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鬼、天狗、見越し入道、豆腐小僧、水の精、コロボックル、キジムナー、アカマタ……妖怪たちの誕生の秘密!

もののけの正体―怪談はこうして生まれた―

原田実/著

778円(税込)

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発売日:2010/08/12

読み仮名 モノノケノショウタイカイダンハコウシテウマレタ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 222ページ
ISBN 978-4-10-610381-0
C-CODE 0239
整理番号 381
ジャンル 文化人類学・民俗学
定価 778円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2012/05/25

鬼に襲われた、天狗に出くわした、河童を目撃した……ほんの数十年前まで、多くの日本人が、妖怪や幽霊など「もののけ」の存在を信じ、体験や伝説を語り継いできた。もののけたちはどうやって生まれてきたのか。日本の怪談や奇談の数々から民俗学的な視点で、その起源の謎に迫る。日本古来の妖怪や魔物をはじめ、江戸時代の化物、琉球地方や蝦夷地のアイヌに伝わるもののけも多数紹介! 日本人の恐怖の源泉を解き明かす。

著者プロフィール

原田実 ハラダ・ミノル

1961(昭和36)年広島県生まれ。歴史研究家。龍谷大学文学部卒、広島大学研究生・昭和薬科大学助手を経て著述業。『トンデモ日本史の真相』『トンデモ偽史の世界』『日本化け物史講座』『「古事記」異端の神々』など著書多数。「と学会」会員。

目次

まえがき
第一章 もののけはどこから来たか?
1 鬼――鬼は今も生きている
2 天狗――天狗の鼻はなぜ高い?
3 河童――水神はどこから来たか?
第二章 もののけ江戸百鬼夜行
1 累――江戸のサイコホラー
2 小幡小平次――怪談のトップスター
3 玉藻前――アジアに広がる怪
4 化け猫――遊郭に出没する恨み猫
5 見越し入道――もののけの親玉
6 豆腐小僧――子どもが怖い
7 器物の怪――愛品が妖怪に化ける時
第三章 『百物語』のもののけたち
1 『絵本百物語』は妖怪図鑑
2 江戸時代の未確認動物
3 飛縁魔――女性差別ともののけ
4 山地乳――伝説の吸血コウモリ
5 二口女――日本の魔女
6 五位の光――幽霊を食った話
7 夜の楽屋――笑う生首
8 舞首――ゲーム感覚の妖怪
第四章 恐怖の琉球――南国のもののけ奇談
1 アカマタ――魔物の子を宿す
2 キジムナー――日本のエクソシスト
3 キンマモン――海からの来訪神
4 メリマツノカワラ――神女と異神
第五章 もののけ天国・蝦夷地――アイヌともののけ
1 コロボックル――妖精はどこにいる?
2 魔女ウエソヨマ――北国の天孫降臨
3 水の精ミンツチ――半人半獣の謎
終章 もののけと日本人――なぜ怪を求めるのか?
あとがき
主要参考文献一覧

担当編集者のひとこと

もののけが大好きな日本人

 幼い頃に「百物語」の話を聞いた人は多いと思います。
「百物語」では、夜、数人が一部屋に集まって、電気を消し、百本のローソクに火を灯し、一人ずつ怪談を話します。一話終わるごとにローソクを一本ずつ消していき、百話目の怪談が終わり、百本目のローソクを消すと……恐ろしい怪異が起きるとか、幽霊が出現するとか……まことしやかに噂されています。
 ほかにも「こっくりさん」とか「トイレの花子さん」のような話は今でも伝わっています。でも、これは現代に限ったことではありません。
 江戸時代に庶民の文化が爛熟してくると、妖怪や魔物の伝承は、錦絵や浮世絵や水墨画として起こされます。竹原春泉の『絵本百物語』、鳥山石燕の『画図百鬼夜行』などが有名です。怪談集としては、根岸鎮衛の『耳嚢』などが遺されています。もののけの絵も怪談も人気を博して、後世に伝えられています。
 怖いけど、見てみたい、聞いてみたい……と思う気持ちは、きっと今も昔も同じなのでしょう。
 本書では、歴史研究家の原田実氏が、妖怪や魔物にまつわる怪談の起源に、多くの怪談や奇談をもとに考現学的なアプローチで迫っています。
 鬼、天狗、河童、累、見越し入道、豆腐小僧、山地乳、二口女、寝肥(「薀蓄倉庫」参照)、舞首など日本の伝統的な妖怪から、琉球にまつわるキジムナー、メリマツノカワラや、アイヌに伝わるコロボックル、ウエソヨマなど、珍しい魔物の誕生についても、多くの怪談や奇談をもとに考証しています。妖怪や魔物の絵も数多く掲載しています。
 もののけが生まれた謎に迫る、恐ろしくも、知的な読み応えのある一冊にまとまっています。

2010/08/25

蘊蓄倉庫

太った美女は妖怪だった!?

 起きている時は容姿端麗の美女なのに、いったん寝るとその身体がお座敷一杯にふくらんで、大八車の車輪の音のような大きないびきをあげる……そんな女性の妖怪が本書に出てきます。
 名前は「寝肥」(ねぶとり)。
 着物をはだけて裸の上半身を見せ、まるで相撲取りのような巨大な体躯を横たえた、若い女性なのです(『絵本百物語』より)。
 でも、太った若い女性が、いびきがすごいことで妖怪になるのでしょうか?
 そういう女性は昔も今もいそうな気がします。
 原田実さんの考証によれば、「寝肥」にまつわる説は多数あるそうです。
「寝惚堕」という病気に罹り寝てばかりいて、家事もせずものぐさな女性。
 寝坊が多く、ふしだらな女性。また、色気に乏しく、何事も騒々しく行い、男に愛想をつかされる女性。寝床で男の寝場所を取ってしまうような女性……。各地によってさまざまな説が出てきています。
 当時は女性の立ち居振る舞いには相当厳しかったようです。
「寝肥」のような男性はたくさんいたはずなのに、妖怪にはなっていません。
 江戸時代にはこうした女性を「もののけ」と見なしていたようですが、この見方は偏見であり、男性優位の社会の産物だったと本書では示唆しています。
 もしかしたら、現代では、メタボに罹り、ストレスの多い男性版「寝肥」が現れるかもしれません……。
掲載:2010年8月25日

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