はにわがわかれば 古代がわかる 日本美術がわかる  今や「カワイイ」の元祖的な存在としてすっかり愛されキャラ化している埴輪。
芸術新潮
2024年10月号(定価1,500円)9月25日発売
芸術新潮メールマガジン[2024/09/25] うまく表示されない場合はブラウザでご覧ください
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編集長から
はにわがわかれば
古代がわかる 日本美術がわかる
 今や「カワイイ」の元祖的な存在としてすっかり愛されキャラ化している埴輪。同じく古代人謹製の土製品とはいえ、縄文の土偶のような霊的なオーラを纏うでなし、始皇帝陵の兵馬俑のような峻厳なリアリズムで迫るでなし、なんなんだこの低解像度なゆるい表現は……と半ばあきれつつ、しかし見つめる程にやっぱり、カ、カワイイ。
 埴輪は約350年続いた古墳時代の産物です。いかに現人神あらひとがみだったとはいえ、一人の王様のために全長500メートル超とかの墓を造らずにはいられなかった古代人の謎のメンタリティ、社会の姿を解読する鍵を握るのがあのゆるい奴ら。というわけで、10月号の特集は、「国宝・重文ぜんぶ盛り! はにわのひみつ」をお届けします。
 アートニューズでは、江戸時代の激うま絵師・はなぶさ一蝶いっちょうを大々的に紹介。面白いのは、埴輪特集と合わせて読むと、日本人の美的感性に潜在するひと筋の流れが見えてくる思いがするところ。実否は誌面でお確かめあれ。
芸術新潮編集長 高山れおな
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最新号PICK UP
東京国立博物館で10月16日からはじまる「特別展 はにわ」にあわせて、埴輪特集をお送りします。同館では約50年ぶりという大規模な埴輪展、その主役となるのは、国宝埴輪第1号にして、指定50年の節目を迎える《挂甲の武人》です。国宝埴輪といえば、今年、三重県の宝塚1号墳出土の埴輪群が新たに指定を受けて話題になりましたが、しかし同じ古代の土製品でも、国宝土偶ほど世に知られていないような……。というわけで、埴輪の「国宝・重文ぜんぶ盛り」を謳うこの企画が生まれました。[→]全文を読む
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●目 次

【特集】国宝・重文ぜんぶ盛り! 
はにわのひみつ

\国宝・重文のひみつ/
挂甲の武人、大解剖
解説 河野正訓

国宝・重文HANI-MAP


\様式のひみつ/
魔除けから立体絵巻へ
はにわヒストリーを追え!

解説 若狭 徹

これであなたもはにわ通
4つの様式でたどる古墳と埴輪

[深掘り]第1様式
埴輪のルーツは吉備にあり

[深掘り]第2様式
新勢力の台頭と埴輪ニューウェイヴ

[深掘り]第3様式
墳丘の下の劇場、「造り出し」あらわる

[深掘り]第4様式
ついに見えた王の姿


もっと見たい! はにわーるど
1 愉快な埴輪たち
2 埴輪工場の両横綱 西の新池しんいけ、東の生出塚おいねづか/埴輪の仲間、木製立物/海を渡った前方後円墳

前方後円墳ができるまで

古墳にコーフン協会
まりこふん会長に聞く
埴輪がたのしい古墳BEST5

\復活のひみつ/
1400年後のリバイバル
埴輪に託された近代の夢

解説 花井久穂

展覧会案内


◆ Art News exhibition ◆

浮き世にあそび、浮き世をえがいた
英一蝶のいきいき人間讃歌

日々野克彦×高橋明也
作品×人物像でルドンに近づこう

SIDE CORE
都市の隙間エアポケットを探索し、疾走する

群馬の大パトロン戸方庵こほうあんのひみつ

◆ Review ◆

  • ふるさかはるか・倉科光子「 大地に耳をすます 気配と手ざわり」展より
  • 平田晃久
  • 漆原英子「MOTコレクション」展より
  • 松井えり菜

◆ Regular Features ◆

◇ 巻頭 ◇

Goods & Shop

時と光の美術館〈90〉
ダミアーニ

とんぼの手帖〈10〉
蔵は100年、主は130年

時と光の美術館SPECIAL
ダンス リフレクションズ by ヴァン クリーフ&アーペル

◇ 連載 ◇

定形外郵便〈123〉
文 堀江敏幸

三浦篤×森村泰昌
キテレツ絵画の逆襲〈3〉
日本近代洋画を見つめなおす
高橋由一への遡上
ゲスト:古田 亮

千住博の知となり肉となり〈15〉
メトロポリタン美術館が教えてくれたこと

山下裕二の
新・今月の隠し球〈33〉
深津真也(上)

福井江太郎の
駝鳥がゆく!!〈19〉
鶴岡真弓さん

幻々夢譚〈22〉
絵・文 と金

千 宗屋の飲みたい茶碗、点てたい茶碗〈116〉

◇ PICK UP ◇

movie 佐々木敦
book 諏訪 敦
recommend 編集部のおすすめ!
ぐるぐるキョロキョロ展覧会記〈51〉小田原のどか
exhibition 全国展覧会情報

次号予告

▼芸術新潮特別企画

2024東美特別展
繭山龍泉堂/至峰堂画廊/新生堂/靖雅堂 夏目美術店/丸栄堂

中国陶磁を大きく変えた
「嘉靖」の逸品を
繭山龍泉堂で楽しむ

始めよう! NFTアートカレッジ〈7〉
Adam by GMO

日本近代洋画のミカタ〈3〉
鮮やかなる「道路山水」

ART CAFE SPECIAL
ART CAFE
GALLERY'S PLAZA

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芸術新潮 チケットプレゼント
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【1】「ハニワと土偶の近代」(東京)
埴輪とは3世紀から6世紀末にかけてつくられた、古墳を飾る素焼きのやきもののこと。一方、土偶は縄文時代につくられた、おもに女性をかたどった土製品。埴輪と土偶といえばいまやカワイイの代表格としてひっぱりだこだが、近代に土の中での長い眠りから目覚めて以降、ここに至るまでの道のりはなかなか起伏に富んでいる。その道のりを、遺物そのものではなく、それらをモティーフにした美術作品でたどろうというのが、この「ハニワと土偶の近代」展である。[→]全文を読む
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【2】「カナレットとヴェネツィアの輝き」(東京)
18世紀ヴェネツィアの、ヴェドゥータ(景観画)の巨匠カナレットを紹介する日本初の展覧会。スコットランド国立美術館など、イギリスのコレクションを中心に、油彩、素描、版画など約60点でその画業を通覧する。ヴェドゥータとは、透視図法を用い、緻密に描かれたいわば名所絵。カナレット描くヴェネツィアの街並や祭典は、きらめく水面と清澄な空、光と影がおりなすコントラストに特徴がある。[→]全文を読む
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― 今月のおすすめ本 ―
日本の歴史を見る・読む・巡る
『古事記―日本の原風景を求めて―』
梅原猛、上田正昭、三浦佑之、上野誠/著
日本最古の歴史書を徹底ガイド
『古事記』の美しきふるさとには、いまも神々が坐していた! 泰斗による編纂1300年記念対談、成立の謎に迫る解説、イラストすごろくなども充実。ビジュアル古事記、ついに誕生。◎とんぼの本
『神々が見える神社100選』
芸術新潮編集部/編
全国10万の神社から目利きが厳選
荘厳な社殿に、神話の舞台に、優美な宝物に、雄大な山々に、神々が見える――。日本全国、八百万の神々の住まいを訪ねてみたら、そこは未知なるワンダーランド!
『万葉集であるく奈良』
上野誠、蜂飼耳、馬場基/著
うるわしき古代を体感する旅
古代ロマン溢れる飛鳥、たった16年の都・藤原、虚空の宮跡を抱える平城(なら)。三つの古都を軸に、万葉びとが情感豊かに詠った日本のふるさとへ旅をしよう。◎とんぼの本
『源氏物語―天皇になれなかった皇子のものがたり―』
三田村雅子/著、芸術新潮編集部/編
なぜ人はかくも光源氏に魅了されるのか
1000年の時空を超えて人々を惹きつける未曾有の物語を国宝《源氏物語絵巻》をもとに読み解いてゆく。全56面一挙収録。幻の“黄金の庭絵巻”も登場! ◎とんぼの本
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