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パリピ経済―パーティーピープルが市場を動かす―

原田曜平/著

814円(税込)

発売日:2016/04/18

  • 新書
  • 電子書籍あり

セルカ棒、「Instagram」、ハロウィン、リムジンパーティー、ラブホ女子会、「GoPro」etc.ブームは、やつらに聞け! 企業がひそかに注目する、巨大消費の最新モデル。

消費意欲がない今時の若者の間で、バブルの再来めいた派手な消費が生まれている。今や国民的行事となったハロウィン、九万人を動員する野外フェスULTRA、ラブホ女子会、リムジンパーティー、オクトーバーフェスト……全ての背後にいるのが、トレンドセッター「パリピ(パーティーピープル)」だ。企業もひそかに注視する、彼らの全容を初めて解明。『ヤンキー経済』の著者が満を持して放つ、最新の消費モデル。

目次
 ハロウィンを流行らせたのは誰か?
第1章 「パリピ」とは何か
パリピは若者トレンドの伝道者/パリピが流行らせたもの/韓流好きのパリピ――MiMiMiダンス/パリピの特徴/パリピは「アーリーアダプター」である/パリピが目をつけたものは流行る
第2章 パリピのルーツ――トレンドリーダーの系譜
60年代後半~70年代初頭(1) 自家用車は超富裕層の証
60年代後半~70年代初頭(2) 「トレンドリーダー」不在の時代
70年代中盤~80年代前半(1) 雑誌が流行を作る
70年代中盤~80年代前半(2) クリスタル族とパリピの違い
80年代中盤~90年代初頭(1) マスコミに近い大学生がトレンドリーダー
80年代中盤~90年代初頭(2) 渋カジ高校生たちがパーティーを主催
90年代中盤~2000年代前半(1) 大学にイベサーが勃興する
90年代中盤~2000年代前半(2) “90年代版パリピ”としてのスーパー高校生
2000年代後半 大規模人力イベントの終息/「影響力のある若者」の今と昔
第3章 フィクサー、パリピ、サーピー、パンピー
フィクサー【イノベーター】/ 孤高の表現者たるフィクサーたち/パリピ【アーリーアダプター】/男性パリピは図抜けた人たらし/セレブに憧れる女性パリピ/イベントオーガナイザーとしての男性パリピ/真の音楽好きはパリピを軽蔑する?/健全な高校生パリピ/ファッション系が多いサブカルパリピ/サーピー/自称パリピ【アーリーマジョリティ】/パリピとサーピーを見分ける方法/パンピー【レイトマジョリティ】以降の存在/地方出身パリピと地方在住パリピ/[パリピ・リポート] 若者が集う六本木・渋谷エリアのクラブ
第4章 パリピの人生観
【インタビュー】パリピ・Hさん(T大学3年生)/【ヒアリング】フィクサー・Y君(慶應義塾大学4年生)/パリピとフィクサーはまるで「バブル世代」!?/フィクサーとパリピを隔てるものは「フォロワーか否か」/「カタリスト」であるパリピが地域を活性化する!?
第5章 パリピトレンド大予測――次はこれがくる
パリピの大好物、イベント/パリピのわがままに応えるサービス/快適なパーソナルスペース/かゆいところに手が届くアイテム、アプリ
あとがき
写真提供・協力者一覧

書誌情報

読み仮名 パリピケイザイパーティーピープルガシジョウヲウゴカス
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 224ページ
ISBN 978-4-10-610664-4
C-CODE 0233
整理番号 664
ジャンル マーケティング・セールス
定価 814円
電子書籍 価格 814円
電子書籍 配信開始日 2016/06/17

担当編集者のひとこと

パリピが日本経済を救う。これホントです。

 本書の著者・原田曜平さんは1977年生まれ、博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダーで、日本と中国やアジアの若者研究、マーケティングおよび商品開発に携わっています。「最近の若い者は、なんだかなあ……」という大人世代の困惑や不満について、現実の若者たちへの調査をもとにした「傾向と対策」で応える仕事です。
 ブランド物やクルマに興味がなく、恋愛にも消極的。そこそこの生活で満足――。バブル崩壊と失われた十数年を経て現れた1985年以降生まれの若者たちの消費傾向と志向を分析した『さとり世代』、地元愛にあふれ、上昇志向はないもののリア充で消費意欲の高いマジョリティ(マイルドヤンキーと名付けられた)の存在を明らかにした『ヤンキー経済』などの著作はそれら調査の結実で、着眼の面白さが高い評価を得てきました。
 その原田さんがいま最も注目しているのが、パリピとのこと。ハロウィンの騒ぎに眉を顰める大人は少なくありませんが、2015年の市場規模はなんと1220億円、バレンタインを抜いたそうです。野外音楽フェスULTRA、参加型イベントのカラーランやエレクトリックラン、リムジンパーティーやロンドンバスツアー、instagramやSnapchatなどのSNSツール、セルカ棒(自撮り棒)、サングラス、お洒落なヘッドフォン、エナジードリンク、ウェアラブルカメラGoPro、……短期間に浸透していったこれらブームの震源は、パリピと呼ばれる発信力、影響力にすぐれた一握りの若者だというのです。
 2014年暮れに発足したパリピ研究プロジェクトでは、原田さんと編集者の稲田豊史さん、十数人の現役学生たちとともに、毎週のように発表と検討が行われました。SNSを駆使したリアルタイムの情報収集の軽やかさ、パリピ界における有名人・キーパーソンの存在、エピソードを引き出す原田さんのあざやかな司会ぶりなど、企画・商品開発者は必見! の濃い時間でした。
 それらの生きた調査をもとに、巨大消費の最新モデルを明らかにしたのが、本書『パリピ経済―パーティーピープルが市場を動かす―』です。
 パリピの志向やライフスタイル、ブームとなった事例を取り上げ、戦後世相をたどり、パリピの「構造と力」を解明。パリピ発信のこれまでのブームとともに、これから来そうなトレンド予測まで惜しげもなく披露されているお得感。なにより彼らの幸福追求の積極性に、大人の読者の皆様もしらずしらずのうちに励まされるかもしれません。

2016/04/25

著者プロフィール

原田曜平

ハラダ・ヨウヘイ

1977(昭和52)年東京生まれ。慶應義塾大学商学部卒業。博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー。専門は日本及び中国、アジアの若者研究とマーケティング。著書に『ヤンキー経済』『さとり世代』ほか。日本テレビ「ZIP!」、TBS「情報7days」レギュラー。

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