まえがき
第1章 あたりまえのことができていない国
「111歳の男性」がミイラに/国民の実在を確認するための3つの制度/「家族単位の制度設計」がアダに/身分証明書がない国/漢字で管理することの限界/漢字が原因で複雑になった「消えた年金」問題/社会基盤としての国民ID
第2章 国民ID制度は世界の常識
エストニアの国民番号制度/国政選挙で世界初のネット投票/入学願書も一括登録/納税、交通機関、運転免許/医療の電子化で効率が劇的に改善/情報連携で効果アップ/個人情報を3つに区分けして管理/スウェーデンでは自己情報をダウンロードできる/40年前から使っているデンマーク/用途別にIDを分類し、相互に連携させるスロベニア/オーストリアは情報連携を厳格に管理/人口規模は問題ではない/アメリカは社会保障番号で統一管理/韓国では官民で番号共有/失敗があったとしても……
第3章 IT戦略の「失われた10年」
青写真なきIT基盤整備/利用率が1%に満たない電子申請/紙の手続きを電子にしただけ/10年間何も進まなかった電子政府/失敗の要因は「国民目線」の不在/エストニアの進め方/住基ネット騒動という不幸/住基ネット反対の論拠を検証する/国民ID制度導入に関する課題の整理
第4章 国民IDの不在が生み出す深刻な問題
「書類の海」におぼれる難病患者/国民ID導入に向けた政府の動き/「共通番号制度」の構想/現行制度の虚をついた保険金詐欺事件/東日本大震災で活用された住基ネット/データのバックアップ不全/自動車が流されても廃車申請できない?
第5章 行政システムを一気に変える起爆剤
年金手帳、医療保険証、介護保険証が1枚のICカードに/医療と介護の連携が実現/医療費支払い状況がネット上で確認可能に/利用可能なサービスが行政側から通知される/「消えた年金」問題が起こらなくなる/年金改革ができるようになる/「クロヨン」是正で大幅税収増も/金融所得の一体課税が可能に/補助金給付や税控除も効果的に/申請や届出が大幅に簡素化される/親族の死亡時手続きが簡便になる/「ワンストップ行政サービス」が現実に/行政からの連絡が漏れなくできる/企業には法人税減税以上の効果/自己情報がコントロールできる/直接民主主義が実現できる/年間3兆円以上の導入効果
第6章 情報漏洩はこうして防ぐ
情報漏洩はなぜ起こるのか/「技術」で防ぐか「運用」で防ぐか/内部の犯行はアクセス記録で防止/セキュリティの高いICカード/IDカードの発行は運転免許センターに委託せよ/住所の記載は不必要/ルール設定とチェックの仕組み/第三者機関が運営をチェック/個人情報保護法の成立/国民IDの3種類の管理モデル/日本の国民ID制度のモデル検討
第7章 便利で公平で安心な社会を目指して
犯罪者、スパイ、テロリストに優しい国/紙と人の無駄を排す/新しい市民サービスの開拓を阻むな/申請主義は時代遅れ/行政機関にも内部統制を/プロセスの「見える」化/「世帯」から「個人」の時代へ/個人情報を「個人識別情報」と「個人属性情報」に分けよ/導入のための費用はどうすべきか/国民IDは「権利」である
あとがき
参考文献・資料