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盛者必衰。組織、社風、経営、歴史……元プロデューサーが、徹底分析!

フジテレビはなぜ凋落したのか

吉野嘉高/著

799円(税込)

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発売日:2016/03/17

読み仮名 フジテレビハナゼチョウラクシタノカ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 223ページ
ISBN 978-4-10-610661-3
C-CODE 0265
整理番号 661
ジャンル マスメディア
定価 799円
電子書籍 価格 799円
電子書籍 配信開始日 2016/06/17

視聴率の暴落、初の営業赤字、世論の反発……かつての“王者”に一体何が起きたのか――。一九八〇年代に黄金期をもたらした組織改革は、お台場への社屋移
転等によって効力を失い、番組から斬新さは失われた。さらに日本テレビの猛追、「韓流びいき」批判も加わり、フジテレビは王座から滑り落ちた。情報番組のプロデューサー等を務めた元社員が、自らの経験や関係者への取材をもとに、巨大メディア企業の栄枯盛衰を描く。

著者プロフィール

吉野嘉高 ヨシノ・ヨシタカ

1962(昭和37)年広島県生まれ。筑紫女学園大学現代社会学部教授。1986年フジテレビジョン入社。情報番組、ニュース番組のディレクターやプロデューサーのほか、社会部記者などを務める。2009年同社を退職し現職。早稲田大学卒、中央大学大学院修了(法学修士)。

目次

はじめに
なぜフジテレビは嫌われるのか/なぜ私はフジテレビを辞めたのか
第一章 「社風」と命運を分けた「社内改革」
その「社風」とは何か/社員の両親からSMAPまで/“尖った個性”を受け入れる/不満や対立を招いた「七〇年改革」/創立以来の危機/“第二の開局”/社風を一新した「八〇年改革」/仕掛けた“お笑いブーム”/楽しくなければテレビじゃない!/勝負の「八一年改編」/視聴率三冠王で業界トップに/「ひょうきん族」の革命/時代が求めた“本音の世界”/「リアル」へのこだわり/「権威」をぶち壊せ!/視聴者も「仲間」/日本社会がフジテレビを欲していた
第二章 「フジテレビ村」の誕生と黄金期
「フジテレビ村」の村おこし/黄金期を支えた「大部屋」/日枝会長は「ガハハおじさん」/改革者のリーダーシップ/鹿内春雄の「目」/「ルサンチマン」がもたらした大躍進/「女子大生・女子高生ブーム」を先導
第三章 衰退の兆しとライバルの猛追
早くも「軽チャー路線」に陰り/トレンディードラマが大ヒット/攻めの姿勢が崩れる/日本テレビに「勢い」で押される/ついに三冠王が途絶える/なぜフジテレビは日本テレビに敗れたのか/雌雄を決した“野球拳”/視聴率よりカッコいい番組を/「制作者本位」か「視聴者本位」か/日テレのフジテレビ大研究/霞んだ“リアル”
第四章 お台場の甘い罠と王座奪還
湾岸の「フジテレビ城」/新社屋で失われたもの/「仲間」が「敵」に……/新たなブランド/“テレビバカ”は時代遅れか/視聴率二位でも“ウチが一番”/新しい情報番組/“まさかの時”のフジテレビ報道/日テレの失速/追い討ちをかけた不祥事/“フジテレビ村”の夏祭り/十一年ぶりに三冠王を奪還/経営陣への不安
第五章 時代を逆走して転落
息苦しさの正体/自らのブランドに縛られる/コストカットと社内格差/“韓流ゴリ押し”騒動/なぜバッシングされるのか?/「楽しくなければ」の呪縛/凋落の一途/七〇年代の雰囲気に逆戻り
第六章 フジテレビは“復活”できるのか?
誰の責任なのか?/企業の寿命は三十年/社風をどう変えるか/「きっかけは……」
おわりに
主な参考文献

インタビュー/対談/エッセイ

栄光と衰退のフジテレビ物語

吉野嘉高

 背水の陣で勝負に挑んだのだろうか――。
 フジテレビが二〇一六年の四月改編で、平日午前四時から午後七時までの十五時間を生放送にすると発表した。こんな長時間を生番組だけで編成するのは、大きな事件や事故が発生した時以外ではあり得ない。放送業界のセオリーから全くもって外れている。
 現在放送中の生番組、「バイキング」や「直撃LIVE グッディ!」を時間拡大するというが、ともに低視聴率に喘いでいる番組である。大博打と言ってもいい。
 なぜ最近フジテレビは、視聴者が首をかしげるような番組を作り続けてしまうのか? なぜ泥沼の不調から抜け出せないのか?
 そんな謎を解き明かすべく、私は本書『フジテレビはなぜ凋落したのか』を執筆した。
 この本の縦軸にあるのは、フジテレビの社員として働いた私の経験である。私が入社したのは一九八六年。フジテレビは視聴率三冠王を連発していて、まさに「テレビの王者」として君臨していた頃だ。
 会社が絶好調なのに加えて日本の景気もバブルへと突入するタイミング。得も言われぬ高揚感に浸りながら、がむしゃらに働き始めた。
 それから二十三年間、私は主にニュース番組や情報番組の制作スタッフや社会部記者として、フジテレビ黄金期の空気を存分に吸いながら働いてきた。年齢が四十代半ばにさしかかった頃、テレビ局の仕事のほかに、都内の大学で非常勤講師として教壇に立つ機会があった。それがきっかけで、二〇〇九年、大学教員に転身した。
 今振り返れば自分でも驚くような転職だが、その理由のひとつには、なんとなくフジテレビ社内の空気が滞って、重苦しくなり始めたということがある。
 本書には、このような経験が重要なファクターとして織り込まれている。さらに関係者のインタビューや関連書籍、雑誌記事なども加え、複眼的視点をもって「フジテレビの栄光と衰退の物語」を叙述した。
 栄光の八〇年代。フジテレビの強みのひとつは、番組やセクションの垣根を取っ払って、全社「一丸」となって場を盛り上げる力であった。
 冒頭で言及した四月改編における長時間生放送の試みは、編集を省いて番組制作費を削りたいのかもしれないが、一方で、番組の垣根を取っ払うことで「一丸」となり「あの頃」のようなパワーを呼び戻すことを狙ったとも言える。だとしても、こんな手法が今の時代に通用するだろうか、という疑念も拭えない。
 はたしてフジテレビは復活できるのか――。
 その歴史や社風をひもとき、「フジテレビとは何か」を詳らかにしなければ、その道のりは遠くなるばかりだろう。

(よしの・よしたか 筑紫女学園大学・現代社会学部教授)
波 2016年4月号より

蘊蓄倉庫

フジテレビ黄金期を支えた「場所」とは?

 1982~1993年まで、フジテレビはいわゆる「視聴率三冠王」を12年連続獲得し、名実ともに「テレビの王者」として君臨した。その黄金期を支えたのが、新宿区河田町の旧社屋3Fにあった「大部屋」であると、3月新刊『フジテレビはなぜ凋落したのか』の著者で、元同社社員の吉野嘉高氏は指摘している。その「大部屋」によって、「社員間のコミュニケーションがスムーズに、意思決定は迅速にできるようになった」という。しかし、1997年にフジテレビはお台場に社屋を移転、「大部屋」は瓦解し、以来、フジテレビは日本テレビの後塵を拝することが多くなり……。
掲載:2016年3月25日

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