ぜ合わせたり、チゲを分け合ったり、韓国の食事の場面で欠かせないのが、このスッカラク。でも、単なる道具ではなくて、韓国の人々の心を象徴するもの、と著者の小澤さんは言います。
「よく耳にするのが『混ぜることで愛情を注いでいる』という話。実際、韓国のオモニ(お母さん)たちは、子どもたちのビビンパプを丁寧に混ぜ合わせています。ときには、不慣れな私のような外国人の器も取りあげて、せっせと混ぜてくれることも。(略)スッカラク一本で器用に混ぜる。オモニが混ぜてくれたビビンパプの味は、格段に美味しくなっています」(本書より)
スッカラクは、「分かち合い」という韓国ならではの食卓のスタイルに必須のものであり、それによってお腹も心もあたたかく満たされる、という素敵な道具なのですね。
スッカラクというアイテム一つとっても、そんなお話がとても楽しいし、古いもの、新しいもの、シンプルなもの、曲線の美しいもの……さまざまな形のものを紹介しているのが本書の魅力です。
韓国の工芸といえば、白磁の壺に代表されるやきものだったり、女性に人気のパッチワークであるポジャギ(風呂敷)だったり、じつは私もこの本に携わる以前は、それくらいしか思い浮かべられませんでした。
でも、この本を見ていただくとびっくりするはずです。こんなにも可愛くて素敵な手仕事の数々が韓国にはあったんだ! と。思わず手にとって、使ってみたくなってしまいます。インテリア・コーディネーターの小澤さんとカメラマンの森さんのコンビによる、出色の「美しいもの尽くし」ですので、ぜひご覧ください。
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