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失敗を恐れてはいけない。失敗にこそ成功の芽は潜んでいる。働く若い人へ!

一勝九敗

柳井正/著

1,058円(税込)

本の仕様

発売日:2003/11/18

読み仮名 イッショウキュウハイ
発行形態 書籍
判型 四六判変型
頁数 238ページ
ISBN 978-4-10-464201-4
C-CODE 0034
ジャンル ビジネス人物伝
定価 1,058円

豪胆な父をもつ内気な一人息子・柳井正が、家業の紳士服店を継ぎ、カジュアルウエアのトップ企業へと育て上げるには、数え切れぬ失敗の歴史があった。海外で高品質の衣料を製造する秘訣、広告代理店任せにしない宣伝戦略、透明性の高い人事。業績低迷や海外進出の失敗にも率直に触れながら、独自の手法を惜しみなく公開する。

著者プロフィール

柳井正 ヤナイ・タダシ

1949(昭和24)年、山口県宇部市生れ。(株)ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長。早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。ジャスコを経て、1972年、父親の経営する小郡商事に入社。1984年、カジュアルウェアの小売店「ユニクロ」の第1号店を広島市に出店し、同年社長に就任。1991(平成3)年に社名をファーストリテイリングに変更。1994年広島証券取引所に上場し、1997年東証第2部に上場。1999年2月には東証第1部に上場。2002年11月に一旦は代表取締役会長となるも、2005年9月、再び社長に復帰した。

インタビュー/対談/エッセイ

波 2003年12月号より 【インタビュー】失敗を恐れてはいけない  柳井正『一勝九敗』

柳井正

 僕はいま五十四歳です。まだまだやることがいっぱいあるんで、経営者として本を書いているヒマなんかないと思っていました。だいたい企業の経営者の回想録なんて現役を引退した人間が書くものじゃないですか。ところが今年になって考えが変わってきた。それはやっぱりファーストリテイリングが大きくなってきたからなんです。
会社というものは本来は実体がないものです。そこを誤解している人が多い。いったん就職してしまえば、あとは自分の生活が、あるいは自分の人生が、すべて会社に委ねられて一体化したように錯覚してしまうんですね。会社という安定した場所がそこにあるおかげで、自分の生活が成り立っていると考える。「いい会社に就職できてよかったね」なんて、親も本人も喜んだりするわけです。仕事が終わったら早く家に帰ればいいのに、ずるずると効率悪く深夜まで残業するのも、会社を家か何かと錯覚しているからじゃないですか?
僕はこう考えるんです。要するに、ひとつのビジネスチャンスがあるからこそ、そこにヒト、モノ、カネが集まってくる。それが組織化されて動き出すのが会社です。しかし世の中は刻々と変化する。CDプレーヤーが一般化すれば、従来のレコードプレーヤーだけを製造し続けるわけにはいきません。昨日までのビジネスチャンスが今日消滅することがあるのは当然のことです。ビジネスチャンスが消滅すれば会社だって無くなるかもしれない。
鴨長明の『方丈記』に「ゆく川の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」というのがあるでしょう。会社もまさに同じです。川の流れをピンや釘で止めるわけにはいかないように、会社は常に流動的なものです。安定的な会社なんて幻想にすぎない。
近所のユニクロが閉店したのを見て、「ユニクロももう駄目なんじゃないの?」と思われるケースが多いんですね(笑)。不採算店というのはどうしても出てくることがあります。それをそのままにしておいたらどうなるか。店がそこにあるから存続させようというのは問題を先送りしているだけで、傷を深くするだけです。失敗したら失敗に早めに気づいて手を打たなければならない。その当たり前のことをしているだけなんですけどね。
この十年の日本の失敗は、そういう場合でも手を打たずに黙って見過ごしてきたことが大きかったのではないでしょうか。
失敗は必ずあります。「私は失敗したことなんかない。成功の連続だ」なんて言う経営者がいたら、怪しいと思ったほうがいい。『一勝九敗』という本のタイトルは、経営というものはそもそもそれぐらいの確率でしか成功しないものだという僕の実感を表したものなんです。どうも世の中のイメージは、ユニクロはフリースで大成功して、その後は業績不振という「一勝一敗」みたいなとらえ方をされているようですけど、とんでもない。もっといっぱい失敗してます(笑)。どんな失敗をしてきたかはすべてありのままに本に書きましたからここでは繰り返しませんが。
しかし、失敗はしていいんです。致命的な失敗でなければ。それどころか失敗に早く気づいて修正し、何度でも挑戦することが次の成功につながる秘訣です。だから失敗を恐れてはいけない。失敗のなかにこそ次の成功の芽があるんです。ところが、会社を何か「安定的なもの」のように考えてしまうと、失敗を避け、危ないことをしないほうがいいという発想が生まれてくる。それは川の流れをせき止めて澱みを作るだけで、新しいものは何も生み出せないでしょう。澱んだ水は腐るだけです。
会社の規模が大きくなってくると、いろんな人が入ってくる。十年前だったら考えられなかったことですが、大企業で働いていた人が続々と転職してきた。大企業だと上がつかえているけど、ユニクロなら風通しが良さそうだ、と(笑)。その意欲は大変結構なんですが、人はほんの数年その会社にいただけで、所属していた会社の旧来のやり方や考え方が身についてしまうんです。それでは困る。会社は流動的であっても、理念はしっかりと持っていなければいけないし、それは社員で共有すべきものなんです。
極めて常識的な理念でも、日本では理解されないところがある。常識だと思っても、はっきり言葉にしておかないと会社のあり方がおかしくなりかねない。本を書くことにしたのは、社員や役員とそのことを確認しておきたいというのが発端でした。
もちろん、これから働こうという、未来もあり意欲もあり柔軟性もある、そんな若い人たちにもぜひ読んでもらいたいです。会社員でなくとも、失敗して行き詰まり、思い悩んでいる方が、その壁を打破するきっかけになれば、さらにうれしいですね。

(やない・ただし 株式会社ファーストリテイリングCEO)

判型違い(文庫)

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