▼Hachikai Mimi 蜂飼耳
カナダの街や田舎町を舞台として描かれるのは、たとえば、実家を棄てたい娘の葛藤、夫の遺書に愕然とする妻、ただ一度の情事、痴呆症の妻に嫉妬する夫。アリス・マンローの短篇は、心理の揺らぎに光をあて、生きることの内と外に在るたいせつなものを汲み上げる。答えを急いではならない、なぜなら、いま目の前で起きている出来事のほんとうの意味は、その場で明かされることはないのだからと、物語の底で静かに語る。鋭くもあたたかい目線に貫かれた文章は、心の深部をさらりと撫でて、伝える。毎日のあらゆる瞬間が特別だ、と。
▼Michiko Kakutani ミチコ・カクタニ[ニューヨークタイムズ]
マンローは、チェーホフのように、私たちの知る人々と同様、欠点や感情をもったリアルな登場人物をつくりだす。マンローの物語には、家族アルバムのような親しみが、現実の生活の有機的な手触りがある。
▼Mona Simpson モナ・シンプソン[アトランティック・マンスリー]
マンローは、百年後にも読まれている可能性がもっとも高い現役作家である。
▼Yale Review of Books イェール・レビュー・オブ・ブックス
マンローの文章は人生のもっとも本質的な様相を映しだす――その不整合や皮肉、たえまない変化とないまぜの果てしない反復を。
▼New York Times ニューヨークタイムズ
オコーナーやウェルティに匹敵する機知にとんだ文章、その強靭さがすばらしい。