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最適な人材を、どう選べばいいのか? 全企業の人事担当者、必読!

採用学

服部泰宏/著

1,404円(税込)

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発売日:2016/05/27

読み仮名 サイヨウガク
シリーズ名 新潮選書
発行形態 書籍、電子書籍
判型 四六判変型
頁数 260ページ
ISBN 978-4-10-603788-7
C-CODE 0334
ジャンル 社会学
定価 1,404円
電子書籍 価格 1,123円
電子書籍 配信開始日 2016/11/11

主観や慣習を排した視点に立てば最適な人材を確保でき、企業イメージのアップにもつながる。コミュニケーション能力は重視するな。人は見た目じゃない。“お祈りメール”は送らない――。面接の常識を疑い、採用と育成のつながりを重視すると、まったく新しい地平が見えてくる。「採用」を科学的な手法で再考した新しい学問の誕生!

著者プロフィール

服部泰宏 ハットリ・ヤスヒロ

1980年、神奈川県生まれ。横浜国立大学大学院国際社会科学研究院准教授。神戸大学大学院経営学研究科博士課程後期課程修了後、滋賀大学経済学部専任講師、准教授を経て、現在にいたる。日本企業の組織と個人の関わりあいや、経営学的な知識の普及の研究等に従事。2013年以降は特に「採用学」の確立に向けた研究・活動に力をそそぐ。主な著書に『日本企業の心理的契約――組織と従業員の見えざる約束』(白桃書房)がある。2010年に第26回組織学会高宮賞、2014年に人材育成学会論文賞を受賞。

目次

まえがき
序章 「マネーボール」で起きたこと
弱者が強者を食った/資金を持つ者が制す世界/チームへの貢献とは?/優秀さは創り出せる/採用を科学的に考えよう
第1章 「良い採用」とは何か?
なぜ新人が必要なのか?/良い採用、悪い採用/採用活動の流れ
コラム1 「母集団」の正しい意味
第2章 ガラパゴス化している日本の採用
東大40円、慶應28円/大学は出たけれど/『リクルートブック』の衝撃/ESとウェブ時代/大規模候補者群仮説/曖昧な評価基準/候補者獲得競争のヒートアップ/受け答えが良すぎる
コラム2 就職情報サイトは罪か?
第3章 なぜ、あの会社には良い人が集まるのか
科学的手法を用いるとは?/入社後のリアリティ・ショック/ホントの情報を与える/現実路線の採用が効かない場合/募集情報を熟読しない/引き止めるために必要なこと/内定受諾直前の心理
コラム3 入り口の多様化は何をもたらすか?
コラム4 魅力的な「口づて」採用
第4章 優秀なのは誰だ?
「優秀さ」を分解してみる/選抜時の四つのポイント/人の何を見ればいいのか?/変わる資質、変わらない資質/入社後の育成機会はあるか?/何を「見ない」かが重要/選抜とは推測である/選抜手法に関するその他の基準/最終決定に潜む落とし穴/募集と選抜はワンセット
コラム5 面接に紛れ込むバイアス
第5章 変わりつつある採用方法
2016年卒採用はどうだったか?/ここが違った/採用フローはほぼ踏襲/こんな採用が行われている/傾向を分析してみると/ユニークな採用4例
第6章 採用をどう変えればいいのか
採用力の正体/採用リソースの豊富さ/採用デザイン力とは/「新しさ」はやがて当たり前になる/WHYよりもHOW/事実に基づく経営とは何か/「知っている」「わかっている」つもり/「採用」と「育成」の連動/採用プロフェッショナルを/「優秀さ」を創り出す
あとがき
参考文献

インタビュー/対談/エッセイ

[服部泰宏『採用学』著者インタビュー] 
うちの会社にとっての優秀さとは何か?

服部泰宏

――本書の特徴をまずお聞かせください。
 面接の仕方や「こうした人材を採れ」みたいな、いわゆる採用のノウハウ本はいくつかありますが、採用を科学的な視点から捉えたのは初めてだと思います。
――科学的とは?
 個々の会社の実情に合った人材の採り方の理論書ですね。採用にノウハウ書というのはありえないんです。なぜなら、個々の企業にとって最適な人材は異なるはずだし、ほしい人材が違えば採用方式も異なってくる。採用が異なれば面接の仕方も変わってくるはずですから。
――実際にそうした新しい形の採用を取入れている企業は多いのですか?
 ここ10年でだいぶ様相が変わってきましたね。ことに、2016年卒から始まった経団連の就活指針(3月広報解禁、8月選考解禁)をきっかけとして変化してきました。景気が後退し、かつ企業のグローバル化を強いられたところに、採用時期が「後ろ倒し」になってドライブがかかった感じですね。
 今まで日本の採用は、科学的に考えなくても回って来ていたんです。多くの会社が、採用よりも「育成」の方に力を入れてきましたから。つまり、そこそこの学校を出た、無難な人材を採用して、時間をかけて「ウチの会社の色」に染めていくことを繰り返してきたわけです。
――それができなくなってきた?
 年功序列が崩れ、一生その会社に属するということが崩れ始めてきた影響もあります。つまり、のんびりと10年かけて育成する環境じゃなくなったわけです。そこそこの人間じゃなくて、自社にとって必要な能力を持つであろう人材がより強く求められるようになった。あるいはグローバル化によって、海外に出て、他国の人間とコミュニケーションし、あるいは闘える人材には今までとは異なる能力が必要で、無難な人材ではダメなわけです。これは、市場が縮小し競争が激化している国内でも同じことが言えます。
――今年の就職戦線の様子は?
 昨年ほどの混乱はなかったようです。採用の基本は、対前年、対他社なんです。去年の今頃何をしていたのか、去年はどんな学生が来たのか、同業他社の様子はどうなのかがベースなんです。ところが、去年の採用からスケジュールが後ろ倒しになり、前年踏襲・他社の様子見ができなかった。そこで、思い切って新しい採用に踏み切った企業が少なからずありました。あるいは、新しいアクションができず、呆然として(笑)、新しいことをせずに臨んだ大企業も。弱者(中小・ベンチャー企業)が強者(大企業)を喰った例はいくつも聞きました。2017年卒でいえば、2016年卒からさらに採用イノベーションを押し進めた企業は多かったですね。
――新しい採用の具体例を2、3上げてください。
 よく知られているところでは新潟の三幸製菓でしょう。採用だけでメディアにだいぶ取り上げられましたから。
 採用の入口を複数にしたことがユニークでした。通常はマイナビ、リクナビからエントリーして、「会社説明会→書類審査→筆記・面接」と進むわけです。が、この会社は、採用の入口を複数にした。「せんべいの好きな人」「新潟が好きな人」「スカイプ面接」「会場を自分で設定できる面接」などなど。ホテルのカフェテリアのように、自分に合った(好きな)スタイルでエントリーできる方式(カフェテリア方式)にしたんです。そうすることによって、多様な人材を見ようとしたわけです。採用が「優秀さ」を創っているとも言えます。その結果、国公立・有名私立大学卒の応募が増え、その名を全国に広めました。
――有名企業でも工夫しているところがありますよね。
 意外に思われるかもしれませんが、ヤフージャパンでは、デジタルな手法だけでなく、すごく人間臭い手段も使っています。面接の回数を決めてないんですね。求職者が納得いくまで面接をする。通常、面接は「現場→部課長クラス→役員」と進んで内定者を決定しますが、ここでは、最終的に採用担当者面接を経てそこで内定を出します。つまり役員面接でNGでも採用というケースがあるんです。なぜかといえば、「落としてはいけない人材をいかに救うか」に最大の注意を払っているからです。
――採用が社員を変え、社員が会社を変え、会社が変われば業績も変わるとも書いてあります。
 優秀な学生を採ろう、コミュニケーション力のある、主体性のある人材を採ろう、じゃいけないんです。もう一歩踏み込んで、「 会社にとって『優秀』とは何なのか?」「 社にとってのコミュニケーション力とは何か?」「 社にとって主体性とは何か?」と発想すべきなんです。A社にとっての優秀さは、B社にとっての優秀さとはちがうはずですから。そう考えれば、採用方法も独自に考えられるはずなんです。
――この本は、当然ながら採用に携わる人が手にするでしょうが、就活する学生も読むといいですね。「自分が本当に何をしたいか」考えるいいきっかけになるでしょうから。
 それと、経営者の方々ですね。採用を変革しているほとんどの企業では、経営者がそれを理解し、採用担当者にある程度の権限を与え、資金をかけているからです。「採用」最前線が今とても熱いことを感じとってほしいですね。

(はっとり・やすひろ 横浜国立大学大学院准教授)
波 2016年6月号より

担当編集者のひとこと

思わずエントリーしたくなるユニークな採用方法とは?

 私(担当編集者)が就活していた頃(まだそんな言葉もなかった)は、もちろんマイナビもリクナビもなくて、企業に履歴書を出して、書類選考→筆記試験→面接数回、というなんだか殺伐とした「競争」でしかなかった。何歩ゆずろうとも、就職活動は決して「楽しいイベント」ではなかった。
 ところがどうだろう、いま採用方法をイノベーションしている企業のHPを見ると、それはまったくもってエンターテインメントしている。新卒者じゃないけれど、エントリーしたくなってしまう。ゲーム感覚というか、自分を試してみたくなる。「オレは相当変わっていると自覚しているけど、ここだったら、そんなオレを理解してくれるかもしれない」と思わせてくれる。
 本書は、経営心理学を土台に、科学的に(前例や慣習、主観を排して)採用を研究したまったく新しい学問なのだが、最新の就活最前線の様子も事細かにレポート・分析している(第5章以降)。その中から、例えば以下の3つの企業のHPに飛んでみてほしい。

三幸製菓
[→ https://www.sanko-seika.co.jp/]
サイバーエージェント
[→ https://www.cyberagent.co.jp/]
ビースタイル
[→ http://www.bstylegroup.co.jp/recruit/]

 ――ね、楽しそうでしょ。ここの従業員と会ってみたいと思いませんか? ちなみに、三幸製菓は新潟にある菓子メーカーだが、「採用」を変えたことで、全国から応募が来るようになり、企業イメージが上がり、宣伝費をかけずに全国に知られるようになった。
 著者の服部先生によると、「ひとことで言うと、多様な人材が欲しければ、企業は様々な採用方法を考え、実施すべきなんです。1種類の入口しかなければ、どんなに多様な人材を採ろうと思っても限界があるんですよ」。
 ということで、採用がいかに大事かをよ~く知っている企業は、ユニークな採用を考え続けているのである。その背景は、「いい大学を出た、そこそこの人材」も大切なのだけれど、それだけじゃなくて、原野で生き残り一人で戦えるようなキャラクターも採っておかないと、新しい事業展開や、世界を舞台にしたグローバルな戦いに挑めないことを、企業はひしひしと感じているからだ。
 今年の選考開始は6月、内定が出るのは10月である(と公式にはなっている)。この本が出る頃は、まだまだ新しいスーツを身に着けた学生たちが汗をかきかき街を歩いている。拙文の冒頭で、「楽しいイベント」なんて言ってごめんなさいね。あなたのユニークさを欲しがっている、ユニークな会社がきっとあるので、うまく出会えるといいですね。

2016/05/27

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