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マックス・ヴェーバー物語―二十世紀を見抜いた男―

長部日出雄/著

1,760円(税込)

発売日:2008/05/23

  • 書籍

今こそ、読むべし! 百年以上も前、彼は資本主義の行く末を予見していた。

厳しい学究生活を経て、ヴェーバーは『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を著した。経済と文化が発展した末に「精神のない専門人、心情のない享楽人」が跋扈する。二十世紀とは何だったのか? 今日の混迷する世界の難問を解く鍵は? ドイツの偉大な哲人の生涯を丹念に辿り、その壮大な思想を読み解く評伝。選書版で登場。

目次

強力なる官僚と無力なる議会
日本の仏教を洞察した西欧の眼
ハイデルベルクの決闘学生
シュトラスブルクの新兵訓練
ビスマルクへの疑問
「プロイセン」と日本の運命
明治憲法とドイツ憲法学
ゲッティンゲンの猛勉強
司法書記官試補の悪戦苦闘
上級官吏試補の愛と苦悩
新進教授の夜明け前
教授就任講演の大反響
学問と政治の迫間で
オイディプスの悲劇
深まる地獄の季節
「修道院」に見た資本主義の原型
研ぎ澄まされる「方法論」の刃
二十一世紀の進路を示す傑作
M・ヴェーバー アメリカを行く
資本主義という「運命」
あとがき
文庫版あとがき
「新潮選書」あとがき

書誌情報

読み仮名 マックスヴェーバーモノガタリニジッセイキヲミヌイタオトコ
シリーズ名 新潮選書
発行形態 書籍
判型 四六判変型
頁数 448ページ
ISBN 978-4-10-603608-8
C-CODE 0323
ジャンル 文学賞受賞作家、ノンフィクション、経済学・経済事情
定価 1,760円

担当編集者のひとこと

今こそ、マックス・ヴェーバーを読むべし!

「本書が学生時代にあったら……」私はまずそう思いました。著者はヴェーバーの勉強をしたいと思って大学進学をしたそうです。私も学生時代(うん十年前)にヴェーバーは擦(かす)っていて、「精神のない専門人、心情のない享楽人」というフレーズや、官僚制が問題を引き起こすこと等は頭の隅に残っていました。
 ヴェーバーは百年以上も前に、資本主義の行く末を、そして社会主義の運命をも予見していました。このヴェーバーの思想の中に、今日の混迷する世界の難問を解く鍵があるのではないか……と著者は考えています。本書は、ヴェーバーがなぜ二十世紀を鋭く見抜くことができたのかを知るために、彼の生涯を、彼の両親の育った家庭まで遡って丹念に辿った評伝大作、ヴェーバーを身近に感じさせる本です。
 その生い立ちと厳しい学究生活の結果、あの名著『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』が誕生したと知っていたら、学生時代にヴェーバーの著作をもっとしっかり読んでみることになり、もしかすると、私の人生は違っていたかもしれません。

2016/04/27

著者プロフィール

長部日出雄

オサベ・ヒデオ

1934(昭和9)年、青森県生れ。新聞社勤務を経て、TV番組の構成、ルポルタージュ、映画評論の執筆等に携わる。1973年『津軽世去れ節』『津軽じょんから節』で直木賞、1980年『鬼が来た 棟方志功伝』で芸術選奨、1987年『見知らぬ戦場』で新田次郎文学賞を受賞。おもな著書に『密使 支倉常長』、太宰治を描いた『辻音楽師の唄』『桜桃とキリスト』、『反時代的教養主義のすすめ』などがある。

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