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やさしい。ふかい。おもしろい。伝説の名講義を完全再現!

日本語教室

井上ひさし/著

734円(税込)

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発売日:2011/03/17

読み仮名 ニホンゴキョウシツ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 186ページ
ISBN 978-4-10-610410-7
C-CODE 0281
整理番号 410
ジャンル 文学賞受賞作家、言語学
定価 734円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2011/09/02

井上ひさしが生涯考え続けた、日本と日本語のこと。母語と脳の関係、カタカナ語の弊害、東北弁標準語説、やまとことばの強み、駄洒落の快感……溢れる知識が、縦横無尽に語られる。「日本語とは精神そのもの。一人一人の日本語を磨くことでしか、未来は開かれない」――母校・上智大学で行われた伝説の連続講義を完全再現。日本語を生きるこれからの私たちへ、“やさしく、ふかく、おもしろい”最後の言葉。

著者プロフィール

井上ひさし イノウエ・ヒサシ

(1934-2010)山形県生れ。上智大学文学部卒業。浅草フランス座で文芸部進行係を務めた後、「ひょっこりひょうたん島」の台本を共同執筆する。以後『道元の冒険』(岸田戯曲賞、芸術選奨新人賞)、『手鎖心中』(直木賞)、『吉里吉里人』(読売文学賞、日本SF大賞)、『腹鼓記』、『不忠臣蔵』(吉川英治文学賞)、『シャンハイムーン』(谷崎潤一郎賞)、『東京セブンローズ』(菊池寛賞)、『太鼓たたいて笛ふいて』(毎日芸術賞、鶴屋南北戯曲賞)など戯曲、小説、エッセイ等に幅広く活躍した。2004(平成16)年に文化功労者、2009年には日本藝術院賞恩賜賞を受賞した。1984(昭和59)年に劇団「こまつ座」を結成し、座付き作者として自作の上演活動を行った。

目次

はじめに
第一講 日本語はいまどうなっているのか
母語は精神そのものです
FANCLをファンケルとなぜ読む
日本は強いものを真似する
なぜみんな髪を染めるのか
言葉は常に乱れている
外来語は物事を単純化してしまう
英語ではない変なカタカナ語
グローバリゼーションは危険な言葉
『エコノミスト』のマインドとチャレンジ
朝日新聞の「新」の字が意味すること
世界の中の日本語
スペイン語が国連公用語になった理由
「カタカナ倒れ」でも「漢字倒れ」でもなく
大江さんはすごい
失われていく言葉
グローバリズムに立ち向かうために
第二講 日本語はどうつくられたのか
「レモンテー」が正しい日本語
日本語はどこからきたのか
東北弁は標準語だった!?
言葉の“チャンポニザシォン”
「やまとことば」はいつできたのか
輸入された政治の言葉
言葉は絶えず変化する
『こゝろ』はなぜ平仮名か
芝居はやまとことばで
漢字は組み合わせてこそ生きる
諭吉が諦めた「権利」
標準語は明治政府がつくった
「美しい日本語」などありえない
英語にどう対処するか
「アメリカはよい国か。イエス。ただし……」
第三講 日本語はどのように話されるのか
最後はかならず母音でおわる
五つの音色の使い分け
茂吉の名歌に学ぶ
アクセントは二の次で
お国訛りという文化
同音異義語はなぜ多い
音読のすすめ
駄洒落の快感
「茶畑」と「田畑」の畑はちがう
大江さんとの駄洒落対決
小さな笑いが道をひらく
アクセントとリズム
第四講 日本語はどのように表現されるのか
日本人に文法はいらない
日本語の不確定さ
似た言葉と比較してみる
モンゴル語を勉強した司馬さん
特異な数の数え方
外来語は現地音で話す
「は」と「が」の使い分け
あいまいな日本語の語順
世界にひらかれた日本語に
井上ひさし著書・単行本目録(抄)

担当編集者のひとこと

小さな笑いが道をひらく

 東北・関東大地震から二週間が経ちました。信じられないような被害が連日報道されていますが、被災された方には心よりお見舞い申し上げます。
 昨年の4月に亡くなられた井上ひさしさんは、山形出身でした。代表作の長編『吉里吉里人』は、東北の一寒村が突然、「吉里吉里国」を名乗り日本から分離独立をするという話です。自給自足して政府に対抗するたくましさ、ズーズー弁で交わされる会話の独特のリズムや勢い、明るさ――ある被災者の方が「東北人は我慢強いから、大丈夫」と話されている姿は、井上さんがかつて描いた物語をそのまま体現しているように私には映りました。
 そんな井上さんが、母校・上智大学で学生や卒業生に向け、「日本語について」余すことなく語ったことがありました。生前から刊行にむけて準備していた、伝説の名講義。知の巨人が好奇心のおもむくままに語りかける「教室」には、混沌とした世界で生きるための多くのヒントが詰まっています。
 ひとつご紹介すると、
 何か大きな運命が迫ってきそうなんだけど、出口はない。ここでとにかく生きていかなければならない。こういう状況をぼくは「ギリシア悲劇的宙づり状態」と言っているのですが、そういう状況を小さな笑いが壊してしまうことが実際にあります。「いや、なんとか行けるよ、命まではとられないさ」というふうに、「笑い」は希望を持つ方向に人の気持を変える働きをします。(『日本語教室』151ページより) 今の日本の現状を見て、井上さんが何をおっしゃるか、どう考えるのかを知ることはできません。けれど、井上さんが残してくれた多くの言葉から、これからの世界を生きるための、たくさんの手がかりをつかむことはできます。日本語を生きる全ての人たちへ――ぜひ読んで頂きたいです。

2011/03/25

蘊蓄倉庫

東北弁は標準語だった!?

 第二講「日本語はどうつくられたのか」で、著者は「かつては東北弁が標準語だった」という説を唱えています。松本清張作『砂の器』や、出雲地方の人は「山形県ちじ」とは言えず「山形県つず」となってしまうという特徴から導き出しているのですが……。「そんなことあるわけない」と一笑に付すことができない説得力があり、詳細はぜひ本書を読んで確かめてみてください。
掲載:2011年3月25日

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