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妻の乳がんで私も「患者の家族」になった――。

患者さんに伝えたい医師の本心

高本眞一/著

756円(税込)

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発売日:2015/07/17

読み仮名 カンジャサンニツタエタイイシノホンシン
シリーズ名 新潮新書
雑誌から生まれた本 Foresightから生まれた本
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 191ページ
ISBN 978-4-10-610627-9
C-CODE 0247
整理番号 627
ジャンル 科学
定価 756円
電子書籍 価格 648円
電子書籍 配信開始日 2016/01/08

医療過誤や医療訴訟が続く昨今、医者と患者はしばしば対立するが、本来は同じ病気に立ち向かうパートナーである。お互いの事情を理解しあえば、医療はもっ
と良くなるはずだ。妻の乳がんによって「患者さんのやるせなさが身に染みて分かった」と語る著者は、自身が院長を務める病院で、さまざまな試みに着手して
いる。日本を代表する心臓外科医が考える「理想の医療」の姿。

著者プロフィール

高本眞一 タカモト・シンイチ

1947(昭和22)年生まれ。愛媛県松山市に育つ。三井記念病院院長。東京大学医学部名誉教授。外科医(専門は心臓血管外科)。公立昭和病院心臓血管外科主任医長、国立循環器病研究センター第二部長を経て、1997年に東京大学医学部胸部外科教授に就任。2009年より現職。

目次

第1章 医師が「患者の家族」になったとき
第2章 手術を拒否するおばあちゃんはなぜ翻意したのか
第3章 「患者にやさしい治療」の落とし穴
第4章 左遷時代に学んだこと
第5章 「患者様」を廃止した理由
第6章 迷惑がられても当直します!
第7章 ヨン様とモーツァルト
第8章 周辺開業医への「お中元大作戦」
第9章 組織の「ミッション」を明確にすべし
第10章 警察は医療事故を裁けるか
第11章 東大医学部の傲慢と時代錯誤
第12章 悪意あるテレビ報道に医師はどう対処すべきか
第13章 病院ランキングを信じてはいけない
第14章 東大医学部教授はこうして選ばれる
第15章 医学部の宿痾「講座の縄張り争い」
第16章 医療政策を担える人材を育てる
第17章 医療事故を起こした医師は現場に戻せるか
第18章 輸血拒否の「エホバの証人」に向かい合う
あとがき 出版をめぐるささやかな冒険について

担当編集者のひとこと

戦いのための信念

 この本は、「患者の家族」を経験した外科医による「理想の医療」をめぐるエッセイです。
 著者は7年前に、乳がんで妻をなくしました。発覚から亡くなるまでに10年以上。転移で病状が悪化し、闘病にあけくれる生活の中で、医療界で一般的に使われる「10年生存率」なる表現になんとも言えない違和感を覚えたそうです。しかも、心臓血管外科が専門の著者にとって、乳がんは未知の分野。「医者の自分でも何もできない」事実に、無力感も強く持たざるを得ませんでした。
「患者の家族」を経験したことで、著者は「医者と患者は共に同じ病気に立ち向かうパートナーである」との思いを深めます。その観点から、自身が院長を務める三井記念病院でも改革に着手。例えば、最近の病院で一般的な「患者様」という呼称をやめ、「患者さん」に統一しました。確かに、「同じ病気に立ち向かうパートナー」という考え方なら、「治してやるんだから医者の言うことはすべて聞け」という「上から目線」も、「医療もサービス業だから患者様はお客様」という「下から目線」も違う。だから「患者さん」となるわけです。
 編集を担当した私が一番感動したのは、著者が輸血を拒否する「エホバの証人」の患者さんを正面から説得にかかっていることでした。エホバの証人の患者さんは、外科医なら誰もが出会うそうですが、「触らぬ神に祟りなし」という態度に終始するのが普通です。しかし、著者の高本さんはエホバの証人の聖書解釈の誤りを指摘し、真っ正面から論争を試みるのです。「エホバの証人」の患者さんとは言っても、患者さん本人が子供だったりすると、親が自分の信仰を子供に押しつけて救える命を救えなくしているケースも多いのです。それは「患者さんのための医療」という、高本さんの信念には反します。著者にとって、「患者さんのため」はキレイゴトのスローガンではなく、戦いのための信念でもあるのです。

2015/07/24

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インフォームド・コンセントの誤解

 インフォームド・コンセントという言葉はアメリカから入ってきたため、アメリカでは手術の際などにさぞや丁寧な説明がなされているとお思いの方もいるかも知れませんが、これは全くの誤解です。訴訟の国アメリカでは、医療事故などで訴えられないように、病院が事前に膨大な説明書を用意して、患者さんに「これを読んでおいてね」と簡潔に伝えて手渡すのが普通です。病院側は、それに納得したらサインをしてくれ、という態度です。
 一方、日本の病院では、手術を受ける患者さんにはたいてい一時間程度の時間を割いて丁寧に説明をします。アメリカで「病院の責任を軽減させるため」に始まったインフォームド・コンセントは、日本で「患者さんのため」に変容を遂げたのです。実は、日本ほど患者さんに対して丁寧な説明がなされている、つまり「インフォームド・コンセントが徹底している」国はないのです。
掲載:2015年7月24日

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