ダンチノジダイ
団地の時代


原武史 重松清

今なぜ、団地が新しいのか?

高度成長期に先進的な住まいとして憧れの的だった「団地」。その輝かしい歴史と老朽化した現在、ニュータウンやマンションとの比較、団地文化が花開いた西武沿線と一戸建て中心の東急沿線……さまざまな対照から浮かび上がるのは、戦後日本の姿と、少子化・高齢化社会の未来だった。同世代の政治学者と作家が語る、自分史的日本論。

発行形態 : 書籍
シリーズ : 新潮選書
判型 : 四六判変型
頁数 : 263ページ
ISBN : 978-4-10-603657-6
C-CODE : 0395
ジャンル : 社会・政治・法律
社会思想・社会学
発売日 : 2010/05/25

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原武史
ハラ・タケシ

1962(昭和37)年、東京都生れ。早稲田大学政治経済学部卒業。国立国会図書館、日本経済新聞社勤務を経て東京大学大学院博士課程中退。現在、明治学院大学教授、専攻は日本政治思想史。著書に『昭和天皇』(司馬遼太郎賞受賞)『滝山コミューン一九七四』(講談社ノンフィクション賞受賞)『「民都」大阪対「帝都」東京』(サントリー学芸賞受賞)『大正天皇』(毎日出版文化賞受賞)『鉄道ひとつばなし』『皇居前広場』『〈出雲〉という思想』『可視化された帝国』『松本清張の「遺言」』『沿線風景』などがある。



重松清
シゲマツ・キヨシ

1963(昭和38)年、岡山県生れ。出版社勤務を経て執筆活動に入る。1991(平成3)年『ビフォア・ラン』でデビュー。1999年『ナイフ』で坪田譲治文学賞を、『エイジ』で山本周五郎賞を受賞。2001年『ビタミンF』で直木賞、また2010年には『十字架』で吉川英治文学賞を受賞する。現代の家族を描くことを大きなテーマとし、話題作を次々に発表している。著書は他に、『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『きみの友だち』『カシオペアの丘で』『青い鳥』『くちぶえ番長』『せんせい。』『とんび』『希望ヶ丘の人びと』『ステップ』『かあちゃん』『再会』『きみ去りしのち』『あすなろ三三七拍子』など多数。

まえがき 重松清
対話のまえに 重松清はなぜ『滝山コミューン一九七四』に嫉妬したのか
〈みんな〉対〈私〉の物語/学校という空間が持つ同調圧力/ふるさとをお金で買ったニュータウン/「角栄の時代」は均質化の時代だった/「民主主義イコール多数決」ではないはず/柊の壁をぶっ壊す
対話I 東京の団地っ子と「非・東京」の社宅の子
交通がハイカラだった名古屋/「人車分離」とマイカーの問題/「バスで通う」ということ/「定期券」という制度が隠蔽するもの/列島改造で盛り上がった山陰の街/「東久留米音頭」は郷土意識を高めたか/山陽新幹線とSL「やまぐち号」/万博とテトラパックと学習雑誌/ひばりが丘団地と、西武の黄金時代/多摩ニュータウンは「団地の進化形」だった/コンクリートは善か悪か/団地はおじいちゃん、おばあちゃんのいない街/西武の弱点と、東急のイメージ戦略/東京が膨張したのは戦後のこと
対話II 団地の西武、一戸建ての東急
団地には誰が住んでいたのか/最初は賃貸から始まった/日本の団地はなぜソ連型なのか/永住志向の団地もあった/西武線と早大生/ロードサイドか線路サイドか/「中央線愛」は存在するか/「鉄ちゃん」をひた隠した大学時代/「丘」のつく街/水を恐れるDNA
対話III 左翼と団地妻
社会主義の影響は?/団地と米軍基地/西武線と「赤旗まつり」/団地妻はなぜ浮気をするのか/自治会ができる団地、できない団地/団地は社会主義、ニュータウンは資本主義/多摩ニュータウンはなぜ劣化したか/流行に背を向けて発展した多摩田園都市/団地の夫婦はどこでセックスをしたのか/共産党もいれば、創価学会もいる/団地にはSFがよく似合う/見たくない、聞きたくない、入られたくない/滝山団地の幸せな年老い方
対話IV 団地と西武が甦る時
延命する団地と崩壊する団地/団地は「共同住宅」か/「団地の闘争」をどう伝えるか/自治会はいつできたのか/共同性が否定される時/多摩ニュータウンを甦らせる方法/孤独死をどうやって見つけるか/常盤平団地の外国人/団地のピークはいつだったのか/住まいの将来を見通せない国/人が歩ける街には活気がある/共同浴場のある団地っていいな/団地は風景をシェアできる/これからは西武線が盛り返す
あとがき 原武史
年表・団地の時代

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