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「超常現象」を本気で科学する

石川幹人/著

770円(税込)

発売日:2014/05/16

  • 新書
  • 電子書籍あり

「こんな面白い研究しているセンセーがいたのか」ビートたけしさんも大興奮! 幽霊、テレパシー、予知、透視、念力……。何がすでに解明され、何が未だに謎なのか?

幽霊・テレパシー・透視・念力……。我々を驚かせてきた不可思議な現象の数々は、多くの人に関心を持たれながらも「非科学的」、「オカルト」と否定されてきた。だが、それこそが科学の挑むべき謎だとして、あくまでこれを「科学的」に研究してきた人々がいる。「何がどこまで解明できたのか?」。そして「何が未だに謎なのか?」。明治大学教授が、異端の科学の最先端を案内しながら、「科学とは何か?」の本質に迫る。

目次
はじめに
序章 なぜ超常現象を科学するのか
幽霊は役に立つ?/エセ科学の撲滅/宗教と科学の違い/心霊研究から超心理学へ/「はん幽霊論」への招待
「反」の部――幽霊をめぐる非科学的主張に反論する

第一章 幽霊が見えた?
ホラー番組の取材/それが顔に見える理由/恐怖のカラクリ/怖い幽霊vs.明るい幽霊/錯覚にも「意味」がある/「現実」とは何か
第二章 迷信とお守りの誤解と詐術
ツキとスランプの勘ちがい/原因を求める人間心理/お守りとバイアス/高いほど効く?/ご利益を調査する
第三章 夢と幽体離脱
昨晩見た夢は……/金縛りのメカニズム/夢のお告げは当たるのか/魂が身体から抜け出す?/幽霊体験の精神状態
「半」の部――超能力現象を半信半疑で検証する

第四章 超能力と夢の中の世界
体験から実験へ/夢テレパシー実験の成果/緻密なガンツフェルト実験/体脱体験者はESP能力が高い?/超能力の個人差
第五章 それは誰のしわざか
奇術トリックと超能力者/幽霊かPKか/ポルターガイスト/こっくりさんの正体/シャイな無意識
第六章 未来がわかるとはどういうことか
SFとタイムパラドクス/予知と透視/予感実験/シンクロニシティ/幽霊と宇宙人は同じ?/主体性と因果性
「汎」の部――超常と日常を合わせて広汎に考える

第七章 「無意識」の大きな可能性
「技能」を身につける仕組み/ゾーンに入る/創造性という技能/無意識を手なずける/浮かび上がる「妙手」/超心理学の新展開
第八章 幽霊体験の社会化
波動を感じる?/「オーラ」と「共感覚」/「祈り」の効力/社会性が役に立つ/不確実さを受け入れる/これから科学はどこへ向かうか
終章 解体される超常現象
幽霊体験に創造性を見いだす/文化以前の心理機能/生物進化の創造主/信念よりも実用性/五つの知恵
おわりに
参考文献一覧

書誌情報

読み仮名 チョウジョウゲンショウヲホンキデカガクスル
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 208ページ
ISBN 978-4-10-610571-5
C-CODE 0211
整理番号 571
ジャンル 心理学、科学読み物
定価 770円
電子書籍 価格 660円
電子書籍 配信開始日 2014/11/21

担当編集者のひとこと

意外と多い「隠れ肯定派」

「超常現象」と聞くと、多くの人が「マユツバ物」、「オカルト」と否定的な態度をとります。しかし、じつは幽霊や超能力の存在を信じている人が、その中にもかなり隠れているのが現実のようです。
 本書の著者である明治大学情報コミュニケーション学部の石川幹人教授によれば、大学で学生たちに「超常現象について否定的か肯定的か」をアンケート調査で問うと、否定的な学生も肯定的な学生も、ともに4割ほどいて勢力は拮抗しているそうです。皆さんは、肯定派が意外に多いと思われるかもしれません。
 ところが、そのアンケートの次の質問項目である「一般多数の意見はどうだと推測するか」では、否定が約7割に急増、肯定は約1割に急減してしまうそうです。
 つまり、これこそが、一般世間の否定意見の正体なのかもしれません。社会で否定派が多いように思えても、じつはそれは表向きの態度に過ぎず、「内心では肯定的」という人がかなりいるのが実態なのでしょう。
 しかし、こうした陰にこもった姿勢や傾向は、まさに超常現象をオカルト的で反社会的なものへと近づけてしまい、不可思議な現象を「科学的」にきちんと正しく解明しようとする姿勢を阻んでいるのです。
 本書では、短絡的に超常現象を肯定することも否定することもしません。「科学的」に思考すること、それこそを大事にしています。
 もっとも、いわゆる幽霊現象など、すでにその科学的メカニズムが解明されている超常現象がじつはかなりあります。それにもかかわらず、そうした成果があまり知られていないのは、やはり世間が超常現象を表立って話題にすることを避けてきたからなのでしょう。
 しかし解明が進んできた一方で、現代の自然科学では解明できない超常現象の存在を示唆する科学的実験データがずっと蓄積されてきているのも事実だと著者は説きます。また、そうした現象こそ科学が挑むべき謎ではないかと主張します。
「何がどこまで解明されているのか?」を紹介しながら、「何が未だに謎なのか?」、そしてその謎がいかに解かれようとしているのか、というその疑問に、本書ではあくまでも本気でかつ「科学的」に迫っています。

2014/05/23

著者プロフィール

石川幹人

イシカワ・マサト

1959(昭和34)年、東京生まれ。明治大学情報コミュニケーション学部教授、同学部長。博士(工学)。認知情報論、科学基礎論を専門とする他、日本における超心理学研究の第一人者としても知られる。著書に『超心理学』、『心と認知の情報学』などがある。

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