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カリスマ講師、三十年の精髄。読むだけで「最先端の教養+無敵の雑談力」が身に付く!

そもそも つながりに気付くと未来が見える―Everything is connected to everything else.―

西きょうじ/著

1,080円(税込)

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発売日:2017/04/27

読み仮名 ソモソモツナガリニキヅクトミライガミエルエブリシングイズコネクテッドトゥエブリシングエルス
装幀 kotoffei(Shutterstock.com)/図、新潮社装幀室/装幀
雑誌から生まれた本 小説新潮から生まれた本
発行形態 書籍
判型 四六判変型
頁数 190ページ
ISBN 978-4-10-350891-5
C-CODE 0095
定価 1,080円

直に教えた生徒二十数万人、受験英語界のカリスマは「雑談」も凄かった。教え子たちを虜にした、伝説の話術をあなたに! 「私」ってなに? というアイデンティティの問題から、肥満も伝染する話、うんちの行方、果ては最新の脳科学が明かす身体感覚の驚異まで。古今東西を股に掛け、縦横無尽に展開する知的好奇心の坩堝。

著者プロフィール

西きょうじ ニシ・キョウジ

1963年生まれ。東進ハイスクール講師。30年にわたって予備校で英語を教え、教えた生徒は、延べ20万人以上になる。『ポレポレ英文読解プロセス50』など参考書のベストセラー多数。精緻な英語の講義はもちろん、授業中に挟まれる知的好奇心を刺激する雑談も絶大な支持を誇る。近年は一般書の執筆にも精力的で、『情報以前の知的作法 踊らされるな、自ら踊れ』(講談社)、津田大介氏との共著『越境へ。』(亜紀書房)、『仕事のエッセンス』(毎日新聞出版)などがある。

書評

今年ナンバーワンの知的エンタテインメント

竹内薫

 あれれれ? 小説雑誌に連載されていたから、小説かと思ったら全然そうじゃない。いろんな本が引用されて紹介されているので、書評本かと思ったが、どうやらそうでもないらしい。
 まあ、そんなことはどうでもいいが、この本には「軽やかな重力」とでもいうべき不思議な魅力がある。これまで半世紀ほど、飽きるほど本を読んできたこのオレ様が、(ぶっちゃけ話→)編集者に頼まれて、本を紹介しなくてはいけない状況に追い込まれ、仕方なく読み始めた。なのに、いつのまにか頁を繰る手が止まらなくなってしまった。
 他の〆切を抱えているのに、どうして、この本にハマってしまったのか、著者の術中にはまって悔しいこともあり、冷静に分析してみた。
 まず、この本は知的なユーモアにあふれている。だから、読んでいて、思わずニヤリとさせられる。気分もいい。それから、この本には正確な情報がたくさん含まれている。冒頭で「書評本」と書いたが、ようするに、学術的に面白い本を紹介してくれるので、むかし学校で先生が授業の合間にしてくれた有益な無駄話のような感じなのだ。ほら、学校の授業で大人になっても憶えてる話って、たいてい、本筋から離れた逸話だったりするわけで。
 たとえば、
「データをもとに社会的ネットワークと肥満を図式化すると、肥満は均一に広がっているのではなく、局所的に何か所かに集中している様子が明らかになります」
 というような表現は大いに笑いを誘う。あるいは、
「幸福な人は幸福な人同士で、不幸な人は不幸な人同士で集団を形成している……(中略)……直接つながっている人(一次の隔たり)が幸福だと、本人も約一五パーセント幸福になり」
 と書いてあれば、ふむふむ、そうだそうだと、いつのまにか頷いている自分がいる。オレは野鳥撮影が趣味なのだが、著者は、目が見えない人とのバードウォッチング体験についても書いている。
「日常的に私が通っている森を案内したのですが、彼らは足の感覚で地面の柔らかさの変化を感じ、鳥の羽ばたく音でその鳥の大きさを感じ取っていました。そしてさえずりを聞いて「シジュウカラが四羽いますね」というので本当に驚きました……(中略)……どっちが案内をしていたのかわかりませんね」
 いやはや、オレは野鳥撮影で何度も周囲からアドバイスをもらったことがある。「竹内さんが鳥を発見できないのは、鳴き声をちゃんと聞いていないからだよ」。なんだかこの著者とはウマが合いそうだ。
 しまいには、
「じゃあ、秘密を教えるよ。とても簡単なことなんだけどね。心で見なきゃものはちゃんと見えないんだよ。いちばんたいせつなことは目には見えないんだ」
 と、大好きな作家(サン=テグジュペリ)からの引用で嬉しくなり、こりゃあ、途中で本を読むのをやめるのがもったいなくなるわけだ。
 冒頭で少しおちゃらけてしまったが、まじめにこの本の素性をご紹介すると、ようするに「つながり」という一貫したテーマで書かれた珠玉のエッセイなのである。なかみは科学的かつ社会学的かつ哲学的で、著者の人柄がうまく文章とブレンドされて、極上の知的エンタテインメントに仕上がっている。
 とりあえず、オレの中では、今年のナンバーワン本だな、こりゃ。読み終わってトクした気分になれました。

(たけうち・かおる サイエンス作家)
波 2017年5月号より

目次

はじめに
第1回 「いま・ここ」をサバイブするための「そもそも」思考
第2回 「連れション男」と共感力
第3回 「私」はいつまで私なの?
第4回 「伝染る」のかあ! 〜社会的ネットワーク〜
第5回 『みんなうんち』劇読 〜生態系ネットワーク(1)〜
第6回 うんち、その後 〜生態系ネットワーク(2)〜
第7回 大切なものは目に見えないのだね
第8回 触ると世界が感じとれる
第9回 感覚は越境する
第10回 行き詰まったらピョンピョン
第11回 好奇心は幸福の鍵? (1)
第12回 好奇心は幸福の鍵? (2)
第13回 ノイズになりたい
第14回 いま、あらためてことばとむきあう
「そもそも」各回のまとめと参考文献

イベント/書店情報

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