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女は男の指を見る

竹内久美子/著

836円(税込)

発売日:2010/04/16

  • 新書
  • 電子書籍あり

なぜその人を選ぶのか? 動物行動学で明かす〈色気・魅力・相性〉の正体――。

本書で明かす事実その1「初対面で、女は男の顔よりも指を見る」。その2「ハゲの男は病気に強い」。その3「自分と違う免疫の型の持ち主ほど、匂いがいい」。その4「ピルは女の勘を鈍らせる」。その5「浮気で得をするのは女である」……数々の実験や最新データをもとに動物行動学で読み解く、「色気」「魅力」「相性」の正体。「遺伝子の企み」がここまでだったとは! 次々常識が覆される高揚感あふれる一冊。

目次
はじめに
第1章 人類最大の発明と繁殖の掟
わからなくなった排卵/いつも膨らんでいるおっぱい!/最大で独特のペニス/「サクション・ピストン」仮説/人間を裏切る動物たち/「種の保存」の失墜/類人猿が交尾を利用する/DNA鑑定と浮気/繁殖の掟
第2章 女は男の指を見ている――Hox遺伝子の話
利己的な遺伝子/産むメスと産まないメス/指こそ「できる」印/同じ責任者の「作品」/ふくらはぎの推測/薬指が語るもの/結婚指輪の警告
第3章 ハゲの発するメッセージ――テストステロンの話
ハゲ人生……案外いいかも?/胃ガン、結核に強い/最も男らしい職業/五〇代で思春期の二分の一に/男らしさのダークサイド/あれ、あの人が!?
第4章 「選ばれし者」を測ってみると――シンメトリーの話
体が左右対称な男/メラーのツバメ実験/尾羽の長さとダニの関係/フェロモンを頼る/声のいい男を探せ/不思議な三すくみ
第5章 いい匂いは信じられる――HLAの話
血液型は免疫の型/匂いとHLA/ソーンヒルのTシャツ実験/ピルで「鼻」が鈍る?
第6章 浮気をするほど美しい――浮気と精子競争の話
不審な別行動/浮気で得するのはオスかメスか?/彼氏のいる女、いない女/寝取られ率ナンバーワンの鳥/女が浮気を利用する/「精子戦争」勃発!/夜這いとルール/宗教と戒律は何のため?
第7章 日本人はあえて「幼い」――ネオテニーの話
二つのFと幼さ/縄文人と渡来人の事情/日本男児、ここにあり/他人種、他民族への複雑な感情/自分とは何者なのか?
あとがきにかえて

書誌情報

読み仮名 オンナハオトコノユビヲミル
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 192ページ
ISBN 978-4-10-610358-2
C-CODE 0245
整理番号 358
ジャンル 生物・バイオテクノロジー
定価 836円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2011/10/28

インタビュー/対談/エッセイ

波 2010年5月号より 稼ぐ男は指が長い?

竹内久美子

ロンドンの金融街、シティーで働いている株のトレーダーの男性四四人の指が調べられた。トレーダーと言っても、高頻度トレーディングと呼ばれる分野の人々で、刻々と変化する株価に対し、とっさの判断で売るか、買うかを決め、差額で儲けようとするものだ。
そうしたところ、薬指が人差し指に対してどれだけ長いか(測定法としては人差し指の長さを薬指の長さで割った値がどれだけ低いか)で大きな差が出ることが分かった。この指比が低いグループ(平均で0.93)と高いグループ(平均で0.99)とでは、年収に約七八〇〇万円もの開きがあった。指比の値が低いほうがよく稼いでいる。
こんなことを言われたら、何で? どうして? の連続になるに違いない。なぜ指なのだ、指でお金儲けの能力がわかるなんて、新手の占い?
ところが、この指比なるものは既に十年以上も前から動物行動学の分野で注目され、最近では生理学や心理学の分野でも応用されているのだ。
指比というのは、特に男の場合には胎児期のテストステロン・レヴェル(テストステロンは男性ホルモンの代表格)と関係していて、そのレヴェルが高いと値が低くなるよう胎児の指はつくられる。成長して指が伸びても、比は変わらない。だから、ある男の指比を測れば、彼の胎児期のテストステロン・レヴェルの高さが推定できるというわけだ。
胎児期が問題になるのは、他でもない、まさにこのとき体の原形ができ、テストステロンは胎児の右脳を発達させるから。よって右脳が関係する、空間認識力や音楽の才能が関わる分野、あるいはテストステロンそのものが関係する分野では、指比の低い男が活躍しているに違いないと、プロスポーツ選手、プロのミュージシャンなどの指比が測られているのである。
高頻度トレーディングの分野でも、リスクを怖れない性質、とっさの判断がものをいい、集中力、素早い肉体的反応も重要で、スポーツに近いものがある。よって研究対象になったというわけだ。
さらには、実を言うと女は男の体のうち、ずばり指に一番注目していることが分かっている。顔でもスタイルでもなく、指だ。ただ、指比というよりは指全体のフォルムを観察し、あれこれ品定めをしているのだが……。
そのわけについては指と、その男の生殖能力とに密接な関係があるからと言うに留めておこう。
もっとも、自分で指比を測ってみてがっかりしたとしても、あまり気にする必要はない。これは本書で紹介する要素の一つにすぎないのだから。人間ならではの繁殖戦略から男のハゲ、女の浮気、三大人種の違い、日本人論、はたまた自分とは何者なのかという点にまで切り込んでいる。
私の著作の集大成であるとともに、最新の研究の紹介と、私なりの考えもあわせてお届けしようと試みた。一冊で何度もおいしさを感じていただけるはずだと思っている。

(たけうち・くみこ 動物行動学研究家)

蘊蓄倉庫

体臭と香水の関係

 女性は免疫の型が自分と離れている男性の体臭ほど、いい匂いと感じる――。スイス、ベルン大学の実験でこんなことが明らかになりました。詳しく言うと、免疫のシステムの中核を担っているHLA(ヒト白血球抗原)のバリエーションに差があればあるほど、いい匂いになるそうです。これは、女性が自分となるべく違う型の男性を選ぶことで、子の免疫のバリエーションを増やそうとしているから。とすると、男性が香水などをつけて「どこかで嗅いだ覚えのある匂い」になるのは、もったいないと言える場合もありそうです。
掲載:2010年4月23日

担当編集者のひとこと

「きれいな指ですね」

 こういう本が出るんです、と本書『女は男の指を見る』の内容を宣伝していたところ、男性から一様にこんな反応が返ってきました。タイトルにもなっている「初対面で、女性は男性の顔よりも指を見ている」事実を、ほぼ全員が知らないというのです。ですが、なぜ指なのかという説明をしているうちに、「そういえば、きれいな指ですねと言われる」と思い出したり、「昔から指だけは褒められる」と告白する人が出てきました。
 女性が男性の指に注目していることは、幾つものアンケートで明らかになっています。面白いのは、同じアンケートを男性にすると女性の「胸」「お尻」「足」という回答が順不同に出てきてまとまらないことです。
 科学者たちが大真面目に「男性の指」を研究したところ、大変な事実が明らかになりました。実はある指の長さと男性ホルモンの多さ、そして生殖能力は比例しているというのです。ただ、女性は一般にここまでのデータや実験まで知っているわけではありません。でも妙に指が気になる、セクシーだと感じてしまうという事実があります。
 原稿を読んで指の「秘密」を知ってしまった編集担当は、周囲の男性たちの話を聞いてちょっとドキドキしてしまいました。指の持ち主に「きれいな指ですね」なんて素直に言った女性は、かなり脈ありだったのでは……と思えるからです。

2010/04/23

著者プロフィール

竹内久美子

タケウチ・クミコ

1956(昭和31)年愛知県生まれ。動物行動学研究家。京都大学理学部、同大学院博士課程を経て著述業に。著書に『ワニはいかにして愛を語り合うか』(日高敏隆氏との共著)、『男と女の進化論』、『そんなバカな!』(講談社出版文化賞科学出版賞受賞)、『女は男の指を見る』等。

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