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日本の食欲、世界で第何位?

岡崎大五/著

770円(税込)

発売日:2010/02/17

  • 新書
  • 電子書籍あり

何のランキングでしょう?(毎日1人あたりの消費量)1位ラオス(456g)、2位ベトナム(454g)、9位マダガスカル(266g)、12位ギニア(251g)、19位韓国(206g)、29位日本(155g)……答えは本書44ページで。

ところ変わればソバにニンニク、自動販売機から揚げたてコロッケ――。八十三カ国を歩いた元旅行添乗員が日本人と外国人の食い意地、食べっぷりを、豊富な体験とランキングで徹底比較。日本の二倍エビ・カニを食べている国は? アメリカ人より牛肉好きな国民は? 日本人が海外で白いご飯を恋しがる理由や自給率のからくりも分かる、美味しくてキケンな「食べ歩き」に出発です!

目次
はじめに
第1章 ところ変われば、そばにニンニク
バターソースの一皿/パンとワインのないフランス/「夏は不味い」が覆る/そばの故郷では/日本大使館発の注意/インドネシアから鰹節
第2章 白いご飯が恋しくて
添乗員の「食料バッグ」/胃袋と相性のいい国/「こめかみ」の正体/米がアフリカ、中東へ/粘り好きは少数派/ラオスは一日6杯
第3章 主食で分断される国
ふたつの北京ダック/武器と麻薬の町/パシュトゥーン人の移動食/「食」パンと「フランス」パン/小麦は米の4倍すごい/「悪魔の食べ物」で人口倍増/コロッケ大国オランダ/ジャガイモ4000種/最もサツマイモを食べる国
第4章 世界で一番、卵が好きなのは?
愛されて172億羽/マックの倍の「肯徳基」/カリブ諸国のチキン熱/グランド・プリンセス号と災難/「5日目」を頼むベトナム人
第5章 世界の中心と本当の牛肉
夕焼けに映える「ウルル」/ヨーロッパ人の悲願/牛肉の最大輸入国は/みんなで盛り下がる酒/牛乳好きの共通点
第6章 ヴェジタリアンが羨む日本
スリランカのカレーパン/ヴェジかノンヴェジか?/菜食を説くアメリカ人/アメリカ大豆がなかったら/野菜を3倍食べる技
第7章 クジラの次はマグロが標的
紫色の「お墨付き」/日本人「板前」の成功譚/クジラだけは許せない/クロマグロ不買運動/漁師から買った「黒い宝石」
第8章 世界に広がる麺の道
中国人が食堂ですること/オリンピックと食事の旨さ/小麦とビーフンの関係/年間936億食の……/オリーブ油と出会って/「絶海の孤島」のパスタ
第9章 名産国は輸入大国
あの街道の名付け親/ヴルストランドの底力/毎日、豚を200グラム/ヒトと豚の競合/畜産大国デンマーク/ニアス島のタンパク源/エビ・ブームがアメリカへ
第10章 ハリスとペリーとハンバーガー
アメリカ大使がすぐそこに/「お吉物語」に思う/ハリス公使の食事/必死にエクササイズする人々/ディナー一式かお惣菜か/日米中の「冷凍」関係
第11章 サハラ砂漠の食卓
中高年部隊を乗せた4WD/緑が消えた後に/本当の貧困状態/インドで増える糖尿病/老人を囲む原風景/政府支出を比べると
第12章 故郷を追われたアルコール
バビロニアのビール/ビール純粋令の魅力/時代はピルスナービール/ラム酒勢の強さ/クローブの匂いの空港/ドリアン試食会/日本人の3倍甘い生活
おわりに
主要参考文献

書誌情報

読み仮名 ニホンノショクヨクセカイデダイナンイ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 208ページ
ISBN 978-4-10-610351-3
C-CODE 0225
整理番号 351
定価 770円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2011/11/25

蘊蓄倉庫

旅行添乗員の「食料バッグ」

 岡崎大五さんが海外専門の添乗員をしていたころ、あるバッグを持ち運んでいたそうです。それは醤油や味噌汁、お粥を入れた「食料バッグ」。慣れない旅に疲れ、日本食が食べたくなるツアー客のためのもので、旅行会社も1週間を超えるツアーでは1回は日本食レストラン(あるいは中華レストラン)で食事を取るようコース設定していたとか。この海外での「故郷の味恋しさ」、日本人に限らないそうです。最近ヨーロッパへの観光客が増えているアジアの国の人々も同様かそれ以上で、韓国人添乗員はキムチやコチュジャンを、タイ人添乗員はナムプラーや唐辛子入り酢を、インドネシア人添乗員は辛い醤油のような調味料を運んでいます。難しいのは、いつごろバッグを開いてお客さんに食べてもらうか、だそう。もしこの「ガス抜き」に失敗すると……本書の第2章には、白いご飯恋しさが募った初老の男性が怒り出してしまったエピソードがあります。
掲載:2010年2月25日

担当編集者のひとこと

世界で一番の卵好き

 テレビ番組の「美味しいラーメン特集」のクライマックス。湯気をあげる極上の一杯に、最後の仕上げが施されます。それは、卵。半分に割った煮玉子が添えられます。芸能人が通い詰めるお好み焼き屋特集なんかの最後にも、とろとろっとした半熟卵が登場。ああ美味しそう……。
 なぜこう熱くテレビ画面を見つめてしまうのか、不思議に思っていました。冷静になってみると、卵なんてスーパーに行けば手軽に買えるのです。季節限定でもないですし、一般的な10個パックのものから、殻が赤かったり、特別なエサを食べさせたりした「特別版」まで自由に選べ、いくら高くても1個千円するわけではありません。コンビニでも売っています。こんなに身近なものなのに、なぜ番組の盛り上げ役を立派に果たしているのか。卵かけご飯専用の醤油の発売が、なぜ大きな話題になるのか……。 その謎が、本書『日本の食欲、世界で第何位?』の原稿を読んでやっと分かりました。日本人の卵好きは、相当なものなのです。国連食糧農業機関(FAO)のデータで「卵をよく食べる人々」(1人1日あたり)を見ると、日本人全員が毎日小さめの卵を1個(52グラム)食べているという数字が出てきました。これは、堂々の世界第2位。考えてみると、家庭料理でも目玉焼きから茶碗蒸しまでバリエーションが豊富です。
 ただご存知のように、日本の食料事情については昨今喜んでばかりいられないニュースが伝えられています。その最たるものは日本の食料自給率41%という「危機説」でしょうが、実はこの卵で言うと、自給率はたった11%と出ています。ですが、スーパーで国産卵が買えないことはまずありません。実際に、流通しているうち96%が国産です。では、なぜこんな数字になっているのか? 続きはぜひ、本書第4章「世界で一番、卵が好きなのは?」でお確かめ下さい(卵好きの国ナンバーワンも合わせてどうぞ)。
 さて、準備はよろしいですか? ご一緒に、とっておきの「食欲の旅」へ出発です!

2010/02/25

著者プロフィール

岡崎大五

オカザキ・ダイゴ

1962(昭和37)年愛知県生まれ。文化学院中退。1994年から海外専門の旅行添乗員になり、これまで八十三カ国を歩く。著作に『添乗員騒動記』などの「添乗員シリーズ」、『意外体験! スイス』『日本は世界で第何位?』(新潮新書)『笑える! 世界の七癖エピソード集』ほか多数。

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