ホーム > 書籍詳細:「いいね!」が社会を破壊する

「便利の毒」に殺される前に――経済小説の第一人者が見据えたネット進化の冷徹な事実。

「いいね!」が社会を破壊する

楡周平/著

799円(税込)

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発売日:2013/10/17

読み仮名 イイネガシャカイヲハカイスル
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 239ページ
ISBN 978-4-10-610542-5
C-CODE 0236
整理番号 542
ジャンル 社会学、IT
定価 799円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2014/04/18

すべてのモノと情報が、ネットのプラットフォーマーに呑み込まれていく。「いいね!」をクリックするたびに、われわれは知らず知らず、自分の首を絞めているのではないか? より快適な、より便利な生活を追い求め、「無駄」の排除を続けた果てに生まれるのは、皮肉にも人間そのものが「無駄」になる社会……。ネットの進化が実社会にもたらすインパクトを、「ビジネスモデル小説」の第一人者が冷徹に見据える。

著者プロフィール

楡周平 ニレ・シュウヘイ

1957年生まれ。慶應義塾大学大学院修了。1996年、米国系企業在職中に書いたデビュー作『Cの福音』がいきなりベストセラーになり、翌年より作家専業に。以後、「朝倉恭介」シリーズ、『再生巨流』『ラスト ワン マイル』『虚空の冠―覇者たちの電子書籍戦争―』『レイク・クローバー』『スリーパー』『砂の王宮』など、時代を先取りしたテーマと幅広い作風で話題作を発表しつづけている。

目次

第1章 超優良企業はなぜ潰れたのか
一つの産業が丸ごと消えた/ビジネスモデルが確立されすぎていた/「デジタル時代の到来」も見越していたのに……/「急いでデジタルに切り替えない」/企業の挑戦を株主が妨げる/「営業ノルマ」というジレンマ/世界初の汎用デジカメも発売/他社が必ず乗り出してくる/カメラ付き携帯とブログ人口/流通網も急激に縮小/イノベーションの波が雇用を壊す/会社の生き残りと社員の雇用は別の問題
第2章 素早く動き、破壊せよ!
中小書店を駆逐したアマゾン/二大大型書店も苦境に/日本にもよく似た現象が/アメリカほどの影響はないものの/委託販売制による自転車操業/部数は減って、刊行点数は増加/電子書籍は必ずや支持される/写真産業と同じ顛末に?/「読むツール」から「人に読ませるツール」へ/プロの目を経ずに並ぶ作品/夢のような環境/市場を虎視眈々と狙うプラットフォーマー/海賊版が野放しに/業者の「素性」は一切分からず/出版社の間接部門が不要に/「素早く動き、破壊せよ」
第3章 便利の追求が雇用を奪う
自分のクビを締める者に拍手喝采/すべては人手を減らす方向へ/「人」は経営の最大のリスク要因/数万食の食材をたった九人で!/格安航空会社が成り立つ理由/雇用そのものが「無駄」/仕事のやり方をシステムに合わせる/流通の歴史は人減らしの歴史/総合スーパーが街を壊滅させる/工場を誘致しても雇用は増えない/コンビニ宅配の限界/「買い物難民」は死語に/小売店の存続は困難に/ネット通販と卸、相互のメリット/実店舗がネット通販の「ショールーム」に/因果応報/イオンの「即日配送」/アマゾンは物流企業
第4章 「いいね!」ほど怖いものはない
3Dプリンターの衝撃/「物」がマシーンに飲み込まれていく/人間の手を経ずして作られる製品/スマホで人は幸せになったのか?/「サボリ」が大目に見られなくなる/LINEは本当に「ただ」なのか/ただほど怖いものはない/フェイスブック「顔データベース」の真の狙い/個人の「すべて」を把握にかかるグーグル/グーグルとフェイスブックが合併したら/「エシュロン」そのもの/ネットの時代に「坂本龍馬」は存在できるのか/「プロボノ」へのかすかな違和感
第5章 勝者なき世界
若い世代が未来の展望を描けない/住宅と子供が人生のリスクに/年金と雇用の二者択一/「新卒就職難」の本質/ネットが拍車をかけた就活地獄/自動車関連産業も縮小/メンタルを理由に休職する若者たち/「ただ乗り」がコンテンツビジネスを殺す/プロの仕事が否定される/勝者なき世界
あとがき

担当編集者のひとこと

いずれ人間は無駄になる?

 本書の著者・楡周平さんはかつて、米コダックで働いておられました。当時のコダックはアメリカでも有数の優良企業であり、フィルムは「1ドルで70セントの利益が出る」と言われるほど儲かっていました。そのコダックが昨年、「チャプター11(連邦倒産法第11章)」の適用を申請し、倒産に追い込まれたのは記憶に新しいところです。
 いま、すべてのモノと情報が、ネットのプラットフォーマーに呑み込まれつつあります。ネット化の進展は、フィルム産業という巨大な雇用の吸収源をまるごと消滅させました。フィルム産業に起こったことは、これから多くの業界で起こるにちがいありません。楡さんは特に、出版業界では「フィルム産業とまったく同じことが起こる」と予想されています。「いいね!」とクリックするたびに、我々はこの流れに手を貸し続けているわけです。
 ネットによって何でも「便利」になっていくことは、本当に良いことと言えるのか。従来の産業が破壊されていくだけでなく、究極的には「人間が無駄になる社会」「凡人の雇用がなくなる社会」が来るのではないか──楡さんはそう危惧しています。
 かなり悲観的な展望ですが、ネットの進化が実社会にもたらすインパクトを冷徹に見据えた本質的な議論には、傾聴すべき洞察が多々含まれています。ご一読頂ければ幸いです。

2013/10/25

蘊蓄倉庫

素早く動き、破壊せよ

「素早く動き、破壊せよ」
 この言葉は、フェイスブックを創業したマーク・ザッカーバーグ氏が、同社のモットーとして語ったものです。かつてのイノベーションは多くの雇用を生み、人々を豊かにしましたが、現代のイノベーションは多くの産業と雇用を破壊し、富の独占をもたらしてしまう。著者の楡さんは、「これほどネット時代のイノベーションの本質を言い当てた言葉はない」と語っています。
掲載:2013年10月25日

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