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日教組

森口朗/著

858円(税込)

発売日:2010/12/17

  • 新書
  • 電子書籍あり

戦後教育を牛耳ってきた組織のカネ・思想・功罪……徹底研究。

日教組とは何か? 生徒の学力低下に荷担したと糾弾され、先生の指導力低下を放置したと非難され、挙げ句には日本をダメにした元凶とまで名指しされてきた。そして今、民主党政権の誕生によって再び注目されている。が、実態は意外と知られていない。GHQ指令下、文部省によって作られ、かつては校長以下九割以上の先生が加入していた組織の歴史をたどりながら、その思想、所業、暗部、すべてを丸裸にする。

目次
はじめに――日教組による日教組のための教育改革が始まった
序章 ある平凡な日教組教員の日常
第一章 「日教組」の誕生
すべては「新教育指針」から
「押し付け=悪」の原点
敗戦をどう捉えたか
文部省の驚くべき日本人観
民主的修養としての組合のすすめ
教職員組合の爆発的拡大の果てに
戦後民主教育の申し子
所業(1) 一九四七年「六・三制完全実施」
所業(2) 一九四九年「レッドパージ反対」声明
所業(3) 一九五一年「教え子を再び戦場に送るな」
所業(4) 一九五三年~五五年「偏向教育批判」批判
所業(5) 一九五六年~五九年「勤評闘争」
所業(6) 一九五九年~六〇年代「高校全入運動」
所業(7) 一九六一年「学力テスト」反対運動
所業(8) 一九七三年「主任制度」反対運動
中曽根臨教審に翻弄される日教組
内部対立から分裂へ
文部省との和解
「わが世の春」到来
第二章 「教団」としての日教組
なぜ教師が「聖職者」なのか
戦後民主主義の布教者
満蒙開拓青少年義勇軍と教員
教師は嬉々として戦場に教え子を送った
体罰は「宗教的」確信の産物
体罰禁止は明治時代から
新たな経典の誕生
日教組を理解するための基礎知識
共産主義を信奉する教員の行動原理
「顕教」「密教」並存体制の確立
社会主義協会による日教組支配
学校内世論に訴えて巻き返す非主流派
日本共産党の教師聖職者論
常識論に歩み寄る非主流派、暴走する主流派
研究研修を通じて力を増す非主流派
日教組主流が親ソだった理由
新左翼の流入
密教信者は消え、日教組教育が残る
第三章 「ムラ」としての日教組
校長も教頭も加入していた
勤務評定を拒否した校長たち
勤評闘争が学校を変えた
地域を巻き込んだ闘争
管理職手当が進めた校長の組合脱退
校長のタイプと組合支配の相関
情実採用の構造
転勤も昇進も
昇進も決める教職員組合
雑多なムラ人たちの素晴らしい教育
安易な日教組批判の危険性
第四章 「戦犯」としての日教組
「日教組が日本の教育をダメにした」という神話
とにかく批判されつづけた
飲み屋論壇的戦犯説
データが示す戦後教育のダメさ加減
密教信者を守り続けた自民党政権
なれあいの状況証拠
学校から国旗国歌を奪った自民党政権
黙認(1) 日本型リベラリズム
黙認(2) 選挙に役立つ日教組
黙認(3) 足して二で割る調整型政治
もはや日教組は無害?
第五章 日教組とのつき合い方
なぜ民主党は日教組の言いなりなのか
正常化を装う日教組
丹頂鶴からフラミンゴへ
悪夢(1) 免許更新制度の廃止問題
悪夢(2) 全国学力テストの事実上の廃止
悪夢(3) 「こころのノート」の廃止
悪夢(4) 教員免許のための大学院必修化
弱体化と正常化の同時進行
変化する政治方針
結局「日教組」とはなにものなのか
対処(1) 共産主義ワクチンの摂取
対処(2) 人事オンブズマンの導入
対処(3) 偏向教育情報センターの設置
あとがき

書誌情報

読み仮名 ニッキョウソ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 240ページ
ISBN 978-4-10-610397-1
C-CODE 0237
整理番号 397
ジャンル 教育学
定価 858円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2012/05/25

著者プロフィール

森口朗

モリグチ・アキラ

1960(昭和35)年大阪府生まれ。教育評論家。中央大学法学部卒業。佛教大学修士課程(通信)教育学研究科修了。東京都職員として勤務中の1995〜2005年、都内公立学校に出向。2016年早期退職。著書に『戦後教育で失われたもの』『いじめの構造』『日教組』など。

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