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安倍総理と小泉総理、中国で厚遇されたのはどっち? 「饗宴のテーブル」から読み解く国際政治。

ワインと外交

西川恵/著

756円(税込)

本の仕様

発売日:2007/02/19

読み仮名 ワイントガイコウ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 223ページ
ISBN 978-4-10-610204-2
C-CODE 0231
整理番号 204
ジャンル 政治、ワイン・お酒
定価 756円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2012/02/24

饗宴のテーブルは時に、表向きの言葉よりも雄弁に「本当の外交関係」を物語ることがある。ブッシュが食べたフレンチフライ、「海の幸だけ」が出された独仏首脳の会食、天皇主催の晩餐会で飲まれなかった高級ワイン、日韓首脳会談における盧武鉉の驚くべき発言……。真の政治的メッセージは、そうした饗宴の細部に宿るのだ。ワインとメニューから読み解く国際政治の現実。

著者プロフィール

西川恵 ニシカワ・メグミ

1947(昭和22)年長崎県生まれ。毎日新聞専門編集委員。東京外国語大学卒(中国語専攻)。1971年に毎日新聞社に入社、テヘラン支局、パリ支局、ローマ支局などを経て、1998年から2001年まで外信部長。著書に『エリゼ宮の食卓』『国際政治のキーワード』などがある。

目次

はじめに
第1章 ブッシュ大統領が食べた「フレンチフライ」
フレンチフライとカリフォルニアワイン/ポルトガル産ではなくフランス産/シャトー・ラフィット・ロートシルトとドン・ペリニョン/ワインに関するバッキンガム宮殿の慣例/記念式典で腕を振るったノルマンディーの名シェフ/席次に頭を悩ます国連の儀典担当者
第2章 飲まれなかったシャトー・マルゴー
大きな成果を生んできた「皇室外交」/タイ国王即位六〇周年記念式典/全員起立、乾杯なし/皇室とモロッコを結んだ一人の外交官/イラン大統領とプロトコール
第3章 オランダ女王のガッツポーズ
日蘭両国民の認識ギャップ/戦争被害者と対話した日本大使/それでも残ったデモの可能性/女王による歓迎晩餐会/劇的に好転したオランダ人の対日感情/紀宮さま、アイルランドを訪問
第4章 美食が支える欧州統合
ヨーロッパ拡大記念式典/アイルランドがシャトー・ランシュ・バージュを出したわけ/ベルギー流饗宴は配慮のかたまり/エリザベス女王にフランスが振る舞った最高のワイン/コール首相の驚くべき大食
第5章 「今日の夕食は軽めにします!」
韓国はフランス、日本はドイツ?/相互信頼で結ばれた小渕首相と金大中大統領/筆者にかかってきた“ブッチホン”/異例の厚遇を受けた金鍾泌首相/仏独関係を立て直したアルザスのレストラン/エリゼ条約四〇周年/小泉首相の韓国初訪問/済州島会談/盧武鉉大統領の耳を疑う発言/シラクとシュレーダー、最後の会食は「海の幸」だけ!
第6章 最も相手が難しい国、中国
プロトコールへの拘り/江沢民の英国訪問、「過剰警備」が問題に/シラクとブッシュは私邸で歓待/冷めてきた中国熱/もめにもめた米国訪問のプロトコール
第7章 ナマコのスープ、ツバメの巣のスープ
歓迎レベルは、安倍首相より小泉首相の方が上だった/結構いける中国産ワイン/小渕首相よりも豪華だった共産党・不破委員長の歓迎晩餐会/陳水扁総統が進めた「饗宴の台湾化」
第8章 ホワイトハウスの饗宴
クリントンからブッシュ、カジュアルからフォーマルへ/最初の国賓はメキシコ大統領/饗宴はすべて「テロとの戦い」のために/戦争への貢献度で、態度はくっきり/フィリピン系女性が新料理長に/小泉首相、最後の訪米
第9章 復活を告げるロシア
ロシアが主催した初のサミット/ファーストレディーたちの昼食会/小渕首相が食べたロシア料理/訪仏でプーチン大統領が受けた厚遇/一二九年ぶりの訪英/懐かしい顔も集ったエリツィンの誕生祝い
おわりに

担当編集者のひとこと

首相よりも「格上」だった日本の政治家

 この本には格別の思い入れがあります。三年前に新書編集部にやってきて最初に考えた企画の一つであるだけでなく、本の元になった「フォーサイト」の連載「饗宴外交の舞台裏」を企画したのも自分だったからです。98年2月の連載開始当初から「いつかは本にしたいものだ」と思っていましたが、それが実現したのは実に9年後になってしまいました。 著者の西川恵さんは、著書『エリゼ宮の食卓』でフランス大統領府の饗宴外交を描いたベテランの外交記者。今回の『ワインと外交』では、アジア、ヨーロッパ、アメリカ、ロシアと取材の対象を国際政治全体に広げ、テーマごとに各国首脳の饗宴外交をまとめています。
 外交上の儀典といえば、何だか堅苦しいものをイメージされるかも知れませんが、実は饗宴こそ政治の極致。メニューを子細に眺めていると、そこに込められた政治的メッセージが浮かび上がってきて、興味は尽きません。
 例えば、近年では安倍、小泉、小渕の各総理が中国を訪問していますが、実はこれら現役の首相を差し置いて、中国に最も厚遇された日本の政治家がいます。98年7月に訪中した共産党の不破委員長です。当時の胡錦濤副主席主催の歓迎晩餐会に出されたのは、デザートや果物まで含めて合計11品。イカの卵巣やフカひれなどの高級食材もふんだんに使われた豪華なメニューで、飲物も最高級のマオタイ酒です。ちなみに安倍総理の歓迎晩餐会に出されたのは8品で、飲物は中国製ワイン「長城」でした。
 こうした対応の差には中国の外交戦略が表現されているわけですが、なぜそうなったのかについては、本書を開いてご確認いただきたいと思います。

2007/02/23

蘊蓄倉庫

日本産ワインが出される日

 饗宴外交の場で出される飲物といえば、かつてはフランス産ワインがメインでしたが、各国が接待方法に知恵を絞るようになった近年では、饗宴の場に出される飲物も多様化しています。
 移民国家のアメリカでは、接待相手の国の出身者が造るアメリカ産ワインが、しばしばホワイトハウスのテーブルに上ります。紹興酒のイメージが強い中国も、実は世界第六位のワイン産出国で、首脳外交の場では自国産ワインを出しています。日本でも、自国産のワインが饗宴外交のテーブルを飾る日も、そう遠くはないはずです。
 ちなみに饗宴外交の本家本元フランスは、時々、これと全く逆の演出を施すことがあります。森首相がフランスを訪問した時、エリゼ宮でのシラク大統領との会食には、焼酎「森伊蔵」が出されたのです。

掲載:2007年2月23日

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