ホーム > 書籍詳細:会社はいつ道を踏み外すのか―経済事件10の深層―

東芝、オリンパス、第一勧銀、NHK、ライブドア、山一證券……。判断ミスが命取りに! あなたの会社は大丈夫? 7つのチェックポイント付き。

会社はいつ道を踏み外すのか―経済事件10の深層―

田中周紀/著

864円(税込)

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発売日:2016/11/17

読み仮名 カイシャハイツミチヲフミハズスノカケイザイジケンジュウノシンソウ
シリーズ名 新潮新書
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 255ページ
ISBN 978-4-10-610693-4
C-CODE 0236
整理番号 693
ジャンル 社会学、事件・犯罪
定価 864円
電子書籍 価格 864円
電子書籍 配信開始日 2016/11/25

東芝、オリンパス、NHK、第一勧業銀行、山一證券……なぜ彼らは道を踏み外したのか。いかにして法の網の目をくぐろうとしたのか。長年、社会部の経済事件担当記者として企業の不正を追及してきた著者が、独自取材をふんだんに盛り込み、事件の裏の裏まですべて明かす。バイセル取引、のれん代、にぎり、飛ばし等々、複雑な経済用語も徹底解説。あなたの会社は大丈夫? 全ての組織人必読の経済事件講座、開講!

著者プロフィール

田中周紀 タナカ・チカキ

1961(昭和36)年島根県生まれ。フリージャーナリスト。上智大学文学部史学科卒。共同通信社、テレビ朝日で、金融証券部、経済部、社会部などで記者として活躍。特に国税当局、証券取引等監視委員会を合計6年間取材。著書に『巨悪を許すな! 国税記者の事件簿』など。

目次

はじめに――経済事件は決して他人ごとではない
1 東芝「不正経理」問題(2015年)
歴代3社長はなぜ「チャレンジ」を求め続けたのか?
2 山一證券「飛ばし」事件(1997年)
老舗証券を破綻させた「エリート」の資質とは何か?
3 オリンパス巨額「粉飾決算」事件(2012年)
巨額損失は如何にして20年間も隠蔽され続けたのか?
4 NHK記者「インサイダー取引」問題(2008年)
NHK記者に良心の呵責は存在していなかったのか?
5 第一勧業銀行と大手証券4社「総会屋利益供与」事件(1997年)
大銀行はなぜ気鋭の総会屋に絡め取られたのか?
6 石橋産業「手形詐欺」事件(2000年)
稀代の詐欺師許永中の“人たらし”の手口とは?
7 早稲田大学・マネーゲーム愛好会の「相場操縦」事件(2009年)
仕手筋顔負けの早大生は如何にして転落したのか?
8 ニューハーフ美容家「脱税」事件(2010年)
ニューハーフ美容家は誰にカネを渡したかったのか?
9 クレディ・スイス証券元部長「脱税(無罪)」事件(2009年)
単なる勘違いの申告漏れがなぜ脱税に問われたのか?
10 ライブドア「粉飾決算」&村上ファンド「インサイダー取引」事件(2006年)
誰が無敵のホリエモンを潰したかったのか?
おわりに/主要参考文献

担当編集者のひとこと

証券会社が「飛ばし」をやれば、整骨院がつぶれる。

 会社から地下鉄一本で行かれることもあって、昔、兜町の整骨院へ、よく治療に通っていた。
 と書けば、どんな話かすぐおわかりだろう。
 バブルで景気の良かった時代、その整骨院は治療室を拡張したが、いい時代はすぐ終わった。なんと、患者さんの大部分が山一證券の社員だったからだ。山一が廃業すると患者さんが激減し、まもなく、その整骨院も医院をたたんだ。怒ってはいたが、恨みは無いと言っていた。
 だが、山一の社員ともあれば、会社の上層部に恨みは無いとは、到底言えないだろう。社長が最後に言ったように「私らが悪いんです。社員は悪くございません!」からだ。
 山一の場合、巨額の含み損を隠すため、会社の上層部が「飛ばし」を行い表面化を防ぐ画策をしたが、最後は破産、1万人もの社員が絶望の淵に落ちた。
 会社の犯罪は、かくのごとく悲惨である。直接関係ない者まで全部巻き込む。
 最近では、東芝が、不正経理で、課徴金73億円を命じられ、1万5000人がリストラされた。第一勧業銀行の総会屋利益供与事件では、元会長が自殺している。オリンパスの粉飾決算でも、社長が逮捕・起訴され、有罪判決を受けた。
 同じ会社で働いていたとはいえ、多くの社員のあずかり知らないところで起きた犯罪がやがてばれ、その結果……とは、サラリーマンには人ごとと笑えない。
 風が吹けば桶屋が儲かるとは、途中の仕組みがわかりづらいが、社長が犯罪を行えば会社がつぶれる、なら自明の理なのに、こうして毎年のようにどこかの会社で必ず起きるのは、何故なのか? 社員はいったいどう対処したらいいのか?
 社長の犯罪には、社員はなかなか気がつかないだろうが、会社としてなら、「事件を起こしやすい会社」には、いくつか特徴があると、著者は言う。例えば、コネ社員が出世する。中興の祖が影響力を持ち続ける。特定の学閥が優遇される。などなど。上司に逆らえない風土、なんて例も少なくない。
 会社の恥を知るのは辛いが、青天の霹靂よりはましである。まずは、本書をご一読頂き、自分の出来る防御策から始めることにしては?

2016/11/25

蘊蓄倉庫

泣く子も黙る!?「東京地検特捜部」

「泣く子も黙る」と言えば、昔、「鬼平」(火付盗賊改方)、今、「東京地検特捜部」、だろうか。
「東京地検特捜部」は、ロッキード事件、リクルート事件、大蔵省接待汚職事件など、政官界を巻き込んだ大事件を果敢に捜査、いくつもの大金星を挙げてきた「正義の味方」という印象が強かったが。
 経済事件ジャーナリストの田中周紀氏によると、最近は、そうでもないらしい。
 国家権力としての大きすぎるプライドのため、「自分たちが社会の在り方を決めている」と信じ込み、容疑者を有罪にしようといったん決めると、絶対、後戻りしない組織になってしまっている、という。
 いくら何でも、このメディアが発達したご時世、そこまでは絶対無理でしょうと、普通は思うだろう。だが、捜査当局の流す虚々実々の情報を、大手マスコミは何の疑いもせずに、垂れ流している。その結果、いくつもの冤罪事件まで起きているのですと、田中氏は自戒を込めて言う。
 極悪非道の大悪人のように指弾された事件の当事者が、公判を綿密に傍聴し、取材し直してみると、これは冤罪じゃないか、というケースだって珍しくないらしい──。
 だが、2010年に、大阪地検特捜部検事による障害者郵便制度悪用事件での証拠改ざん事件が発覚。これを機に、特捜部自身が作り上げたシナリオに基づいて強引な捜査を行うスタイルに、社会から強い批判が起きるようになる。
 そんな中、潮目と言える、一つの事件があった。
 クレディ・スイス証券元部長「脱税」事件を、ご存じだろうか(本書収録)。
 それまで、東京国税局査察部が告発し、東京地検特捜部が起訴した脱税事件は、なんと100%の有罪率を誇っていた。それが、この事件では、物的証拠が不足したまま、無理矢理一罰百戒を図ろうとする手法に、ついに大きなひび割れが生じ、無罪となったのだ(2014年)。
 さて、その後、東京地検特捜部は、どうなっているか。
 2015年に、東芝の不正経理問題(本書収録)が発覚した。証券取引等監視委員会(SESC)は、歴代三社長の告発に向けて調査を続けているが、肝心の東京地検特捜部は、立件しても裁判で勝てないだろうと、はなから弱腰のようだ。
 弱い者いじめの冤罪マシーンで、泣く子が黙るのも困るが、弱気過ぎて大企業に遠慮してしまう、特捜部というのも、困ったものだ。


掲載:2016年11月25日

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