ホーム > 書籍詳細:レシピ公開「伊右衛門」と絶対秘密「コカ・コーラ」、どっちが賢い?―特許・知財の最新常識―

儲かる会社には理由がある。大事なアイデアは「見せない・出さない・話さない」。

レシピ公開「伊右衛門」と絶対秘密「コカ・コーラ」、どっちが賢い?―特許・知財の最新常識―

新井信昭/著

1,404円(税込)

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発売日:2016/12/22

読み仮名 レシピコウカイイエモントゼッタイヒミツコカコーラドッチガカシコイトッキョチザイノサイシンジョウシキ
発行形態 書籍、電子書籍
判型 四六判変型
頁数 190ページ
ISBN 978-4-10-350611-9
C-CODE 0030
ジャンル ビジネス実用
定価 1,404円
電子書籍 価格 1,404円
電子書籍 配信開始日 2016/12/30

「特許を取れば安心」――は大間違い。今、この瞬間も、あなたが特許出願したアイデアが、特許庁HPを通じて世界中に垂れ流されている。完全秘密のクローズ戦略のメリットとは? 一方オープン戦略はどんな時に有効か? 3000件以上の知財コンサルティングを手掛ける著者が、豊富な実例でひもとく、知財戦略の最新教科書!!

著者プロフィール

新井信昭 アライ・ノブアキ

1954年生まれ。高卒後、サラリーマン生活を送る中、幼なじみから見せられた大学の卒業証書を見てー念発起。新聞配達やタクシー運転手などでお金を貯め、25歳の時に1年間かけて世界一周の旅へ出る。帰国後、身に付けた英語を生かして秋葉原の免税店で働き始めるが、そこで知り合った司法試験受験生に影響を受け、法律の面白さに目覚める。29歳で行政書士、30歳で弁理士予備試験に合格。精密機械メーカー勤務の傍ら、39歳で弁理士本試験に合格。芝浦工業大学夜間部の学生と特許事務所所長の二足の草鞋を履く。同大学2部電気工学科卒。さらなる知見を得るために52歳で東京農工大学大学院入学。博士(工学)。現在は同大学院・ものつくり大学非常勤講師(知財戦略論)、(株)グリーンアイピー代表取締役。知財コミュニケーション研究所代表。

効果的な特許出願で業績アップ!知財コミュニケーション研究所 (外部リンク)

目次

はじめに「知財」は本当に、あなたに関係ないものですか?
私たちは「知財」に囲まれている
「特許」についての大いなる誤解
日本のモノづくりを弱らせたもの
『伊右衛門』VS.『コカ・コーラ』の秘密
「知財コミュニケーション力」の有効性
ノーベル賞の裏に、知財コミュニケーション力あり
第1章 特許出願は「アイデアを盗んでください」と、全世界に宣言すること
そもそも「特許」とは?
日本のアイデアは全世界にさらされている
特許庁がアイデアを公開する理由
アイデアに国境はないが、特許には国境がある
「技術は外から手に入れてくるもの」が国際ルール
日本の特許出願の7割が、外国でのパクリOK
「特許をたくさんもっていれば儲かる」はウソ
年度末の道路工事数と特許出願数の関係
パナソニックも陥ったノルマ出願の愚
特許出願は社員教育に効果的?
特許出願を見極める3つのポイント
特許を取る「目的」は何ですか?
第2章 アイデアは「見せない、出さない、話さない」
秘密にするのはセコイこと?
「発明」と「発見」の違い
アイデアは、人に見せた瞬間に腐る
タクシーでの会話にご注意を
敵は身内にあり?
特許法に定められた「新規性のないアイデア」とは?
「傷モノ特許」のしっペ返し
カギは「秘密を守る約束」
新規性は国境を越えて
第3章 知財の法廷に、大岡越前はいない
「弁論主義」というハードル
見せる相手を間違えたブラジャー
サトウの切り餅が、越後の餅に粘り負け
解凍したらアイデアも解けた?
『どん兵衛』と『サッポロ一番』が法廷バトル
アリが巨象を倒した代償
特許を骨抜きにする技術の進歩
第4章 アイデアの「現場」に魔の手が迫る
磨き屋シンジケートにスパイ潜入?
リメンバー、ピカピカ磨き!
国際交流で技術流出?
義を捨て、利に走った日本企業
「便利」と「危険」の境界線
第5章 『知財コミュニケーション力」という武器
知財センサーをオンにする
知財としての東京五輪エンブレム問題
右脳を味方につける
お買い得な国家資格、いりませんか?
もし、あなたが経営者なら
もし、あなたが会社員なら
もし、あなたが学生なら
知財技能士社員を強みに、世紀の大ヒット
専門家がやるベきこと
第6章 アイデアの「絶対領域」で勝利をつかめ!
オープン・クローズ戦略
ポッキーが半世紀も勝ち続けている理由
AZO色素という「秘伝のタレ」
ミドリムシの成長が人類を救う
戦略的だった「おじいちゃんのノート」
『伊右衛門』の狙い
あとがき
参考文献

インタビュー/対談/エッセイ

知財を制する者はビジネスを制する

新井信昭

「伊右衛門」VS.「コカ・コーラ」。
 いきなり書くと何のことだが分かりませんね。緑茶飲料と炭酸飲料。製造元が日本とアメリカ――違いを考えると色々と出てきますが、「伊右衛門」の作り方を誰でも簡単に見られることを知っていますか? それはサントリーの「特許公報」に書かれています。特許公報とは、特許を認められたアイデアの内容が詳しく書かれた特許庁が発行する公文書です。つまり「伊右衛門」の製法は特許を取っているのです。
「特許」と聞くと、多くの方は「アイデアを守るためのものじゃないのか?」と思われるでしょう。
 実は、その逆で守ってはもらえません。
 特許を出願すると、特許庁による審査があります。審査は数年かかるのが通例ですが、出願の時期から1年半が経過すると、特許取得の有無にかかわらず、特許庁のホームページ上にある「公開特許公報」に出願内容がすべて掲載される決まりになっているのを御存知でしょうか? インターネット上ということは、世界中の誰もが、いつでもどこでも読むことができることになるのです。
 さて、一方の「コカ・コーラ」。その作り方は「完全に秘密」とされています。レシピは厳重に管理されており、ほんの一握りの人間しかその内容について知らないそうです。
 世界最大のブランディング会社であるインターブランドが発表した2016年度の『グローバルブランド価値評価ランキング』によれば、コカ・コーラ社はアップル、グーグルに次いで第3位にランキングされました。コカ・コーラ社の創業は1886年。以来、130年もの間、ブランド力を高め続け、21世紀を代表する、最先端のIT企業に引けをとらない存在感を放っています。
 同じような企業はまだあります。例えば、ケンタッキー。あのフライドチキンが最初に作られたのは1939年です。この商品もすっかりおなじみですが、あのチキンと同じ味は誰にも作れません。老舗のうなぎ屋は、何十年も継ぎ足して守ってきた「秘伝のタレ」を持っています。行列ができるラーメン屋のスープの作り方は、そのほとんどが「門外不出」ですよね。こうした企業やお店が強さを維持できる理由、それは「レシピを特許出願せず、完全に秘密にしている」ことだと言えるでしょう。
 ここでようやく冒頭の文章に戻ります。
 製法を公開している「伊右衛門」と、絶対秘密にしている「コカ・コーラ」。皆さんはどちらが賢いと思いますか?
 この問いに答えるためには、私が提唱する「知財コミュニケーション力」が必要になります。「知財」とは「知的財産」を短くした言い方ですが、人間が頭で考えたアイデア(知財)を、お金を儲けるためのネタ(財産)にするために必要な能力を身につけて頂きたいと思って書いたのが拙著です。
 私はこれまで3000件以上の知財コンサルタントをこなし、1000件以上の特許や実用新案申請のお手伝いをしてきました。その経験から言えば、「特許」や「知財」と聞くと、何となく難しそうとか、自分の生活には関係ないと思っている方が大半ではないでしょうか。しかし、お金を儲けるためのアイデアは無尽蔵にあるわけで(勿論、違法なものは省きます)、使い方次第で大儲けすることもあれば、その逆もあり得るのがビジネスの世界です。せっかく生み出したアイデアを無駄にせず、巧く使って成功する。その秘訣を知って頂きたいのです。
 ヒト、モノ、カネがなくても簡単に実践でき、それでいて抜群の効果が期待できる手法を紹介してあります。中小企業の皆さんはじめ、企業の開発部門や法務部門の方、あるいは就職を控えた学生まで、幅広く読んで頂きたいと思います。
 知財を制する者はビジネスを制する――決して過言ではありません。ぜひ一度、目を通してください。

(あらい・のぶあき 弁理士・知財コミュニケーター)
波 2017年1月号より

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