イケナミショウタロウゲキジョウ
池波正太郎劇場


重金敦之


人間というやつ、遊びながらはたらく生きものさ。池波作品の魅力を凝縮した一冊。

鬼平こと長谷川平蔵、老剣客・秋山小兵衛、そして仕掛人・藤枝梅安――。池波正太郎の作品が読者を惹きつけてやまないのは、登場人物のキャラクターとそれを描写する「ことば」に魅力があるからだろう。本書は、小説だけでなく、脚本やエッセイにも広がる多彩な「池波ワールド」を、作中の登場人物たちと、作家・池波を取り巻く実在の人々を手がかりに探索していく。「人間 池波正太郎」の生い立ちから、作品誕生の舞台裏まで描いた、池波正太郎読本の決定版。

発行形態 : 新潮新書
判型 : 新潮新書
頁数 : 233ページ
ISBN : 978-4-10-610163-2
C-CODE : 0295
整理番号 : 163
ジャンル : 文学
日本文学の研究
発売日 : 2006/04/20

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書評
書評/対談


756円(定価) [在庫なし]


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重金敦之
シゲカネ・アツユキ

1939年、東京生れ。慶応大学卒業。朝日新聞編集委員、常磐大学人間科学部教授(ジャーナリズム論)を経て、文芸ジャーナリスト。「週刊朝日」在籍中に池波正太郎の『食卓の情景』、『真田太平記』(共に新潮文庫)を担当、著書に『池波正太郎劇場』(新潮新書)、『小説仕事人・池波正太郎』(朝日新聞出版)がある。「食」の世界にも精通し、『食の名文家たち』(文藝春秋)、『すし屋の常識・非常識』(朝日新書)など多数。

はじめに
《1》家族と師、そして友人
・母 鈴
・父 富治郎
・妻 豊子
・小学校の恩師 立子山恒長
・刎頸の友 井上留吉
・桜花楼のせん子
・生涯の師 長谷川伸
・映画好きの「兄弟」 淀川長治
・小説と挿絵(1) 風間完
・小説と挿絵(2) 中一弥
・秋山小兵衛の風貌 中村又五郎
《2》闊達自在に動く登場人物
「鬼平犯科帳」
・火付盗賊改方長官「鬼の平蔵」こと長谷川平蔵宣以
・平蔵の妻 久栄
・色好みで食通の同心 木村忠吾
・「初恋の人」の下で働く密偵 おまさ
「剣客商売」
・短躯の老剣客 秋山小兵衛
・四十も歳下の幼な妻 おはる
・剣は強いが朴念仁 秋山大治郎
・ご飯の炊き方を知らない新妻 三冬
「仕掛人・藤枝梅安」
・仏の鍼師の裏の顔 藤枝梅安
・吹き矢が得意 彦次郎
・江戸を売った 小杉十五郎
・内ぶところを突いてこない女 おもん
《3》歴史の光と影を彩った人たち
・強運の人、徳川家康と真田家の血脈
・大石内蔵助と堀部安兵衛の奇縁
・徳川の残照に賭けた近藤勇と永倉新八
・薩摩の豪傑 西郷吉之助と中村半次郎
《4》食卓の演出家たち
・精妙の芸 吉川松次郎=松鮨
・実直な正調 今村英雄=いまむら
・ゆたかな東京人 茂出木心護=たいめいけん
・ステーキとクリーム・ソーダ 林愛一郎=元・清月堂
・本道を行く 小高登志=まつや
・気配りの応酬 川口仁志=元・山の上ホテル
《終章》二十一世紀への遺言
あとがき




怖い池波さん

 文芸編集者から見て、お付き合いする作家の方々のタイプを分別する言い方は幾つかあるが、そのひとつに「怖いか」「怖くないか」というのがある。池波正太郎さんは、「怖い」タイプの最右翼だった。ある編集者は池波邸に近づいたときに、電信柱にしがみついて泣いたというし、電話もしないで訪れた新人作家は玄関先で怒鳴られた。そういう怖い作家と付き合うのも、編集者の極意のうちで、元「週刊朝日」の記者であった重金敦之氏は、さすが「付き合いの達人」というべき手本を本書で示してくれている。

掲載:2006年4月25日
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