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落ちるところまで落ちた「極悪人」たちが、次々と「心からの反省」を表明。受刑者教育に革命を起こした驚きの授業を初公開!

凶悪犯罪者こそ更生します

岡本茂樹/著

778円(税込)

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発売日:2014/07/17

読み仮名 キョウアクハンザイシャコソコウセイシマス
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 206ページ
ISBN 978-4-10-610579-1
C-CODE 0236
整理番号 579
ジャンル 法律
定価 778円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2015/01/23

「反省しない」のではなく「反省できない」。それが凶悪犯罪者たちが収容される刑務所の実情だ。しかし、誰もが「更生不可能」と判断する彼らが、新たな気づきを得た時こそ、更生への意志は圧倒的に強くなる。その「気づき」を得るために有効なのは、犯罪者に「反省を求めない」「加害者視点の」教育である。数多くの累犯受刑者を「本当の反省」に導いた著者だから書けた、超実践的更生メソッド。

著者プロフィール

岡本茂樹 オカモト・シゲキ

(1958-2015)1958(昭和33)年兵庫県生まれ。元立命館大学産業社会学部教授。臨床教育学博士。大学での研究・教育活動の傍ら、刑務所での受刑者の更生支援にも携わる。著書に『反省させると犯罪者になります』『凶悪犯罪者こそ更生します』などがある。2015年没。

目次

まえがき
第1章 受刑者が更生できない本当の理由
殺人事件を起こした理由が「遺伝」!?/否定的感情が出たときこそ大チャンス/心を救うはずの宗教が「凶器」に/「自分が弱かったから」「考えが甘いから」/「カッとなったから」「性格が短気だから」/万引きの理由は本当に「スリル感覚」なのか/形骸化した「反省させる教育」/「俺の方が被害者だ」「あいつ(被害者)が悪い」/「あいつがチクったから」「命令されたから」/「男らしくあらねばならない」という価値観/反省する受刑者は「KY」/「深く反省している受刑者」は危ない/受刑者が更生できない五つの理由
第2章 「反省している受刑者」美達大和は更生できない
美達大和とは何者か/父親の厳格な「教育」に従うことができた理由/「お金が第一」となる価値観/「条件付きの愛」がもたらす子どもの心への影響/『牢獄の超人』に垣間見える美達の差別意識/再犯の可能性は高い/美達が向き合うべきこと/「父親を殺す」必要性/他者を傷つけることに徹底して鈍感/仮釈放の放棄は「父親へのカッコつけ」/「超人」のままでは更生できない
第3章 受刑者も一人の対等な人間である
個人面接を希望する受刑者はほとんどいない/「一人の対等な人間」として接する/涙は心の傷を癒す良薬/手紙で否定的感情を吐き出させる/反省は一人ではできない/「私はきちがいです」と語った受刑者/「母ちゃん、ワシは寂しかったんや」/「愛されたい」という願いは更生の出発点
第4章 グループワークは「飲み会」です
受刑者はグループワークを受けたくない/グループワークは「飲み会」と考える/十ヶ月で七回/殺人事件の原因をみんなで考える/これが被害者と向き合う方法/共犯者に対する否定的感情を吐き出した受刑者/自己理解が進み、自分の変化を実感し始める/なぜ倖せになることが罪の意識を持つことになるのか/一人のメンバーの自己開示が他のメンバーの心を開かせる
第5章 刑務所は受刑者と向き合えるのか?
長期累犯受刑者は野放し状態/「もう人生は捨てていました」/刑務所における矯正教育の「今、できること」五つの提言
あとがき

担当編集者のひとこと

刑務所の中の白熱教室

 悪いことをした人に反省させると犯罪者になる──。昨年5月に刊行された岡本茂樹さんの前著『反省させると犯罪者になります』は、「反省」を強制することが「危険な行為」であることを説いて、大きな話題を呼びました。そして、本当に効果のある教育法とは、悪いことをした人に無理に反省を求めず、加害者や問題行動を起こした人が、どうしてそのような行為に及んでしまったのかを「加害者視点で考えさせる」教育であると主張しています。

 では、「無理に反省を求めない、加害者視点の教育」とはどのようなものなのか。本書で描いたのは、累犯受刑者の更生支援をしている著者が、実際に刑務所内で展開している受刑者教育の様子です。
 累犯刑務所に収容されている受刑者は、ほぼ100%が親との関係で問題を抱えています。自分の気持ちに寄り添ってもらった経験が全くない人ばかり。そのため、最初は不信感に満ちていますが、著者が反省を求めず、受刑者の気持ちに徹底的に寄り添う姿勢を貫いていることを理解すると、次第に人間的な感情を取り戻し、自分の来し方を振り返るようになります。そして受刑者たちは、「自分がいかに傷ついていたのか」に気付いたことを経て、自らの行為が「いかに人を傷つけていたのか」にも気付くようになり、「真の反省」へと至っていくのです。
 そのプロセスを丹念にたどっていく作業は、教育や更生の常識をもう一度洗い直す作業でもあります。丁寧に洗い直しをすると、時に宗教が「言葉の凶器」となること、「深く反省している受刑者」こそ実はあぶないこと、更生の可能性が高いのはむしろ「処遇困難受刑者」であることといった、通説とは正反対の指摘にも出くわすことになります。受刑者処遇や犯罪の問題に興味がある方だけでなく、教育全般に興味がある方がお読みになっても、目から多くのウロコが落ちることと思います。
「更生不可能」と見なされた「極悪人」たちが自らをさらけ出し、次第に更生への意志を強めていく「刑務所の中の白熱教室」。その様子をぜひ体験してみてください。

2014/07/25

蘊蓄倉庫

「反省しない」のではなく「反省できない」

 刑務所での更生教育の機会は、量刑の軽い者、出所までの期間が短い者ほど多くなります。近年の厳罰化による過剰収容の問題もあり、教育を施せる職員の数が絶対的に不足しているので、もうすぐ社会に戻っていく受刑者たちへの「とりあえずの更生教育」で凌いでいくしかない、という刑務所側の事情があります。
 逆に言うと、無期懲役囚などの長期刑受刑者には事実上、何らの教育も施されず、「事故なくまじめに務める」ことが求められる唯一の価値となります。長期刑の受刑者は、「反省しない」のではなく「反省できない」状況にあると言えます。
掲載:2014年7月25日

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