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建築家、走る

隈研吾/著

572円(税込)

発売日:2015/08/28

  • 文庫
  • 電子書籍あり

二一世紀東京を象徴する建築を次々手掛ける著者が語り尽くしたユニークな自伝的建築論。

ブザンソン芸術文化センター、根津美術館、竹の家(中国)、アオーレ長岡(市庁舎)、la kagu ……いま世界中から依頼が殺到する建築家は、深く悩みながら疾走してきた。東京でのプロジェクト挫折、森舞台/登米町伝統芸能伝承館をはじめ地方での活躍、怒濤のコンペ参加など、その半生は紆余曲折の連続だった。「反・20世紀」的建築を創造する著者が自伝的に語り尽くしたユニークな書。

目次
悩んでいる日々を
第1章 世界を駆け回る
世界一周チケットで
建築家は競走馬
20世紀型建築家出世すごろく
建築は戦闘能力を持っている
新たなクライアントの台頭
中国四千年の利益誘導
中国こそ「文化」と「環境」の国家?
やってらんないよ!
利用される「隈研吾」ブランド
中国の「オーナー文化」、日本の「サラリーマン文化」
礼を尽くした「恋愛」
やっぱりフランスは手だれ
ユダヤ人は、メディアと建築の支配者
ロシア人の本領は妄想にあり
海賊版が出て、オメデトウ
ぼくって、田舎の人間なんだ
第2章 歌舞伎座という挑戦
栄誉よりも重い困難
新しい建物は褒められない法則
艶っぽい歌舞伎座
モダニズムと数寄屋の融合
唐破風をめぐる攻防
東京にバロックを
すったもんだのおかげ
世界でも希有な歌舞伎ワールド
夢でうなされる
第3章 20世紀の建築
住宅ローンという“世紀の発明”
真っ白なお家と真っ黒な石油
オイルショックで最初の挫折
サラリーマンをやってみた
ニューヨークの地下で日本の悪口
ディベート重視のワナ
別の場所で勝負してやる
コルビュジエとコンクリート
安藤忠雄建築とコンクリート
理屈でなく腕力が必要だ
人間心理に付け込むコンクリート
マンションを所有する「病」
コンクリート革命を超えるには
あきらめを知ったら、人生が面白くなった
淋しい母親
もっと淋しいサラリーマン
役人は海岸にも手すりを付けたい
現場のない人たち
「ともだおれ」を見直す
第4章 反・20世紀
バブルで浴びた大ブーイング
右手がダメになった
地方とはヒダのこと
見えない建築(「亀老山展望台」)
見えない建築の進化(「水/ガラス」)
予算がない=アイディアが出る(「森舞台/登米町伝統芸能伝承館」)
石を使い尽くす(「石の美術館」)
やがてライトの建築につながる(「那珂川町馬頭広重美術館」)
成金手法の流行
オレはいったい何をやっていたのか
苦労、覚悟、挑発、開き直り(「竹の家」)
行け、現場へ
自分の基準を乗り越えていく
中央嫌いのひねくれもの
不況に感謝
原点にあるボロい実家
なぜ日本が建築家を輩出するか
第5章 災害と建築
建築家の臨死体験
人類史を変えたリスボン大地震
死を忘れたい都市
死の近くにいる建築家
小さなものから出発する
壊れ方だって一つじゃない
第6章 弱い建築
虚無を超えて
「建築ぎらい」
激しい移動が建築家を鍛える
「直接会う」が必要な理由
秒速で判断する
使える人材を見抜くオリジナル面接
組織運営も手腕のうち
けなされたくないんです
自分を疑えて幸せだった
反ハコの集大成「アオーレ長岡」
下から目線で「絆」ができる
ディスコミュニケーションだって、コミュニケーションだ
「楽しさ」を真剣に楽しむ
あとがき 清野由美
    *
だから走りたくなってしまう(文庫版あとがき) 隈研吾

書誌情報

読み仮名 ケンチクカハシル
シリーズ名 新潮文庫
発行形態 文庫、電子書籍
判型 新潮文庫
頁数 256ページ
ISBN 978-4-10-120036-1
C-CODE 0195
整理番号 く-50-1
ジャンル 画家・写真家・建築家
定価 572円
電子書籍 価格 539円
電子書籍 配信開始日 2016/02/19

著者プロフィール

隈研吾

クマ・ケンゴ

1954(昭和29)年、横浜生れ。建築家。1979年東京大学大学院建築学科修了。コロンビア大学客員研究員、慶應義塾大学教授を経て、2009(平成21)年より東京大学教授。主な作品は「森舞台/登米町伝統芸能伝承館」「サントリー美術館」「根津美術館」「la kagu」など国内外に多数。『10宅論』『負ける建築』『ひとの住処 1964-2020』など著書多数。

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