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#消えてなくなれPTA #小学校やばいPTAやばい #PTA子供人質 知られざる実態を徹底ルポ 究極のブラック組織。

PTA不要論

黒川祥子/著

799円(税込)

本の仕様

発売日:2018/05/17

読み仮名 ピーティーエーフヨウロン 
シリーズ名 新潮新書
装幀 新潮社装幀室/デザイン
発行形態 新書、電子書籍
判型 新潮新書
頁数 200ページ
ISBN 978-4-10-610765-8
C-CODE 0237
整理番号 765
ジャンル 政治・社会
定価 799円
電子書籍 価格 799円
電子書籍 配信開始日 2018/05/25

会員数約1000万人を誇るPTA。だがそれは「卒業してよかったと心から思える」組織だった……役員が決まるまで帰れない恐怖の保護者会。パート賃金以下のベルマーク活動。問答無用、平日昼間にかけられる招集。学校から検閲される広報紙作成。時代錯誤、理不尽のオンパレードだ。いつ、どこで始まり、なぜ続いているのか、そもそも何のためにあるのか——謎の日本最大規模組織・PTAの存在を根本的に問い直す。

著者プロフィール

黒川祥子 クロカワ・ショウコ

福島県生まれ。ノンフィクション作家。東京女子大卒。著書に『誕生日を知らない女の子 虐待——その後の子どもたち』(第11回開高健ノンフィクション賞)、『「心の除染」という虚構』『子宮頸がんワクチン、副反応と闘う少女とその母たち』『県立!再チャレンジ高校』など。

目次

はじめに
第一章 恐怖の保護者会
役員決めという関門/事情は考慮しない/泣いても無駄/貫かれる、悪しき平等主義/閻魔帳/PTAは任意加入/「結社の自由」と「結社しない自由」/PTAの役割/「お手伝いさん」として/国へと連なる、縦の系列/日本最大規模の組織/PTAの目的
第二章 PTAの「お仕事」
「お母さんにもできる」簡単な仕事/無駄な労力/何のためなのか、わからない/講演会に必死で人集め/出汁、折紙、アロマ/女性の人件費は、タダ/もう、PTAはやめてくれ/ベルマークという苦行/パートの時給以下/検閲下におかれるPTA/PTAと学校は対等?/平日昼間の「研修会」/「文部科学大臣賞」
第三章 本部役員とは何か
会長職を担える人材/地主、自営業、地元の名士/推薦委員会の役割/不倫の噂があるからダメ/3回断られるのは当たり前/OG、OBにお歴々/私物化されるPTA/コアメンバー以外は入れない/PTAの主/地元業者との癒着
第四章 究極の改革
変革の動き/「伝統」という名の天井/キーマンを味方につける/委員会を廃止した!/改革に賛同していない人も巻き込む/出られない時は出られない/商店街がなかった/PTAを変革した学校
第五章 PTAはいつ、どこで始まり、なぜ続いているのか
PTAの始まり/アメリカで作られた組織/文部省の啓蒙・普及活動/細かなマニュアル/社会を浄化する役割/官製団体としてスタート/旧来の組織の名称を変えただけ/「教育選挙」に果たした役割/画一的なPTA規約/構造的に対等ではない/継続するPTAへの干渉/「母の会」という、もう一つの歴史/「母の会」は校長や教師の「下」/全員参加の上、あくまで援助者/隠蔽された「修養」と「奉仕」/戦前からの念願、全国組織の確立/日本最大の有権者組織/トップダウン方式/「あるべき日本人像」/神道による教育は排除/皇族、日の丸、君が代
第六章 PTAは必要か
無くて困ること、やってよかったこと/非会員の子どもへの差別/PTAが抱えるリスク/強調される「地域」との連携/PTAは国に指図される存在/PTAは、どこまで利用されていくのか/PTAは、本当に必要なのか
主要参考文献

インタビュー/対談/エッセイ

居心地の悪さの根拠

黒川祥子

 末子が高校を卒業した時、「これでようやく、年季が明けた」と心からの解放感を味わった。それが私にとってのPTA体験だった。
 子どもを人質に取られている以上、やらざるを得ないと役員を引き受けたものの、地区の全戸を回っての会費徴収や仕事への遅刻覚悟の登校時の旗振り、煩雑な作業を要求される広報誌作り等々、やっていることにほとんど意味を見出せない苦痛ばかりか、知らないうちに自分の心情や意思にかかわらず、何かに巻きこまれている居心地の悪さがあった。別に私は「俗悪番組」などどうでもいいのだが、PTA会員になっていることは、追放の一翼を担っているわけだ。PTAで自己実現を図りたい母親たちからの、無視といういじめも体験した。PTAとは簡単に誰かを「ハブる」ことができるのだと、身をもって知った。
 喉元過ぎれば……と思っていた私だが、実際にPTAに向き合ってみて、心底、驚いた。あの時、感じた苦痛や居心地の悪さには根拠があったのだ。取材の過程は、うわー! とのけぞったり、思わず膝を打ったりの連続となった。
 出会った母親たちは皆、叫びにも似た思いを抱えていた。新年度の最初の保護者会は、「恐怖の保護者会」と化す。教室に「軟禁」状態にされての、役員決めが行われるのだ。フルタイム勤務、乳飲み子がいる、ひとり親、介護中など、それぞれの事情は一切考慮しないと宣言されてのことだ。
「一切の事情を考慮しないって、今どき、どんなブラック組織? PTAって子どものための組織でしょう? なのに、自分の子どもを放置せざるを得ない状況に今、追い込まれている」
 母親たちの数々の本音は、まさに正鵠を得たものだった。PTAはそもそも任意加入の団体であって、軟禁されてまで役員決めを強制させられる根拠はない。しかし私自身もそうだが、一度も任意加入という説明を受けたことがないが、これは「組織的詐欺罪」に当たると、憲法学者の木村草太氏。任意加入を隠そうと本部役員が話し合った時点で、「共謀罪」が成立し、強制加入を規約に謳えば憲法違反になるという。
 そこまでしてもなぜ、PTAを存続しようとする力が働いているのか。取材の過程で結果的に収斂されて行ったのだが、そこが本書の核心だ。
 PTA会員だった当時は知る由もなかったが、一学校のPTAは国へと連なるルートを有していた。たとえば公立の小中学校PTAの全国組織「日本PTA全国協議会」に加盟する児童数だけで約840万人。教職員、さらに連携する国立、私立、高校まで含めるとPTA関係者は1000万人を超える。日本最大の有権者組織といえ、使い勝手はきっと無限にある。
「楽しいPTA」を掲げる類書とは一線を画す、歴史にまで遡りPTAと向き合った一冊。辿り着いた結論が、タイトルとなった。

(くろかわ・しょうこ ノンフィクション作家)
波 2018年6月号より

担当編集者のひとこと

なぜトラブルだらけなのか

「全部の委員が決まるまでと、19時まで教室に軟禁された」「副会長のボスママにいじめられて、うつ病になった」「シングルでも共働きでも介護中でも平等にと、誰がいつどんな役をやったのかが記された『閻魔帳』がある」「区議選狙いのPTA会長が、推薦用紙を偽造して水増し投票の不正が発覚した」
 取材で直接、保護者の方々に伺った「PTAあるある」。まさか! と思われるでしょうが、経験者の方なら頷かれることばかりなのではないでしょうか。
 そうした個々の事例のみならず、いつ、どこで、誰が、何のために始め、なぜ続いているのか、その歴史や存在意義にまで迫りました。

2018/05/25

薀蓄倉庫

日本最大規模組織という一面

 PTA(Parent-Teacher-Association)は、学校に通う幼児・児童・生徒の保護者、および教職員とその関係者で組織された、社会教育関係団体です。各学校のPTAは市区町村、都道府県、国へと連携しており、国レベルの組織である、日本PTA全国協議会に加盟している小中学校の生徒数だけで840万人(2017年現在)。教職員や関係者も含めると、実に1000万人規模といえるでしょう。

掲載:2018年5月25日

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