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本邦初! 最強の“最果ての地”ガイド!

アラスカへ行きたい

石塚元太良/著、井出幸亮/著

2,484円(税込)

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発売日:2014/07/31

読み仮名 アラスカヘイキタイ
発行形態 書籍
判型 A5判変型
頁数 142ページ
ISBN 978-4-10-335771-1
C-CODE 0026
ジャンル 歴史・地理・旅行記
定価 2,484円

熱々のコーヒー片手にノーザンライツ、大氷河を目の前にシーカヤック、ゴールドラッシュの遺構を辿ってトレイルウォーク。大自然のなかでのアクティビティから知られざるアメリカ史の痕跡まで――“最果ての地”に魅せられた写真家と編集者、二人の青年がその重層的な魅力をキーワードで徹底的に読み解くカルチャーガイド。

著者プロフィール

石塚元太良 イシヅカ・ゲンタロウ

写真家。1977年東京都出身。19歳からバックパック旅を始め、世界約80ヶ国を旅しながら撮影する。現在、氷河、パイプライン、ゴールドラッシュなどをモチーフに極地方で独自のランドスケープを撮影している。2004年日本写真協会賞新人賞受賞。2011年、文化庁新進芸術家派遣員。2013年、ポーラ美術振興財団在外研修員。写真集に『LENSMAN』(赤々舎)『INNER PASSAGE』(エスプレ)など。アラスカとアイスランドのパイプラインを8×10の大判カメラで撮影した写真集『PIPELINE ICELAND/ALASKA』(講談社)で2014年写真の町東川賞〈新人作家賞〉受賞。

井出幸亮 イデ・コウスケ

編集者。1975年大阪府出身。旅行誌「PAPERSKY」(ニーハイメディア)副編集長を経てフリーランスに。雑誌「BRUTUS」「POPEYE」(ともにマガジンハウス)、「翼の王国」(ANA)など雑誌・機内誌のほか、ムック・書籍・webその他もろもろで編集・執筆活動中。主な編集仕事に『ミヒャエル・エンデが教えてくれたこと』(新潮社)。旅と文化・芸術・歴史を好む。旅先の安宿で深夜、その土地とまったく関係ない事柄についての原稿を書くのは好まないが得意。

書評

波 2014年8月号より 別な視点で手に入れる世界

新井敏記

『アラスカへ行きたい』、この表題に思わずほくそ笑む。「行く」でも「行こう」でもなく「行きたい」なんて、まるで雑誌の特集タイトルのようなアラスカ一途な本が現れた。
著者は石塚元太良と井出幸亮の二人。石塚元太良はアラスカのパイプラインを撮影したシリーズ『Pipeline Alaska』で知られた写真家、井出幸亮は旅雑誌を経て数多くのカルチャー雑誌の第一線に携わる編集者だ。筋金入の旅人二人による「アラスカ総力特集」は、A5変型並製144頁の誌面に写真をふんだんに掲載し懐深いアラスカの自然を印象づける。中南部のデナリから東南アラスカ、果ては北極圏までの広大なアラスカのほぼ全域を網羅、見て、聞いて、感じた、渾身の紹介文は初心者も上級者も分け隔てすることはない。
二人によるアラスカ体験はまずは気候、地形、歴史、文化を学ぶことから始まる。次にカヤックやバックカントリースキー、トレイルウォーキングなど、あらん限りのアクティビティを駆使して自然に分け入っていく。森と川と山と氷河、無窮の時間の中で流れる豊かな自然を丁寧に縁取っていく。時にアラスカを舞台にした様々な物語にも触れる。ジャック・ロンドンの世界やウィリアム・プルーイットの作品から極北の自然の厳しさを感じ憧れをさらに抱く。
思えばアラスカの魅力を具体的に私たちに伝えてくれたのは星野道夫だった。見えない世界に価値を置く。僕たちが失ったアニミズムの世界だ。
“どうしてここに来たのですか? どうしてここに住んでいるのですか?”星野道夫が北極圏の原野の村人に必ず訊ねた質問だった。この地で人はどのように生きて死んでいくのか。彼は物語や智慧を克明に記録していった。例えば北極圏のブルックス山脈の先、やがて春が来る大切な時期に原野に向かって旅をする。昼間は凍結した風景が少しは緩むが、夜になるとしんしんと身体が冷える。火を熾す。周囲の林に炎の影が映って揺れている。深夜運がよければオーロラが見える。遠くで哭くオオカミのことを考えて眠りにつく。たった一人で原野にいると自然に添って生きることを学び風景の変化を理解していく。
井出は星野からのバトンを繋ぐようにこう書く。
「本書に記されているのはあくまで『僕たちが見たアラスカ』でしかない。それぞれの土地の魅力をなるべく網羅しようと試みたが、歴史家の記す単線の記述がひとつの物語でしかないように、このガイドブックが指し示す風景もまた『銭湯の富士山』のごとき拙い書割に過ぎない」
では、なぜアラスカなのだろう、なぜアラスカでなければならないのか。井出は読者の想いを見抜くようにこう続ける。
「行けば分かるさ、迷って行けよ」
まさに旅の醍醐味、経験を積むために森を歩き町で眠るもよし。自分の五感を駆使して進め。それだけの価値がこの土地にはある。
「スキャグウェイの街から約3.2kmほど、デイアの町外れからトレイルはスタートする。デイアは1897年には荒野を目指す数万ともいわれる人たちが野営していた岸である」
石塚のチルクート・トレイルを渡った文章がいい。一九世紀ゴールドラッシュを駆け抜けた人々を追体験するように誠実に描かれている。その中に『火を熾す』のジャック・ロンドンもいた。
『アラスカへ行きたい』は、二人が自らのフィールドワークを繋いだ十年の間に重層的に記されたアラスカ物語なのだ。その物語には嘘がない。見知らぬ土地に降り立った時にまず地図を買う。その地図に自分なりの旅の軌跡を書き込む、自らの足で確かめた情報を束ねて、先達が記した地図に重ねるときの謙虚さと心躍る気持ちに駆られる。どこにもない物語が写し取られていく。
二人の旅の指向やスタイル、向かうべき場所は違っていても、アラスカはいつも叡智を持って彼らを照らしてくれている。経験に積まれた時間、二人の案内は十全ではないけれど、ささやかな役に立つ。そして次、この地図に誰が記憶を重ねるか、進むべき方位は与えられた。

(あらい・としのり 編集者)

目次

INTRODUCTION 現代の“ゴールドディガー”たちに。 井出幸亮
ALASKA TEROUGHOUT MAP アラスカ全図
WHAT'S ALASKA アラスカを知ろう
HISTORY 数奇な運命に彩られた冷蔵庫の話―アラスカ前史
◎東南アラスカ  エリアガイド
海と氷河の内海航路とアリュート族が生んだ世界最高のシーカヤックの話。
ちょっとややこしいけど、分かるとすごく面白いアラスカ先住民のカルチャー。
【タウンガイド】 ジュノー/シトカ/ヘインズ/ピーターズバーグ/スキャグウェイ

BUSH PILOT どんな不整地だって俺にまかせろ アラスカを支えるブッシュパイロット
BEER アラスカへ来たら「とりあえずビール!」 4都市・極旨ブリューワリー巡りの旅
GOURMET 素晴らしきアラスカン・グルメの世界
TRAVELER アラスカを旅した人たち
GOLD RUSH 狂乱の時代、ゴールドラッシュを抜きにどうしたってアラスカは語れない
GOLD RUSH アラスカの街を作った「一攫千金」の夢
WILDLIFE アラスカのワイルドライフたち
◎中南部とアラスカ湾岸地域  エリアガイド
アラスカマンなら、やっぱり「デナリ」と呼びたい。
キーナイ半島スワード・ハイウェイは、キャンパーのための道だ。
【タウンガイド】 アンカレジ/スワード/ガードウッド/バルディーズ/ウィッティア/タルキートナ

FISH デカくて旨い、アラスカのサカナたち
YUKON ユーコン準州はアラスカではない。が、旅人にはおなじみの通過点だ
TRAIL WALK トレイルウォークは自然の怖さと楽しさを教えてくれる
PUBLIC CABIN パブリック・キャビンはそこらの高級ホテルよりもずっと贅沢な宿だ
FLOWERS アラスカのワイルドフラワーたち
SKI 道路脇だって、どこだってスキー場
GOODS お土産に(ときどき)喜ばれるアラスカグッズあれこれ
RAILROAD 時にはクルマを捨てて、絶景列車の旅もいい
◎極北アラスカ  エリアガイド
「ノーザンライツ」に出会うためには熱々のコーヒーと「粘り」が必要だ。
犬ぞりを引く働き者スレッドドッグとマッシャーはアラスカの英雄(ヒーロー)だ。
トランス・アラスカ・パイプライン 1280kmの長い長い旅。
トレイルすらないアラスカ最後の原野、ブルックス山脈。
【タウンガイド】 フェアバンクス/ノーム/ワイズマン/デッドホース/コールドフット

GLACIER “グレイシャーブルー”を見ずにアラスカを去るなかれ
FASHION 奥深きアラスカファッションの世界
PHOTOGRAPHERS アラスカの人と自然に惹きつけられた写真家たち
BOOKS 読むアラスカ
ESSAY パイプラインと北極狐 石塚元太良/「消え行く村」のレッド・ホット・チリ・ペッパーズ。 井出幸亮
ALASKA TRIP NOTEBOOK アラスカ旅の手帖
AFTERWORD 「静かな場所」へ 石塚元太良

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