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入試で求められる正答力とは何か? 実践的読解法も、きっちり伝授!

秘伝 大学受験の国語力

石原千秋/著

1,296円(税込)

本の仕様

発売日:2007/07/25

読み仮名 ヒデンダイガクジュケンノコクゴリョク
シリーズ名 新潮選書
発行形態 書籍
判型 四六判変型
頁数 255ページ
ISBN 978-4-10-603587-6
C-CODE 0337
ジャンル 教育学、高校教科書・参考書
定価 1,296円

近代教養主義の時代から大衆教育社会へ、入試問題は歴史とともに変容してきた。まさに、「受験国語」は時代を映す鏡なのだ。では、現代の特徴は何か? センター試験、東大、早大などの問題を徹底的に分析し、選択肢問題と記述式問題、評論問題と小説問題、それぞれの解き方の筋道を具体的に示しながら、受験国語のカラクリを解き明かす。

著者プロフィール

石原千秋 イシハラ・チアキ

1955年生まれ。成城大学大学院文学研究科国文学専攻博士課程中退。東横学園女子短期大学助教授、成城大学文芸学部教授を経て、2017年5月現在、早稲田大学教育・総合科学学術院教授。日本近代文学専攻。現代思想を武器に文学テキストを分析、時代状況ともリンクさせた“読み”を提出し注目される。著書に『秘伝 中学入試国語読解法』『学生と読む『三四郎』』『秘伝 大学受験の国語力』『漱石はどう読まれてきたか』(以上、新潮選書)、『近代という教養――文学が背負った課題』(筑摩選書)、『読者はどこにいるのか――書物の中の私たち』(河出ブックス)、『なぜ『三四郎』は悲恋に終わるのか――「誤配」で読み解く近代文学』(集英社新書)、『反転する漱石 増補新版』(青土社)、『漱石入門』(河出文庫)、『教養としての大学受験国語』(ちくま新書)などがある。編書に『生れて来た以上は、生きねばならぬ――漱石珠玉の言葉』(新潮文庫)など。

書評

波 2007年8月号より 著者ならではの攻略法  石原千秋『秘伝 大学受験の国語力』

竹内洋

 娘が大学受験勉強をしていた一九九〇年代半ばのころ、不思議におもったことがある。
 娘は「現代文」の参考書や問題集をそろえて勉強していた。これを不思議というのは、一九六〇年前後に大学受験生だったわたしの世代では、国語の受験勉強は古文と漢文少々で、現代文などは常識で臨めばよいとおもっていたからである。
 そんなふうに、現代国語に対して高を括っていたのはどうしてなのだろうか。
 本書の第二章を読んで、ささった小骨のような疑問が氷解された。一九六〇年前後の大学受験国語(現代文)はいまの中学入試国語の、しかも易しいほうの代物だったらしい。本書で当時の入試問題の実例を読むと、なるほど、楽々問題と腑に落ちる。
 そういえば、わたしが受験したときの東大入試(現代文)には女優の高峰秀子のエッセイが出題されていた。喪服の女は美しいというが、実のところ黒ほど着こなすのに難しいものはない、だから、黒が似合う女性こそセンスがあり、真の美人だというような趣旨だったかとおもう。
 誰にでもわかるエッセイで、常識が通用したのである。
 それどころか、当時、高峰秀子は黒の似合う女優といわれていたから、自慢が入っているのではないかしらとおもったりしたものである。試験中にそんな余計なことにおもいをめぐらしたりしたせいか、不合格になってしまったけれど。
 著者はいう。こんな試験を受けた「いま六十歳くらいから上の世代の人が大学受験について発言するなら、少なくともいまの問題を見てからにしてほしい」。うーん、耳が痛い。
 また一九五五年の立教大学経済学部の問題は、漱石や谷崎潤一郎など一〇の小説の冒頭部分を書き出し、作者と作品名を答えさせるものだった。文学的教養をためす試験ともいえるが、本当のところは出題者が労を省いた出題だったはず。出題者の手抜き時代でもあった。
 本書はいまの大学受験国語問題の傾向と対策に多くのスペースを割いて、著者ならではの攻略法が実例に則して書かれているから、主たる読者は受験生や国語教師であろう。しかし、わたしのようなかの昔の受験生も存分に楽しめるのである。

目次

はじめに
第一章 大学受験国語は時代を映す
第二章 近代の大学受験国語――教養主義の時代
第三章 大学入試センターが求める国語力
第四章 私立大学受験国語は二項対立整理能力
第五章 国立大学受験国語は文脈要約能力
あとがき

担当編集者のひとこと

秘伝 大学受験の国語力

入試で求められる正答力とは何か! 実践的読解法を伝授します。 担当編集者のつぶやき――あの当時、この本があったなら……。
 勉強のしかたに決まりはありませんが、受験勉強だけは効率よくやりたい。時間を無駄にしたくない!
 この本では、2005年の大学入試センター試験、2006年の東京大学や大阪大学などの国立大学、2005年の早稲田大学や2006年の関西大学などの私立大学で出題された問題を徹底的に分析し、それぞれの解き方の筋道を具体的に示します。
 本来、文学にはいろいろな読み方があっていいはずなのですが、入試では、「正解」はひとつ。つまり、読み方がひとつに決められてしまいます。合格するには、それがどういう原理で決められているのかを、技術として習得してしまうのが近道です。
 評論問題、小説問題を読解するそれぞれのポイントは何か。選択肢問題や記述式問題で試される能力とは何か――石原先生が、きっちりと解き明かしてくれます。
 ところで、この本には読みどころがもうひとつ。明治時代以来の大学受験国語の歴史を辿ると、あることがはっきりと浮かびあがってきます。近代教養主義の時代から大衆教育社会へ、という時代の変容に歩をあわせるように入試問題も変化している。そう、「受験国語」は時代を映し出す鏡なのです。
 受験生はもちろん、受験生の親御さん、そして国語教育に携わる皆さん、必読です。

2016/04/27

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