ホーム > 書籍詳細:「ほんもの」のアンティーク家具

名品はいらない。自分だけの逸品を愉しむ。

「ほんもの」のアンティーク家具

塩見和彦/著

734円(税込)

本の仕様

発売日:2004/08/20

読み仮名 ホンモノノアンティークカグ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 207ページ
ISBN 978-4-10-610081-9
C-CODE 0272
整理番号 81
ジャンル アート・建築・デザイン、収集・コレクション、芸能・エンターテインメント
定価 734円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2012/06/29

「珍しい」「入手困難」アンティークショップのセールストークは、お客にとって殺し文句。だが、そんな客受けばかり狙った「レア物」など真っ平御免と、トラックでヨーロッパを駆けずり回り、独自の価値観に適った「ほんもの」の骨董家具を買い付ける──。名品はいらない。世間の評価などに惑わされることなく、自分だけの逸品を愉しみたい。アンユージュアルな西洋古道具屋店主による、型破りなアンティークのススメ。

著者プロフィール

塩見和彦 シオミ・カズヒコ

1960(昭和35)年、東京都生まれ。専修大学商学部卒。11年間勤めた東急ハンズを退社後、1995年八王子に「西洋古道具 ガスリーズ・ハウス」を開業。渡欧を重ね習得した、その伝統的な家具修復手法が注目されている。アンティーク、インテリア専門誌の監修も手掛ける。

目次

はじめに HALLO THERE
Part 1 アンティークなんて大したことない
ムク板崇拝の不思議 〔SOLID〕
年代なんてどうでもいい 〔CIRCA〕
オリジナルへの幻想 〔ORIGINAL〕
オークション裏事情 〔HISTORY〕
Part 2 アンティークの勘違い
稀少なマホガニーが氾濫する理由 〔MAHOGANY〕
オークって、いったい何の木? 〔OAK〕
一皮むけば、人気沸騰「オールドパイン」 〔PINE〕
カントリースタイルは質素じゃない 〔COUNTRY〕
日本人が大好き「ヴィクトリアンスタイル」の正体 〔VICTORIAN〕
Part 3 アンティークの目からウロコ
プラスネジとマイナスネジ、どっちがエライ? 〔SCREWS NAILS〕
ミリ規格で物作りはできない 〔INCH〕
ロッキングチェアのどこが良い? 〔SOFA ROCKER〕
西洋家具は隙間家具になれない 〔SIZE〕
生まれと育ちは別のもの 〔REGION〕
最新技術からアンティークは生まれない 〔POLISH〕
Part 4 アンティークを買いにいこう
古さに価値はない 〔VALUE〕
呼び名に表れるお国柄 〔TERMS〕
各店各様、値付けの意味 〔DISCOUNT〕
分不相応な逸品は手に入らない 〔CHOICE〕
レア物にだまされるな 〔UNUSUAL〕
あとがき
主要参考文献

インタビュー/対談/エッセイ

波 2004年9月号より キャベツと一緒!  塩見和彦『「ほんもの」のアンティーク家具』

塩見和彦

 高校時代の友人達に会いました。同窓会があったのです。ボクの母校は大学の付属校なので、ほぼ全員同じ大学に進学します。しかし、かなりの劣等生だったボクは早々にドロップアウトしてしまったので、卒業後二十五年間、全くの音信不通になっていました。
少し遅れて会場に入ると、見知らぬ男女でいっぱいです。場所を間違えたかと戸惑っていると、「塩見じゃないか!」「ほんとだ! 塩見だ」と声が掛かります。そうは言われても誰が誰だか全然判りませんし、突然現れたボクには話の糸口がありません。物珍しいのか離れた席からも次々と話しにやって来るのですが相手も同様なようで、皆一様に「今何やってるの?」と聞いてきます。八王子で古道具屋を自営し、西洋のアンティークを販売していることを伝えると、反応は驚くほどはっきりと二つのパターンに分かれました。
一つは「アンティークって高いんだろ」というもので、男性から多く寄せられました。もう一つは「いいなぁ、私もアンティーク大好き」というものです。だいたい三対七ぐらいの比率で後者が多数でした。中にはアンティークの話で盛り上がっている人達もいます。そんな様子を見ているうちに、気になって聞いてみました。
「どっか入ったことある店ってある?」
すると、どこからも具体的な返事が戻ってきません。どうも誰一人アンティークショップという所に足を踏み入れたことが無さそうなのです。見たことも触ったことも、もちろん手に入れたことも無い物を大好きなどと言っているのです。以前、近所の人に「アンティークって大学出が買うもんだろ」と言われた事を思い出しました。
総てが虚像。話されていることは、みなイメージ・トークなのです。テレビや雑誌で作り上げられた、高級そうで高価なという雰囲気が罷り通っているのです。実際にアンティークを購入された方も、虚像という幻にお金を支払っているのかもしれません。そういえば、同業者にはその幻を頼りに商いをしているふうの人も見かけます。
一口にアンティークと言ってもイロイロです。昔の王侯貴族が愛用したような美術工芸品から、一般庶民が日常の生活に使用した、どうってことない道具まであります。簡単に一つに括られるものでも、特別なものばかりでもありません。ただどれも時代を越えて生き残ってきた、何かしらの理由がある物達なのです。その理由が納得できる人には素敵なものに見えます。余計な偏見を持たずに接して欲しいのです。例えば家具を探すときには、アンティークショップにも入って比べてもらいたいと思います。
アンティーク家具を選ぶなんて、八百屋でキャベツを買うのと大差ないのです。

(しおみ・かずひこ 西洋古道具屋店主)

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