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「じみじみ旅」はもう飽きた!
東京発、非日常行きの日帰り絶景ガイド!

東京近郊スペクタクルさんぽ

宮田珠己/著

1,728円(税込)

本の仕様

発売日:2018/04/26

読み仮名 トウキョウキンコウスペクタクルサンポ
装幀 徳丸ゆう/装画、新潮社装幀室/装幀
雑誌から生まれた本 考える人から生まれた本
発行形態 書籍
判型 四六判変型
頁数 255ページ
ISBN 978-4-10-351781-8
C-CODE 0026
ジャンル 国内旅行
定価 1,728円

B級スポット巡り? 路地裏さんぽ? ……ちょっと、いいかげん飽きてませんか? そう、旅で一番大切なのはスペクタクルなのだ。たぶん。関東平野に眠る「地底都市」からジェットコースターのような乗り心地のモノレール、はたまた真の砂漠を求めて伊豆大島へ。さんぽの達人が歩き尽くした驚きと妄想のグレートジャーニー!

著者プロフィール

宮田珠己 ミヤタ・タマキ

1964年兵庫県生まれ。大阪大学工学部卒業後、会社勤めの傍らアジア各地を旅する。1995年、『旅の理不尽〜アジア悶絶篇』を自費出版してライターデビュー。以来、旅とレジャーを中心に幅広い分野で執筆活動を続けている。『旅の理不尽アジア 悶絶篇』『わたしの旅に何をする。』『ジェットコースターにもほどがある』『なみのひとなみのいとなみ』『だいたい四国八十八ケ所』『日本全国津々うりゃうりゃ 仕事逃亡編』『日本ザンテイ世界遺産に行ってみた。』など著書多数。

目次

はじめに――散歩の危機
第1章 地底湖とヘンテコな町
パズルのような町と穴
地底のリゾート
第2章 地下500mの巨大空洞
ダムの面白さがわからない件
上のダムと下のダム
サムイボ的大空間
土木建造物と崇高
第3章 ジェットコースター・モノレール
君はなぜ湘南モノレールに乗らないのか
交通機関というよりアトラクション
なぜモノレールなのに、ダイナミックなのか
湘南・鎌倉スペクタクルさんば特選コース
第4章 もりあがる彫刻(波の伊八編)
人はなぜ社寺彫刻を見ないのか
日本最優秀の龍
ゴッホは伊八の影響を受けていた?
すぐれた社寺彫刻は3Dである
伊八の特徴は、細やかさ
第5章 ますますもりあがる彫刻(後藤義光編)
優れたごちゃごちゃ、題して、うじゃうじゃ
百態の龍
実在の動物のような龍
第6章 ジャングルとカニ
川のすべてを1時間半で
奇跡の森に入る
アカテガニ人生劇場
第7章 世にも奇妙な素掘りトンネル
穴を抜けて別の世界へ
トンネルを掘った人たちはどこへ行ったのか
穴と妄想
現実と異世界が交叉する
まだまだ穴はつづく
第8章 工場のなかを走る電車
配管の迷路
シラカワ氏も工場が好きだった
坂口安吾も工場が好きだった
工場夜景電車に乗る
第9章 隠れキリシタンの魔鏡
反射光に浮かぶキリスト
異形の神像たち
第10章 渓谷と森の番人
気になっていた広大な風景
スペクタクル足尾銅山
森の番人ジャンダルム
神秘の王国への道
第11章 本物の砂漠を見に(前編)
砂漠へは高速艇に乗って
砂漠とジャングルの境目
黒い不毛と緑の濃厚
スガノ氏の失敗
砂漠とプラモ屋
もうひとつのスペクタクル
第12章 本物の砂漠を見に(後編)
三原山のスライダー
中学生による研究「三原山滑走台の謎に迫る」
火口探検のゴンドラ
狂気の火口探検
あとがき
参考文献

インタビュー/対談/エッセイ

散歩にもっと驚きを

宮田珠己

 旅が好きで会社をやめ、旅の本ばかり出しているうちに、気がつけば紀行作家もしくは紀行エッセイストなどと呼ばれるようになり、いい仕事ですね、などと人に会うたびに言われたりしている。なかには、気楽でいいわよね、とはっきりとやっかみを口にする人もあるというか妻がある。「こ、子どもはおれが見てるから、どこか行ってきたら?」と思わず答えると、「そんなお金がどこにあるの」との返事。そうなのである。お金はないのである。紀行作家はちっとも食えない。ほんとすいません。
 最近はどうも紀行作家というようなものは流行らなくて、むしろインスタグラマーのほうが流行っているらしい。旅に出ていい感じの写真を撮ってアップすることで多くのフォロワーを集め、そうするとスポンサーがついてお金になるのである。実にうらやましいが、ただそうすると懸念されるのは、スポンサーに都合の悪いことは言えないというジレンマが生まれることだ。そこは大人だからまだ我慢するにしても、自分が書きたいものとスポンサーが見せたいものが大きく食い違っていては話にならない。
 以前、ある航空会社の機内誌に寄稿する機会があり、ジェットコースター乗り倒しの旅という記事を提案したら、即座に却下された。ものすごい角度で急降下! とか、落下最高! とか書かれては困るとのことであった。なるほど、それもそうである。
 まあ、どっちにしても、かわいい女性ならともかく、しょぼくれたおっさんが旅する姿などアップしたところでフォロワーは増えないだろう。スポンサー以前の問題である。そんなわけでインスタグラマーはあきらめ、話は紀行作家に戻る。
 長く自分の好きなものばかり追いかけて、自由なテーマで旅を書いてきた。
 ジェットコースター乗り倒しの旅も独自にやり、それ以外にも、いい感じの石ころをひたすら拾いに行く旅や、ベトナムのふしぎな盆栽を探して歩く旅、さらにシュノーケリングでそこらじゅうの海に浮かぶ旅だの、日本全国の巨大な仏像を見て回る旅だの、増築を繰り返して迷路のようになった温泉旅館へ迷子になりに行くとか、水族館の奥のほうにある無脊椎動物の水槽だけを見て回るなんていうこともやった。自分が本当に見たいものだけを見、本当に行きたい面白そうな場所だけ行ったわけだが、そうこうしているうちに、ずっと気にかかっていたけれど、そのテーマで一冊書けるほどではない場所がいくつか溜まってきて、それについてもなんとか行って書いてみたいと思うようになった。それで考えたのが、そんな場所にぷらぷら行ってみる気楽な旅企画である。
 思えば今は散歩ブームで、なかでも、都市化に取り残された路地裏とか、昭和レトロな雰囲気を残す町、隠れ家のようなカフェ、のどかな自然の残る郊外など、おだやかでノスタルジックな散歩に人気があるようだ。
 わたしも散歩は大好きだが、ただ、あまりおだやか過ぎる散歩では刺激が足りない。根が貧乏性であるせいか、昭和レトロな喫茶店なんかを訪ねても興奮しないのである。そこは自分の世界の側だからかもしれない。そういう散歩も見方を変えれば楽しくなるとは思うが、そこはむしろ刺激に疲れたときにとっておきたい。
 今はもっとびっくりする場所やものを見にいきたい気分だ。見たことのないもの、奇想天外なものに出会いたい。そんな思いで行き先を厳選した。
 とりあげたのは、町の下にひっそり存在する地底湖や、隠れキリシタンの秘密の神像、源流から河口まで1時間半で歩ける原初の川、ジェットコースターのようなモノレール、稀代の天才彫師の寺社彫刻、火山の噴火口を探検したゴンドラなど、わたしの普段の日常生活ではあまり出会うことのないタイプの場所だ。関西で生まれ育ったわたしにとって、関東は平野ばかり広くて単調な場所というイメージがあったが、こうして歩いてみると思っていた以上の変化に出会え、楽しかった。探せばまだまだスペクタクルな何かがありそうである。
 タイトルを「スペクタクルさんぽ」としたのは、文字通り見応えを重視したということである。あと「東京近郊」と頭についているのは純粋に予算の都合である。

(みやた・たまき エッセイスト)
波 2018年5月号より
単行本刊行時掲載

イベント/書店情報

GoPro動画 Vol.1素掘りトンネル編 ダイジェスト版

スペクタクルスポットMAP

本書に出てくるスペクタクルなさんぽスポットをまとめました。
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