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「眼の誕生」で、世界は一変した。常識を覆す最新生物学講座!

爆発的進化論―1%の奇跡がヒトを作った―

更科功/著

778円(税込)

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発売日:2016/09/16

読み仮名 バクハツテキシンカロンイチパーセントノキセキガヒトヲツクッタ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 204ページ
ISBN 978-4-10-610685-9
C-CODE 0245
整理番号 685
ジャンル 生物・バイオテクノロジー
定価 778円
電子書籍 価格 778円
電子書籍 配信開始日 2016/09/23

生命誕生から約40億年。変化は常に一定ではなく、爆発的な進歩を遂げる奇跡的な瞬間が存在した。眼の誕生、骨の発明、あごの獲得、脚の転換、脳の巨大化……。数多のターニングポイントを経て、ゾウリムシのような生物は、やがてヒトへと進化を遂げた。私たちの身体に残る「進化の跡」を探りながら、従来の進化論を次々と覆す、目からウロコの最新生物学講座!

著者プロフィール

更科功 サラシナ・イサオ

1961(昭和36)年、東京都生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。民間企業勤務を経て大学に戻り、東京大学総合研究博物館研究事業協力者に。著書に『化石の分子生物学』(講談社現代新書、講談社科学出版賞受賞)、『宇宙からいかにヒトは生まれたか』(新潮選書)など。

目次

はじめに  1%の奇跡がヒトを作った
第一章「膜」 生物と無生物のあいだに何があるのか
細胞は暖かい家である
ウイルスはただの掘っ立て小屋
自分でタンパク質が作れるか
シャボン玉には穴があかない
細胞膜は洗剤のようなもの
必要なものを入れ、不必要なものを捨てるために
すべての生物の共通祖先はどちらの膜か
第二章「口」 よく噛むことはいいことか
動物とは口のある管だ
エビは背と腹が逆になる
ただの穴から開閉するあごへ
哺乳類の下あごは耳の骨になった
あごで音を聞くことができる
噛む力が弱いほうが有利なときもある
第三章「骨」 爆発的進化はなぜ起きたのか
生物が硬い部分を持つには
骨格が持つ三つの役割
ダーウィンの進化論とのズレ
単純な化石から複雑な化石へ
カンブリア紀に突然増えた多様性
ちょっとしたきっかけさえあれば
食うか食われるかの軍拡競争
なぜ金属で歯を作らないのか
第四章「眼」 眼がなくても物が見えるのか
耳で見る、電気で見る
「眼で見る」のが一番いい
カンブリア爆発と捕食者の出現
人間の眼は「完成品」ではない
生物によって便利な眼は違う
第五章「肺」 酸素をどう手に入れるのか
肺呼吸する魚たち
うきぶくろと肺はどちらが先か
「オッカムのかみそり」で考える
なぜ魚で肺が進化したのか
第六章「脚」 魚の脚は何をするのか
四肢動物に共通する骨のルール
そのヒレは肢なのか?
腕立て伏せができる魚
イクチオステガは指を持っていた
陸上進出と肢の進化の関連性
水の中でも肢は進化できる
第七章「羽」 恐竜は空を飛べたのか
始祖鳥と爬虫類は悲しいほど似ていた
鳥にある鎖骨が恐竜にあるか
「鳥は恐竜から進化したのか」論争の決着
地上を駆けているうちに飛べた?
滑空していたら飛んでいた?
斜面を駆け上がっていたら飛べた?
生きている恐竜を見ている
第八章「脳」 脳がヒトを作ったのか
人間を人間たらしめているのは何か
「ピルトダウン人」というスキャンダル
捏造を見抜けなかった偏見
チンパンジーはヒトになれない
直立二足歩行と頭蓋骨の関係
脳は燃費が悪すぎる
ヒトよりイルカが頭のいい時代
なぜヒトは立ち上がったのか
第九章「性」 男は何の役に立つのか
進化するために男女はあるのか
ダメな奴が生まれる可能性も同じ
生物は必ずウイルスに負ける
「赤の女王仮説」とは
精子の中に「小さな人間」はいたか
ゾウリムシは単なる精子なのか
白馬に乗った王子と城で待つ姫が出会うために
第十章「命」 生命は物質から作れるか
「化学進化」によって生命は生まれたか
初期の地球を再現する実験
放電しただけでアミノ酸はできた
アミノ酸から生物は作れるのか
生物の「セントラルドグマ」
DNAが先か? タンパク質が先か?
セロハンテープで立体を作るには
仮説1・RNAワールド
仮説2・タンパク質ワールド
「擬似複製」で説明をつけたけれど
おわりに  ヒトは進化のゴールではない

インタビュー/対談/エッセイ

生と死と生物と無生物

更科功

 人は死んだらどうなるのだろう。天国か地獄にでも行くのだろうか。
 生から死への境界を越えたことがないので、向こう側のことはわからない。私が、こっち側から向こう側へ行くのは、もう少し先のことだろう。しかし考えてみれば、向こう側からこっち側へ来たことはある。私は、死んだことはないけれど、生まれたことはあるのだから。
 では、私はいつ生まれたのだろうか。もちろん、いわゆる誕生日や、卵と精子が受精した瞬間を、生まれたときと決めてもよい。しかし、それって、本当に私が生まれたときなのだろうか。
 たとえば、意識について考えてみよう。私たちが生きていることを実感するのは、意識があるからだ。その意識はいつ生まれたのだろうか。
 おそらく受精卵のときには、意識はないだろう。受精卵が細胞分裂をして二つの細胞になる。四つになる。まだ意識はない。それから、どんどん増えていく。そして、細胞の数が数十兆になるころには意識が生まれている。数十兆というのは大人の細胞の数なのだから。
 つまり意識が生まれたのは、細胞が一個よりは多くて数十兆個よりは少ない時期のいつかである。百億個のときだろうか、それとも一兆個のときだろうか。いや実際には、意識は一瞬で出現したわけではなく、細胞が分裂するにつれてゆっくりと少しずつ現れてきたに違いない。きっと意識が現れる前に「半意識」とでも呼べるような、ぼんやりした何かがあったのだろう。向こう側からこっち側にくる道は連続的で、はっきりとした境界はなさそうだ。
 さらに視野を広げれば、生物と無生物の境界についても同じことがいえるのではないだろうか。生物と無生物は連続的につながっていて、境界を引くことは難しい。実は現在の地球にも、この境界の近くに結構たくさんのナニモノかがいて、それらは生物だか無生物だかよくわからない「半生物」である。それでは「半生物」とはいったい何だろうか。
 今回、新潮新書から『爆発的進化論―1%の奇跡がヒトを作った―』を上梓させていただいた。その中で、向こう側からこっち側に来る話(無生物が「半生物」を通って生物に進化する話)と、こっち側の話(生物の進化の話)をした。
 こっち側の話は、私たちヒトの体を紹介しながら話を進める形にした。私たちヒトが生まれたのは、足や眼や脳が進化した結果である。それぞれに大きな進化、爆発的な進化が関係している。そういうわけで、タイトルは「爆発的進化」の「論」である。でも、このタイトルは、何だか「爆発的」な「進化論」にも読める。進化論が爆発するわけではないのだけれど……でも、そう思えるほど面白く読んでいただければ、著者として望外の喜びである。


(さらしな・いさお 分子古生物学者)
波 2016年10月号より

つなぐ本×本 つながる読書<広がる世界

私たちは今ここにいる。その生命の本質を読み解く。

●消化管の長さは6〜8メートルにもなる。ヒトは内部にそれだけの外部を抱えた存在なのである。(永田和宏『生命の内と外』18頁)
●動物とは口のある管だ(更科功『爆発的進化論』37頁)

蘊蓄倉庫

「講談社科学出版賞」受賞の分子古生物学者

 9月新刊『爆発的進化論―1%の奇跡がヒトを作った―』の著者、更科功氏は、東京大学総合研究博物館にて分子古生物学の研究に携わる科学者です。その一方、かつては岩波新書を全巻収集するほどの読書家であり、更に大のローリング・ストーンズの大ファンであるなど科学以外の造詣も深く、そのため生物の進化を綴る著者の文章はとてもドラマティックでユーモアにも溢れています。初めての単著『化石の分子生物学』(講談社現代新書)では講談社科学出版賞を受賞。福岡伸一氏や村山斉氏に続く書き手と期待しています。


掲載:2016年9月23日

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