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杉浦日向子の食・道・楽

杉浦日向子/著

693円(税込)

発売日:2009/03/02

  • 文庫

「お江戸でござる」でもおなじみ。江戸時代からタイムスリップした稀代の絵師の、思いをこめた最後のエッセイ集。

テレビ番組の解説でもおなじみ、着物姿も粋な、稀代の絵師にして時代考証家、「江戸からタイムスリップした」現代の風流人・杉浦日向子の人柄と心意気を映す最後のエッセイ集。命をつなぐ食をめぐる話、人生を彩る酒の話題、大切にしていた憩いのひとときを思いをこめて綴る。懐かしい作品制作風景、単行本未収録の漫画のひとコマ、愛用の着物、酒器、小物の口絵写真、作品リストも収録。

目次
正しい酒の呑み方七箇条
食の章――ゴチマンマ!
ウマイとマズイ
おにぎりころりん
ひとりごはん
ジャパリアン
食事の作法
恋人の食卓
ほろ酔い気分
和食って何?
バラエティーフード
おふくろの味
たまごで宴会
ひとりの楽しみ
道の章――酒器十二か月
一月 つつがない正月の、つつましいハレを、黙してすごす、ひととき
二月 酔って心身に隙間ができて、そこに心地よい風が通る
三月 じっくり選んだ杯で、これからのこと、これまでのことを、たっぷり話したい
四月 板の間に片膝立ててひとり酒。ああ春の宵
五月 初夏の新緑をくぐり抜ける縁先で、鳥のさえずりを肴に一献
六月 雨垂れを聴きながら、ぬるめの燗を、ゆるり
七月 グラスに映す、海と空は万華鏡のきらめき
八月 コップのひやを、なみなみと一杯。この一瞬が天の美禄
九月 新米から、新酒が生まれ、(蒸し器の)蓋が明くのだね
十月 秋は、ゆっくり、大人の季節
十一月 黄金のパウダーが降りそそぐ西日の中、ちびちびと冷酒をなめて目を細める
十二月 自分にとっての大切な節目には、たっぷり、酔おう
楽の章――きょうの不健康
不健康は健康のもと
うまいもの
酒は百薬の……
体に悪いスポ根
いろんなカタチ
病気自慢?
酒を呑むにも上手下手
気味悪いケータイ
「若い」は「苦しい」
巨大病院の外来
体に悪い数字
死とか生とか
箸休め
ピヨちゃん園

カタカナ菜時季
4月 グリーンピース
5月 キャベツ
6月 ピーマン
7月 セロリ

日向子のひとりごと
おいしいお酒、ありがとう
久しぶりに銭湯は、いかが
色事は四十からがおもしろし
オトナに必要なものは「憩い」

《最期の晩餐》塩ご飯

杉浦日向子全著作リスト
妹としての杉浦日向子 鈴木雅也

書誌情報

読み仮名 スギウラヒナコノショクドウラク
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫
判型 新潮文庫
頁数 192ページ
ISBN 978-4-10-114922-6
C-CODE 0195
整理番号 す-9-12
ジャンル エッセー・随筆
定価 693円

著者プロフィール

杉浦日向子

スギウラ・ヒナコ

(1958-2005)東京生れ。文筆家。「通言室乃梅」で漫画家としてデビュー。以来、一貫して江戸風俗を題材にした作品を描き、1984(昭和59)年『合葬』で日本漫画家協会賞優秀賞、1988年『風流江戸雀』で文藝春秋漫画賞を受賞。『二つ枕』『百日紅』『東のエデン』『ゑひもせす』など漫画作品のほか、『江戸へようこそ』『大江戸観光』『隠居の日向ぼっこ』『お江戸風流さんぽ道』などエッセイストとしての著書も多いが、『ごくらくちんみ』『4時のオヤツ』では小説家としても腕の冴えを見せた。2005(平成17)年7月、下咽頭がんのため46歳で逝去。最後まで前向きで明るく、人生を愉しむ姿勢は変わらなかった。

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