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二人の皇帝から読みとく漢民族王朝。

習近平と永楽帝―中華帝国皇帝の野望―

山本秀也/著

821円(税込)

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発売日:2017/08/10

読み仮名 シュウキンペイトエイラクテイチュウカテイコクコウテイノヤボウ
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 223ページ
ISBN 978-4-10-610730-6
C-CODE 0222
整理番号 730
ジャンル 政治・社会
定価 821円
電子書籍 価格 821円
電子書籍 配信開始日 2017/08/25

漢民族の最後の帝国であった明の3代目・永楽帝と習近平には、意外なほど共通点がある。権門出身という血統のよさ、権力掌握前の苦節、正統性を証明するため、政権創設者に範を取りつつ、前任者を超える政治実績を示すことを迫られた立ち位置、「法治」を掲げた苛烈な政敵排除や国内統制、政権の威光を高めるための対外拡張とアジア秩序構築への意欲――。歴史を踏まえると見えてくる、現代中国の核心に迫る。

著者プロフィール

山本秀也 ヤマモト・ヒデヤ

1961年生まれ。産経新聞編集委員兼論説委員。北京大学哲学系卒。シンガポール、台北、香港、北京、ワシントン支局長を歴任。著書に『本当の中国を知っていますか?』『南シナ海でなにが起きているのか』、共訳書に『李登輝実録』など。

目次

序章 帝国の残照と現代中国
「中南海」という巨大な舞台/みえない等身大の指導者/「プリズム」としての永楽帝
第一章 水楽帝誕生
中国報道と歴史のモノサシ/廟号と政争/明の誕生/諸王分封と燕王/権力者の子に生まれて/遥か都を離れ出て/削藩という粛清/靖難の変
第二章 習近平の半生
共産党総書記という「皇帝」/「西北王」の息子/父の失脚/農村への下放/正規教育の欠如/中央軍事委員会の青年秘書官/国際センスの欠落/地方指導者から国家指導者へ
第三章 王朝創始者の椎威利用
元祖の権威にすがる権力者/毛沢東と中国思想/為政者に服従を迫る
第四章 粛清の時代
農民革命政権/中華型支配の継承/「礼」と「法」の間/新政権下の大粛清/「反腐敗」を掲げた政敵排除/粛清の担い手たち/党の統制と司法
第五章 「盛世」の夢
軍事パレードと「つぶやき」/為政者への功績評価/「胡習盛世」の到来?/「盛世」を創出する言論統制/海外メディア、サイバー空間にまで
第六章 「天下」の拡大と「大一統」
朴槿恵時代の対中接近/事大主義の伝統と今後/鄭和と「四夷朝貢」の国際秩序/「大一統」と「天下」の再興/海洋支配と国際法/国際社会は「儒教」と「大一統」を理解しない
終章 習近平は永楽帝たり得るのか
功と力のあくなき追求/手負いの紅衛兵が抱くトラウマ/永楽帝のモンゴル、習近平の台湾?/「大一統」に傾く危うさ
コラム 明という時代
お中国の歴史と儒教
【永楽帝】解説・年譜/【習近平】解説・年譜
参考文献

担当編集者のひとこと

残された時間

 習近平の名前を初めて耳にしたのは2009年、天皇との会見をごり押しして話題となった副主席時代のことでした。すでにポスト胡錦濤の最有力候補だった習近平への政治的配慮から会見が実現したとして、天皇の政治的利用だと物議を醸しましたが、私も含め多くの人が当時はまだ「習近平って誰?」「奥さんが有名な歌手なんだって」「へえ~」といった程度の認識しかなかった気がします。

 今では、多くの政敵を粛清し、インターネットを遮断し、国際法には従わず、個人崇拝を推し進め……いつの時代の話なのだろうと思うことばかりですが、その謎をとく鍵が中国共産党の「明以来の漢民族王朝」という側面で、その明時代、習近平とよく似た境遇だったのが永楽帝だという著者による指摘、それに続く考察はまさに「歴史は繰り返す」という言葉通りです。

 中国人初のノーベル賞受賞者であり、国家政権転覆扇動の罪に問われた法廷で「私に敵はいない」と語った劉暁波氏は、明の時代にも激しかった「文字の獄」の最後の被害者が自分であることを願いながら、先日、亡くなりました。その一切は黙殺されたまま、習近平は、さらなる権力への布石に余念がないようにみえます。
 そんな彼の時代がいつまで続くのか。その答えも歴史の中にある――本書読後はそう思わざるをえません。

2017/08/25

薀蓄倉庫

甥殺し

 1368年、一介の「乞食坊主」から身を起こした洪武帝が南京で即位し、ひらいた明朝。永楽帝は、この王朝創始者である洪武帝の息子で、大変に優秀だったといいます。しかし長男ではありませんでした。長男は皇太子にたてられたものの早くに亡くなり、その子、つまり皇太孫が2代建文帝として即位します。
 まだ若い建文帝にとって、実績ある叔父らは目の上のたんこぶどころか、自らの地位を危うくする危険極まりない存在でした。わずか1年あまりで、5人の叔父の身分を次々に剥奪します。当時、北京を守っていた永楽帝も追い詰められて決起し、首都・南京を陥落させ即位しました。しかしこの「甥殺し」は永楽帝に一生ついてまわった汚名となり、建文帝の治世がながらく正史から抹殺されたことからも、その激しさがうかがわれます。

掲載:2017年8月25日

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