序章 死という事態の前で
第一章 日本人の死にざま
確信と不安の間を揺らぎ続ける特攻隊という自発的な死
哲学が死滅した今、「死ぬことを学ぶ」哲学という営為が求められている
自殺を戒められた暗殺者は、決行後どのように生きていくのか
大きな志は失っても、大きな仕事と人間を残すことはできる
自ら作った雑誌の命脈を見切った出版界のモンスターがいた
第二章 死者の置き土産
「天下之糸平」の五文字の凄みから、墓碑に込められた心意気を知る
墓というのは、どうしようもなく、故人の相貌、風格を残す
折口信夫の恐ろしさは、その墓を見なければわからないだろう
気持ちのよい山路愛山の墓に比べて、森鴎外の墓はちょっと残念
死んでまでつるんでいる大宅壮一と梶山季之の面白さ
強欲と恬淡が同居する松永安左衛門の墓には惹かれる
第三章 自殺の国の死生観
切腹という自死を過度に重視したところに、日本の「ユニークさ」がある
なぜ、作家は近代になって自殺するようになったのか
芥川龍之介は明敏だからこそ、単純だが厄介な罠に陥った
フィクションを完成させるために、太宰治は死を選ばなければならなかった
三島由紀夫の切腹は、文学的で人工的だが、戦いだったのだろう
文筆生活に入って二十年以上、同年輩の物書きがなくなると堪える
終章 五十歳の辞世
参考文献