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今までにない出会いが見つかる!

BOOK BAR―お好みの本、あります。―

/著 、大倉眞一郎/著

1,620円(税込)

本の仕様

発売日:2018/02/27

読み仮名 ブックバーオコノミノホンアリマス
装幀 イオクサツキ/装画、新潮社装幀室/装幀
発行形態 書籍
判型 四六判変型
頁数 238ページ
ISBN 978-4-10-351631-6
C-CODE 0095
ジャンル 文学・評論
定価 1,620円

女優・杏と旅人・大倉眞一郎。2人が紹介してきた。1000冊あまりの本から厳選した50冊を紹介。小説、ノンフィクション、絵本、マンガ……。面白い本はベストセラーだけじゃない! ユニークな魅力たっぷりのセレクトに、思わず読んでみたくなる。10年続く大人気ラジオ番組「BOOK BAR」が待望の書籍化。

著者プロフィール

アン

1986年、東京都生まれ。2001年モデルとしてデビュー。2005年から海外のプレタポルテコレクションで活躍、2006年ニューズウィーク誌「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれる。2007年に女優デビューし、『名前をなくした女神』(2011年)で連続ドラマに初主演する。NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』(2013年)でヒロイン役を務めるなど、女優業を中心にナレーターや声優など多彩な活躍を続ける。2008年より「BOOK BAR」のナビゲーターを務める。

大倉眞一郎 オオクラ・シンイチロウ

1957年、熊本県生まれ、山口県下関育ち。1980年、慶應義塾大学文学部東洋史学科卒業。同年、広告代理店・株式会社電通に入社。J-WAVE開局専任担当を務める。1990年から1997年までロンドンに勤務。1997年、帰国と同時に電通を退社する。J-WAVE「TOKIO TODAY」ナビゲーター、広告会社経営を経て、2018年2月現在はクリエイティブディレクター、コピーライター、エッセイスト、フォトグラファーとしても幅広く活動中。2008年より「BOOK BAR」のナビゲーターを務める。

目次

本から始まる四方山話 ~はじまりにかえて~ 杏
一番遠くて近い、魅力的な時代のヒーロー
『幕末新選組』池波正太郎
文春文庫
科学者ですら神を信じたくなる宇宙の超偶然
『幸運な宇宙』ポール・デイヴィス
日経BP社
すっきりさっぱり、14歳の自分に会いたくなる
『カラフル』森絵都
文春文庫
自分の前世を追ってイタリアへ!
『前世への冒険 ルネサンスの天才彫刻家を追って』森下典子
知恵の森文庫
爆発的な面白さ! 映画『スラムドッグ$ミリオネア』原作
『ぼくと1ルピーの神様』ヴィカス・スワラップ
ランダムハウス講談社
佐幕派も討幕派も入り乱れる幕末を一挙におさらいできる!
『幕末史』半藤一利
新潮社
バベルの塔は実在した!? 言語が語る不思議
『世界の言語入門』黒田龍之助
講談社現代新書
今も受け継がれる「武士道」の女性版!
『武士の娘』杉本鉞子
ちくま文庫
乱暴な魅力を切り取った、ブレない写真集
『凶区 Erotica』森山大道
朝日新聞社
骨はなんでも知っている
『骨が語る日本史』鈴木尚
学生社
老若男女に愛される、火を噴く作家
『生きてるだけで、愛。』本谷有希子
新潮社
大河にピッタリ! 幕末に活躍した男装の麗人
『アラミスと呼ばれた女』宇江佐真理
講談社文庫
読んでいなかったのは犯罪級! 圧巻のストーリー
『幻影の書』ポール・オースター
新潮社
歴史上の有名人に会いまくりの世界一周
『ある明治女性の世界一周日記 日本初の海外団体旅行』野村みち
神奈川新聞社
どこかにあるかもしれない、人間と恐竜が共存する王国
『ダイノトピア 恐竜国漂流記』ジェームス・ガーニー
フレーベル館
中身は何も言えない「小説好きの方のための小説」
『わたしを離さないで』カズオ・イシグロ
早川書房
戦国好きにはたまらない、有名武将の新たな一面!
『伊達政宗の手紙』佐藤憲一
洋泉社MC新書
あなたの知らない東京の別の顔
『ワシントンハイツ GHQが東京に刻んだ戦後』秋尾沙戸子
新潮社
圧倒的なリアリティをもった姥捨て伝説
『楢山節考』深沢七郎
新潮文庫
時を忘れる異文化マンガ
『乙嫁語り』森薫
エンターブレイン
人間に一番近い動物、熊に対する執念!
『熊 人類との「共存」の歴史』ベルント・ブルンナー
白水社
陰謀渦巻く、江戸時代のロシア漂流記
『大黒屋光太夫』吉村昭
毎日新聞社
「肉」に思いを馳せる
『世界屠畜紀行』内澤旬子
解放出版社
伝統競技なのに、真相はわからないことだらけ
『おすもうさん』高橋秀実
草思社
飛鳥時代がピークだった!? 日本の建築技術
『木に学べ 法隆寺・薬師寺の美』西岡常一
小学館
アメリカの夢と孤独を描いたおとぎ話
『ホテル・ニューハンプシャー』ジョン・アーヴィング
新潮社
現代社会と隔絶された、摩訶不思議な民族
『ピダハン 「言語本能」を超える文化と世界観』ダニエル・L・エヴェレット
みすず書房
ある子どもからの、心に突き刺さる問い
『「ネルソンさん、あなたは人を殺しましたか?」
ベトナム帰還兵が語る「ほんとうの戦争」』アレン・ネルソン
講談社
死んだはずが生き返った? 生と死の意味を問う
『空白を満たしなさい』平野啓一郎
講談社
実はやわらかな門外不出の人生訓
『葉隠入門』三島由紀夫
新潮文庫
危険地帯に囲まれた、なぜか平和な謎の国
『謎の独立国家ソマリランド そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア』高野秀行
本の雑誌社
光の当たらないヒーロー
『無私の日本人』磯田道史
文藝春秋
壁の花だった高校生が心のドアを開いていく……!
『ウォールフラワー』スティーブン・チョボスキー
集英社文庫
食べ物が好きすぎるという執念が生んだ、楽しい辞書
『たべもの起源事典 日本編』岡田哲
ちくま学芸文庫
わからなくても、面白い! 素数の世界
『素数の音楽』マーカス・デュ・ソートイ
新潮社
仏教界一厳しい寺での素人修行体験
『食う寝る坐る 永平寺修行記』野々村馨
新潮文庫
日本のマジックリアリズム! 引き込まれて抜け出せない
『夜は終わらない』星野智幸
講談社
時代の荒波と恋と歌……。胸をかきむしられるストーリー
『恋歌』朝井まかて
講談社
過剰な生命力に溢れる、超重量級の一冊
『ぶっぽうそうの夜』丸山健二
河出書房新社
冒頭15ページで掴まれる、圧巻の狩猟小説!
『邂逅の森』熊谷達也
文藝春秋
困惑しつつ納得する、未経験の小説体験!
『太陽・惑星』上田岳弘
新潮社
「戦争を知らない子供たち」に向けた、豪快すぎるメッセージ
『雑兵物語 おあむ物語 附おきく物語』中村通夫・湯沢幸吉郎(校訂)
岩波書店
夫婦の間の「伝わっているはずだ」の落とし穴
『永い言い訳』西川美和
文藝春秋
本でなければ味わえない! 「行けない」ガイドブック
『秘島図鑑』清水浩史
河出書房新社
初心者にも! “はぁ〜、キュン♪”とできる時代小説
『おさん』山本周五郎
新潮文庫
百戦百敗、七転八起の苦節の物語
『新幹線を走らせた男 国鉄総裁十河信二物語』高橋団吉
デコ
記憶のドアを開いて、50年前の自分に出会える本
『かえりみち』森洋子
トランスビュー
自由すぎる女性アナーキストのぶっとび評伝
『村に火をつけ、白痴になれ 伊藤野枝伝』栗原康
岩波書店
戦後まもない日常のつぶやきから感じる戦争の真実
『婦人の新聞投稿欄「紅皿」集 戦争とおはぎとグリンピース』西日本新聞社編
西日本新聞社
自らが問われる、究極の選択
『テロ』フェルディナント・フォン・シーラッハ
東京創元社
楽しさと緊張感と 〜おわりにかえて〜 大倉眞一郎
COLUMN
趣味は読書? 杏
この本の主題は 大倉眞一郎
好きなジャンル 杏
活字中毒 大倉眞一郎
杏 × 大倉眞一郎 BOOK BAR 巻末スペシャル対談
BOOK BAR 紹介書籍リスト(2008〜2017年)

インタビュー/対談/エッセイ

思わず読んでみたくなる本ばかり!

大倉眞一郎

本を愛する女優と旅人という、異色のタッグが送る「BOOK BAR」。人気ラジオ番組が10年を迎え、満を持して書籍化した。ナビゲーターの2人が本には入らなかった裏話を語り尽くす!

初顔合わせから10年

 2008年4月5日に「本から始まる四方山話」、BOOK BARはスタートしました。
大倉 だから10年。
 私、今31歳ですから、当時21歳でした。まだお芝居もほとんどやってなくて、ザ・モデルだったんですよね。海外のコレクションにも行っていたと思います。
大倉 僕は50になっていました。50歳と21歳のコンビ。よくこんなもん組ませたと思いますよ。
 BOOK BARの最初の企画書に、「怒れるオヤジ&モデル」とあって(笑)。
大倉 その組み合わせで、どうするつもりだったんだろう。
 でも、J-WAVEへ初めての打ち合わせに行ったら、大倉さんは海外放浪中で連絡が取れなくて、いないと言われてしまって。
大倉 その会議をやる頃、ラオスの奥地に行っていて、参加しようにも、全然ネットがつながらなかったんですよ。
 十年一昔と言いますけど、やっぱりネット環境も今と全然違いますからね。
大倉 ラオスにも一応ネットカフェはあったんですが、いつ行っても停電なの。だから何が起こってるのか、さっぱりわかんないままで帰ってきたんです。
 そうして、そんなラオス帰りの大倉さんにお会いしたら、顔は真っ黒、目はぎらぎらで。
大倉 歯だけ白いおじさん。
 だからちょっと怖かったです。企画書には「怒れるオヤジ」と書いてあったし、初回はおびえてたんじゃないかな(笑)。

BOOK BARで紹介する本

 毎回本を選ぶのは大倉さんと私でほとんど同時です。「大倉さんがこれを持ってきたから、私これにします」ではなく、「僕は明日これ」「私はこれ」みたいな感じで。
大倉 相手の出方を見るようなことはしていないんです。
 でも、それぞれ紹介した本は、実はお互い読んでいません。
大倉 杏ちゃんがすごくいい紹介をしていたから、俺も読んでみようという思いはお互いにあるんだよね。
 そう、あるんですけど……。
大倉 週1冊本を紹介するって、意外に大変でして。
 そうなんです。もちろん楽しいんですが、さらに相手の紹介した本も読む余裕がないですね。
大倉 そうなんですよ。自分が読んだ本を全部紹介するわけではないし、そうなるとちょっと他の本まで読むのはなかなか難しい。
 あとは、買っていたのに先に紹介されたときなども、悔しくてそのあとは読めません(笑)。
大倉 お互い何度かあるんですよね。やられちまったぜーと。
 はい。読もうと思ってたのに! という。
大倉 宿題やろうと思ってたのにーみたいな感じにちょっと近いです。
 じゃあもっと、違う本を探してやる~! となります。だから、私たちよりリスナーの方のほうが、BOOK BARで紹介した本を読んでくださっているかもしれないですね。
大倉 読んでくださっている方は多いと思いますよ。あと、リスナーの方からいただくメールで、「杏ちゃんの紹介した本がとても読みたくなりました」とあって、同じ週に紹介しているのにもかかわらず、私の紹介した本には、一切触れられていないという場合も結構あります。
 逆もしかりですよね。
大倉 あれは励みになったり、逆にくっそーみたいに思うこともありますね。
 燃えますよね。メールは本当にうれしい。
大倉 特に紹介した本を読んでくださって、その感想まで添えてくれると、皆さんが思ってるよりも、ずっとうれしいんですよ。これからもじゃんじゃん送っていただけたら!
 リスナーの方からのメールはちゃんと全部読ませていただいています。「大倉さん、これこんなことが書いてありますよ」というクロストークも裏でやっていたりします。

この10年で変わったこと

大倉 僕の場合、どんなに忙しい時期でも、本だけはずっと読んでいたんですよ。ですから生活スタイルは変わってないんですが、一応本を紹介するという仕事になって。
 ある意味、趣味から仕事になったということですよね。
大倉 はい。それで何か変わったかっていうと、あまり変わっていないんですが、さらに幅を広げたいなとは常に思っています。
 私はやっぱり子どもができて自分の生活スタイルが変わったことですね。
大倉 そうだよね、杏ちゃん、この10年の間に、ドラマや映画にもどんどん出るようになって。もうあらあらあらっていう間に、頂点にまで駆け上がってしまった。
 最初はモデルしかやってなかったので、変化が大きかったです。さらにそのあと結婚、出産を経て、本を読む時間や、読むスタイルががらっと変わりました。BOOK BARをはじめた当初はモデルのお仕事で年の半分ぐらい海外に行っていて、移動している時間も含めると、本当に自分ですることを選べる時間が多かったんですよね。空き時間というか。今となってはあのときにもっともっと読んでおけばよかったなとも思います。生活の変化を言い訳にしちゃいけないんですけど、言葉が以前より入ってこなくなってきてる自分も確かにいて。
大倉 そうなの?
 子どもと平易な言葉で話をしていると、たとえば行間の詰まった本など、これは気合入れないと、とワンクッション入っちゃう。
大倉 それはでもさ、今のそういう生活の中で読む本を選んでくればいいわけだよね。
 はい。継続は力なりじゃないけど、読む力は筋肉なので、とにかく読むことは続けようと思っています。また読む時間ができるかもしれないし、もっと時間を作っていくっていうふうになるかもしれないし。
大倉 これからの変化が楽しみだよね。
 はい、課題でもありますね。

読みたい本の見つけ方

 大倉さんは、本屋さんで本を買いますか。
大倉 もちろん本屋で見つけること、多いですよ。
 私は、本屋さんでたまに配っている出版目録とか、あと文庫とかに挟まっているやつが好きで。
大倉 杏ちゃん、目録好きだよね。
 はい。「ああ、こんな本もあった」と丸をつけて、あとで買ったり。やっぱりアナログというか、紙で見るのはいいですよね。
大倉 結局、ぽちっとやって買う本っていうのは、自分が知ってる本しか選べないわけですよ。こんな本どうぞ、とおすすめもされますが、それは自分が過去購入したものをもとに推薦してくるから、似たようなものが多いんですよね。
 確かに!
大倉 それは、本当に知らない世界には触れにくいっていうことになると思っているので、できるだけ本屋をまめに回るようにしています。
 本屋のカウンターに行くと、目録以外に解説だけを集めた小さな冊子とかあって、あれも面白いです。
大倉 面白いですね。それから、書評で気になったものは、結構読みます。週刊誌などは売れ筋の本の書評が多いんですが、新聞の書評はそうでないものも多くある。
 そうですね。あと新聞の広告も。
大倉 そうそう。気になったらメモして買ってくるということも多いですね。

本好きならではの悩み

大倉 僕の「今ここにある危機」は、僕の部屋が本で爆発したことです。
 そういう問題はありますね。
大倉 はい。それで自宅のあらゆる部屋に何十冊かずつ、そーっと置いてるんですが、そのうち絶対に家の者が怒るだろうと。
 電子書籍に変えるというのは、また違うんですよね。
大倉 違うんです。僕の場合、この辺で何か出てきたなっていう場所を、手が覚えてるんですよ。電子書籍の場合はそれがわからない。だから本を置いておきたくなる。
 これは本当に本好きの人にとっては共通の課題ですよね。
大倉 今はしょうがないから、毎月お金払って倉庫にも入れていますが、何の意味があるのかなあと。
 私は手に入りやすい、どメジャーなものは、泣く泣く手放すことにして、だいぶ減らしました。でも装丁が変わっていて、前の装丁が好きだったというような本は手元に取っておくようにするなどしています。
大倉 今、倉庫の天井までぱんぱんに詰めて30箱なんですよ。そこに入れている本も、手放したら絶対手に入らないという本だけにしています。
 大倉さんはそもそもそういう本が多いってことですね。
大倉 マニアックな本がね。

本を読むときのひと工夫

 大倉さんは以前、帯の扱いに困ってたんですよね。
大倉 そうなんですよ。
 私が帯をぱたぱたって畳んで、裏はメモ代わりにして、平たく折ってしおり代わりに本に挟んでいたら、それを見た大倉さんがすごい、いいじゃん! と。
大倉 僕はそれを見るまでは、帯は捨てていたんです。余計な情報は欲しくなかったんですよ。でも、帯でいろんな人がその本について紹介したりしているわけじゃないですか。この人はこんなことを思って帯を書いたんだなっていうのは、あとで見直すときにいいなあと思って。
 ラジオで本を紹介するとき、本来はその魅力だけを伝えるのがベストなのかもしれませんが、さらに彩るものとして、帯ではこう言っていますとか、この人もすすめてます、みたいな帯のキャッチーな情報って便利で。
大倉 便利ですよ。だから僕、あれ以来、本の帯は捨ててません。
 大倉さんの持ってくる本は、作品によっては、付箋がびっしり貼ってありますよね。
大倉 面白いエピソードが山のように入っていて、そこに貼っていくと、これ結局貼らなくても同じじゃないかっていうぐらいになっちゃうんですよね。
 もう、どこが何だかわかんないぐらいの量になっているときもあります(笑)。
大倉 どこが大事というのが、わかんなくなったりするんですよ。
 私はドッグイヤーです。ページの端をぴっと軽く折ります。
大倉 端、折ってるよね。
 はい。付箋を持ち歩くという発想があまりないですね。
大倉 ないんだ? ドッグイヤーは本を痛めるような感じがしてね。
 そうですね。でも別に売る前提じゃないので、いいかなと。
大倉 そうなんだけどね。
 でも、私も線は引きません。あえてざっくり、この辺のページ、みたいな。だから見開きどっちのページについてのドッグイヤーなのか、わからないときもあります。
大倉 なるほどね。
 あとで使いたい事柄をまた調べないと思い出せないことってあるじゃないですか。だから、言葉遣いや出来事についてとか、ちょっと調べたいことがあると、ページの下の端を折ります。いいじゃんっていう感情のほうはページの上の端を折っています。
大倉 右脳と左脳を使い分けているような、そんな感じですか。
 ですかね。事務的なものと感情的なものみたいな。
大倉 そういうルールがあったんだ。
 そうなんです、一応(笑)。

書籍『BOOK BAR―お好みの本、あります。―』の見所

 めでたく10年ということで、念願の本になりました。私たち、もう何年もBOOK BARを本にしたいと話していて、満を持してという感じですよね。
大倉 そうだね。10年というきっかけは大きかったです。
 今回、約1000作品から、選びに選んだ50作品を掲載しています。単純な抜粋ではなく、放送から抜き出しつつ、読み物として面白くしたという感じですよね。本当に悩みました、この作業。
大倉 こんなに悩んだことって、ここ数年ない感じですよ。
 自分が面白いと思って紹介しているのだから、基本的には今まで紹介したものは全部面白い。そこからさらに面白い本を選べって言われても……。
大倉 酷ですよ。
 私は普段紹介するものもそうなのですが、この本のために選んだものも時代小説が多くて、「それとそれは時代が一緒だから削りましょう」「いや、違うんです!」というようなやり取りをみんなでしましたよね。
大倉 そういうこだわりはあったほうがいいんです(笑)。ちなみに、今回取り上げた本の中で、印象に残っているのは何ですか。
 杉本鉞子さんの『武士の娘』でしょうか。明治維新後の時代に、もともと武士の家系の女性が海外に行ったという話です。これをBOOK BARで紹介したご縁で出版社の方から連絡があって、「これのおかげで重版が決まりました」とか、「帯書きませんか」とか言っていただいて。
大倉 おおー!
 もちろん、重版が私の紹介だけによるものではないと思うんですが、紹介したことで、その作品とかかわれたのは、すごくうれしかったですね。
大倉 なるほどね。僕はあえて1冊選ぶなら、初期に紹介したヴィカス・スワラップさんの『ぼくと1ルピーの神様』です。
 これねー。
大倉 のちに、「スラムドッグ$ミリオネア」という映画になって、アカデミー賞まで取りました。
 BOOK BARで紹介したのが、その1年くらい前なんですよね。
大倉 そうなんです。僕はこの本を手に取るまで、すごく苦労をしまして。とにかく本屋にない。Amazonでもいつ入荷するかわからないと出ているから、いつ出るんだと版元に電話しちゃったくらい。
 その年のうちに、ヴィカス・スワラップさんが日本にいることがわかって、インタビューまでできましたね。
大倉 はい。ヴィカス・スワラップさん、スタジオに来ていただいて、うれしかったですね。
 これがまさかあの映画になるとはっていう。ある意味、紹介するのが本当に早すぎた(笑)。
大倉 BOOK BARで盛り上げたのが、世間には全く知られてなかったっていう本です。
 これは一種BOOK BARの伝説になっています。
大倉 伝説になんのやだなあ(笑)。
 そういった作品を私と大倉さんで25冊ずつ番組から起こしたもののほかに、第1回目の放送を聞いて2人で対談したものや、書きおろしコラムも収録しました。あと何より、今までの全紹介作品を掲載した、巻末のリストがすごいですよね。
大倉 そう。これ、もしかしたら喜ぶのは僕ら2人だけかもしれないけど、へえっと思う人は思ってくれるんじゃないかな。本によっては手書きでおすすめコメントも入れています。
 本文も、あえてジャンル分けしないで、放送順にしたんです。そのほうが面白くじっくり読んでいただけるんじゃないかなと。
大倉 みんな、ものごとをまとめがちじゃないですか。
 「泣ける本」とか。
大倉 そんな感じにしたくなかったんですよね。
 まさに「四方山話」です。
大倉 そうなんですよ。並びはバラバラではありますが、へえ、へえって言いながら、ちょっとのぞいてみて、さらには購入していただけるとうれしいですね。
 満足間違いなしです(笑)。ぜひ学校とかにも、置いていただけると。老若男女、手に取っていただきたい1冊になったと思います。

(あん 女優)
(おおくら・しんいちろう 旅人)
波 2018年3月号より
単行本刊行時掲載

まとめテーマでくくる 本選びのヒント

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