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デービッド・アトキンソン氏 藻谷浩介氏絶賛! なにもない飛騨の里山を、毎年数千人の外国人旅行者が訪れる「宝の山」に変えた逆転の戦略とは。

外国人が熱狂するクールな田舎の作り方

山田拓/著

799円(税込)

本の仕様

発売日:2018/01/17

読み仮名 ガイコクジンガネッキョウスルクールナイナカノツクリカタ 
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 198ページ
ISBN 978-4-10-610748-1
C-CODE 0263
整理番号 748
ジャンル ビジネス・経済
定価 799円
電子書籍 価格 799円
電子書籍 配信開始日 2018/01/26

岐阜県北部の飛騨に、世界80ヶ国から毎年数千人の外国人旅行者を集める人気ツアーがある。その最大の売りは「なにげない里山の日常」だ。小学生のランドセル姿に、カエルの鳴き声の拡がる田んぼに、蕎麦畑の中に立つ古民家に、外国人は感動する。なぜ、なにもない日本の田舎が「宝の山」になりうるのか。地域の課題にインバウンド・ツーリズムで解決を図った「逆張りの戦略ストーリー」を大公開。

著者プロフィール

山田拓 ヤマダ・タク

1975(昭和50)年奈良県生まれ。株式会社美(ちゅ)ら地球(ぼし)代表取締役。横浜国立大学大学院工学研究科修了。コンサルティング会社勤務の後、夫婦で525日間の世界放浪を経験。2007年、飛驒市観光協会の戦略アドバイザーに就任し「美ら地球」を創設。

目次

はじめに
第一章 グローバルカンパニーと世界放浪を経て飛騨へ
始まりはグローバルカンパニー/先進国しか知らずにグローバリゼーション?/525日間の世界旅行/世界遺産マチュピチュで気づいたこと/ウガンダの青年に気づかされた自分のアゲ底/そうだ、田舎に住もう!/移住を希望も地元は「来るな!」
第二章 日本の田舎は世界に通じる
乾いた雑巾に水を垂らす/伝統ある町家を言い値で購入/世界に通じる飛騨市を目指して/採用面接は英語の問答/ロゴを全国公募も、説明会の参加者はひとりだけ/「インバウンド」を狙え!/先進地スイスとイタリアを視察/欧米豪の個人旅行者マーケットを取れ!/SNS連動の多言語ウェブサイト/「田舎あるある」首長代われば全て撤回!
第三章 タダの景色でお金を稼ごう
待ち人来たらず、ならば自分で/低所得者となり保育料はゼロに/町の紅葉図/馬の代わりに自転車で農家を巡ろう/ヒトを雇ってツーリズムを始める/「暮らしを旅する」ということ/最初に効いたのは「ポン引き営業」/タダの景色の価値/小学生の通学風景も立派なコンテンツ/「四人の契り」/里山オフィスを始動させる/「SATOYAMA EXPERIENCE」にブランドを統一/「四人の契り」を発展的に解消/日本版エコツーリズムと「四つのhappy」/地域には自分たちから恩返しを/口コミサイトで最高評価を獲得
第四章 大変だけど楽しい田舎暮らし
激寒の引っ越し、到着翌日にはムスメが中耳炎/スローライフの実態はビジーライフ/古川じゅうのみんなが見とるでな!/意外に便利、田舎の中心市街地/朝開けた鍵を閉めるのは夜寝る時/神さまが家の前を通る/いったいいくつの帽子があるの?/グローバルなHIDAの企業/出社前には雲の上にてコーヒーを/お金じゃ買えない価値がある
第五章 企業経営の手法を地域経営に
SATOYAMA EXPERIENCEは飛騨の救世主か?/飛騨の強みは地域の濃厚さ/先行者ゆえの利益と課題/whatではなくhowを/カネは出しても口出すな/最も枯渇している経営資源は人材/飛騨の玄関口での運営も開始/「美ら地球」の正しい使い方
第六章 日本と世界の田舎をクールに
同じ事業はどこでもできる/需要は大あり、でも供給はちょっと/着地型観光を持続させるコツ/とやま観光未来創造塾グローバルコース/新たに気づいた「五つめのhappy」/「あんたが欲しいんや。わかりますやろ!」/台湾から依頼された講演のテーマは「里山精神」/ヨソ者の力を借りて「SATOYAMA」を守るべし/地域に求められる本当のDMO/少なすぎるプレーヤー、多すぎる支援者/「観光」ではなく「ツーリズム」を/地方を創生させたければ「やり続けよ」
あとがき

インタビュー/対談/エッセイ

日本の田舎は世界の宝

山田拓

 日本が人口減少し始めて間もない2007年の10月、私は「クールな田舎をプロデュースする」株式会社ちゅ地球ぼしを、岐阜県の飛騨古川という街に立ち上げました。この会社では、何気ない風景をサイクリングツアーなどの形態で世界各国から来られるゲストに体験してもらうSATOYAMA EXPERIENCE(里山エクスペリエンス)という着地型ツアー事業を提供しています。また、B to C(対顧客)ビジネスで得た経験をフィードバックして、日本の地方部における新たなビジネスのあり方を考えるB to B(対組織)のコンサルティングビジネスも手がけています。
 創業から10年の節目で本書の執筆に向き合うことを決めたのには、おおきく2つの理由があります。ひとつは、私たちのこれまでの蓄積に対して、国内外の様々なメディアでご紹介頂いたり、大臣の名前が入った表彰状がオフィスに何枚も並んだり、私自身全国各地からお呼び頂いたりと、各方面よりご評価頂く機会が増えてきたことがあります。自分たちが向き合って試行錯誤してきた過去10年間を整理し、同様の分野に興味を持つ方や地方部での活動に従事する方に、改めて田舎でのビジネスの可能性を感じて頂きたい。そして、私たちの試行錯誤を地方創生の流れの糧として頂きたい、と感じたからです。
 もうひとつは、地方部での新たなビジネスチャンスに関する例示という側面に加え、俗に言う「ワークライフバランス」の実現の選択肢の1つとして、地方部での生活の素晴らしさを伝えたい、ということがありました。人口や情報が過度に都市に集中する日本社会のライフスタイルに疑問を持つ人々も数多くいらっしゃるようですが、現実には地方への移住はハードルが高いと感じられる方がほとんどでしょう。そういう方々に、地方部での新たなチャレンジは、没頭できるライフワークとプライベート・ライフの両立を可能にするチャンスとなりうることをお伝えしたかったのです。
 もし本書を手に取って頂く機会があれば、読者の皆さんには、シンプルにたった1つのメッセージをお感じ頂ければと思います。それは、身の回りにある「当たり前」を疑い、自らを信じて動けば道は開けるということです。田舎の何気ない日常が世界の旅行者から賞賛されていること、そんななりわいを創ったら地方部に若手住民が増えたこと、大手企業に雇われるより田舎の零細企業を営むほうが豊かであると感じられることなどは、都市に住む方にはなかなか実感して頂けないかも知れません。私たちのこれまでの取り組みを手がかりに「当たり前」を見直し、自分なりのライフスタイルを志向する人がこの社会に一人でも増えたとすれば、上梓までの労苦は私の更なるライフワークの糧に変わるでしょう。

(やまだ・たく 株式会社「美ら地球」代表取締役)
波 2018年2月号より

担当編集者のひとこと

どこでもできる地方創生の策

 SATOYAMA EXPERIENCEに参加するために、岐阜県の飛騨市古川を訪ねたのは2017年9月のこと。SATOYAMA EXPERIENCE(里山体験)とは、『外国人が熱狂するクールな田舎の作り方』著者の山田拓さんが代表を務める、株式会社「美ら地球(ちゅらぼし)」が提供している着地型のサイクリングツアーです。
 ツアーは、白壁の美しい飛騨古川の街中からスタート。途中、蕎麦畑の中に立つ古民家を見たり、道端の湧き水を汲んでお茶にして飲んだり、田んぼのあぜ道でカエルの鳴き声を聞いたり、飛騨牛農家の方と立ち話をしたりと、日本の田舎の「なにげない日常」を体験しながら進んでいきます。
「そんなものがウリになるの?」と思うかも知れませんが、この「なにげない日常」こそが最高のコンテンツ。事実、このツアーの参加者の8割は外国人で、その外国人の8割は欧米豪の旅慣れた個人旅行者です。これまでにツアーを体験したゲストの国籍は80にものぼります。世界最大の旅行口コミサイト「トリップアドバイザー」では、99%のゲストが絶賛のコメントを寄せているのです。
 しかも、このツアーを支えるスタッフのほとんどは移住者。外から人とカネを呼び込んで、地域の再生を図る一つのモデル的なケースが、このSATOYAMA EXPERIENCEと言えます。
 実際、優秀なガイドさんに導かれたツアーは素晴らしく、映画「君の名は。」の舞台にもなった飛騨の空は澄みきっていましたが、一方で風景は「日本のどこにでもあるもの」とも言えます。「どこにでもある風景」を「商品」に仕立て上げたビジネスノウハウにこそ価値があるわけで、逆に言えば、日本のどの地域でも同じ事業を展開できる可能性がある。
「地方創生」は、かけ声として使われることは増えましたが、本書の著者のように実際に地方部で事業を興し、それを継続・発展させている人は多くありません。地方創生に限らず、広く日本の今後を考える糧としてお読み頂ければ幸いです。

2018/01/25

薀蓄倉庫

中国人の団体客より欧米豪の個人客

 飛騨の里山をサイクリングするSATOYAMA EXPERIENCEのツアーは、参加者の8割が外国人という特徴がありますが、もうひとつ際だった特徴があります。それは、その外国人参加者の8割が欧米豪の個人旅行者である、ということです。
 インバウンドでの街おこしを考えると、どうしても中国人の団体客を当て込むことになりがちですが、中国人の団体客を当てにするのはいろんな意味でリスクが高い。その点、欧米豪の旅慣れた個人旅行者が主要顧客になれば、事業の価値が守りやすくなります。この顧客構成は、事業を開始する際に、ターゲットを絞り込んだ結果なのです。

掲載:2018年1月25日

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